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カテゴリ: Book Review
「ボーダレス」(誉田哲也、光文社)を読む。

近所の図書館で見つけた未読の誉田作品。あらすじも何もチェックせず借りてきたのだが…「姫川」や「武士道」とは違う誉田の新境地を見た気がする。

まず、女性同士が向き合っているシルエットの表紙からして意味深な本作。話の展開も独特で、複数の一見全く関係のないストーリーが並行して進んでいく。こんな感じ。

・森の中をひたすら逃げている姉妹。しかも妹のほうは盲目。
・推理小説が好きで自らも書いている女子高生とその友人の話。
(・その女子高生が描く小説)
・体が悪く外出できない少女が、外を通る女性に恋をする話。
・こだわりのコーヒーとランチで遠方からも客を集めるカフェを営む一家。

はて、これだけで何がどう繋がっていくのかは正直私も中盤過ぎ辺りまで皆目見当つかず。でも、ふとしたきっかけで物語は雪だるま的に加速度を増して、謎が解けてゆく。この辺が何か、新感覚のミステリって感じがした。

作中には自作にして超傑作である「ストロベリーナイト」事件の話がちょろっと出てきたりと、古参のファンを喜ばす仕掛けもちゃんとしてある。さすが誉田哲也!

以下、気に入ったところの引用。

死体の取材って、確かに怖い。ミイラにマイクを向けて「気分はどうですか」とか訊いてそう。

無力な民は、真正面から覇王に逆らったりはしない。
無力な民は、知恵を絞って奇襲に訴えるのみだ。

もう稲刈りも終わりかけのこの時期、Tシャツに短パン姿で出歩く日本人は滅多にいない。奈緒は常々不思議に思っている。なんで外国人って、みんな薄着なのだろう。特に西洋人。ひょっとして、彼らの皮膚は東洋人のそれよりも厚いのだろうか。





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Last updated  2019.06.20 12:44:47
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