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カテゴリ: Book Review
「ランチタイムは死神と」(柴田よしき、徳間文庫)を読む。

「死神」は「アンクー」と読む。アンクー(Ankou)については冒頭に以下のような説明がある。

フランス・ブルターニュ地方に伝わる死神。アンクーを見ると、自分または自分の愛する人が死ぬ、とされている。


ストーリーは、そんな死神が見えてしまった女性を主人公にした2篇の連作中篇と、同じく死神が見える子供を主人公にした3篇の幕間劇からなる。一話目の中篇の主人公・多美は同僚男性に片思いをしているが彼にはフィアンセがおり、そのフィアンセの死を思い描いてしまう。そんな話を会社の同僚の窓際族・島野に打ち明けると、彼は自分は死神だと多美に告げる。果たして死ぬ運命にあるのは誰か…という話。

二話目の中篇の主人公・麦穂は玉の輿に乗ることだけを目標に生きてきたが今は愛人という立場に甘んじていて、応募している小説新人賞でも落選続きで焦っている。そんな中、とある新人賞を受賞したのが会社の同僚の冴えない女性だと判る。そんなとき、会社に特別プロジェクトのために移ってきた「死神」島野と出会う。果たして今回死すべき運命にあるのは誰か…。

死神の設定はよくあるものだが、特に二話目の中篇は人生の幸せとは何かということを考えさせられる作品となっている。それに比べると一話目がちょっと甘いかなという気がしないでもないが、全体としてはまぁまぁ面白い作品だった。

以下ちょっと引用を。


母親なんだから、子供のために不自由するのは当たり前、と、なんとなく思っていた。
あたしは、何もわかってなかったんだ。

人の心はね、心の中は、聖域なんだよ。誰にも土足で踏み込んで踏み荒らす権利なんてない。

この不況下でいったいどれだけ足を棒にすれば、まともな会社に雇ってもらえるのか。途方もない枚数を書かなくてはならないだろう履歴書と、不愉快な思いを堪えに堪える面接の日々を思うと、げっそりとして来る。


これで今年29冊目。


ランチタイムは死神と/柴田よしき





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Last updated  2015.05.01 06:38:31
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