t-cross Private Research Institute (tPRI)

t-cross Private Research Institute (tPRI)

PR

×

Calendar

Profile

t-cross

t-cross

Archives

2026.10
2026.09
2026.08
2026.07
2026.06
2018.12.01
XML
カテゴリ: Book Review
「梟のシエスタ」(伊与原新、光文社)を読む。

とある地方の国立大学の心理学講座を舞台にしたアカデミック・ミステリの連作短篇5篇からなる1冊。発生する事件は、アカハラに業者との癒着、学会とサークルの会場ダブルブッキング、ストーカー、そして学長選をめぐる陰謀の数々…。更にその裏には学部改組(「ありがち」な「総合人間科学部」構想とか、人文系の臨床心理学講座を医学部に組み込む話とか)などの「大学あるある」的な話もチラホラ。

そして本作の「探偵役」は「フクロウ」こと袋井。名前だけでなく彼は「夜行性」で「ほう」と鳴く、変人だらけの大学教員の中でも群を抜いた奇人変人だ。一応、専門は中世スペイン建築。しかしこのフクロウが凄い!何でそこまで見抜けるのかという慧眼の持ち主で謀略家で、奇人変人なんだけれども憎めないというか面白い。是非是非続篇を、と期待したくなる。

以下、気に入ったところの引用。

「僕ら助教や講師には権限も研究費もろくに渡さないくせに、こき使いたいときだけ『ここは若い人の力で』とか調子のいいこと言っちゃってさ。権利は不平等、義務は平等」

「あれ? これって、あの悪名高い『自分探し』ですか? 違いますよね?」

「そもそも、文科省が学長選考会議なんてものを押しつけてきたこと自体がおかしいんだ。法人化とか学外理事とか経営感覚とか、そんなものは学問の自由を阻害する方向にしか働かない」

「あの三谷という男は、声がやたら大きい。声が大きい人間は、権力志向が強く、かつ単純だ」

「ちゃんと数字で言えよ! 重みづけして計算しなおしてやるから!」





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2018.12.01 10:45:44
[Book Review] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: