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カテゴリ: Book Review
「酒は人の上に人を造らず」(吉田類、中公新書)を読む。

最近ではTVの「酒場巡り番組」はBSを中心に様々なものがある。最近では芸能界引退で話題になった夢眠ねむに始まり今では3代目が放送中の「アイドル酒」シリーズ(←勝手に命名)では、人気女性アイドルと酒場という一見ミスマッチな組み合わせが観ていて意外と楽しく、アイドルに詳しくない私もつい「酒飲みの同志」という視線になって観てしまう。

とはいえ、そんな数ある酒場巡り番組のパイオニアと言えば誰が何と言おうと本書の著者・吉田類さんの「酒場放浪記」であろう。私もいつしか知らぬうちのこの番組の虜になり、姉妹編の「おんな酒場放浪記」ともども、ほぼ欠かさず観ている。本書はそんな「大衆酒場の伝道師」吉田類さんの「酒縁」四半世紀をまとめたエッセイである。

日本各地のみならず海外の様々な土地の酒と食文化は勿論のこと、その土地土地の歴史や伝統、習俗、信仰など、また登山愛好家でもあることから山や野生生物などの自然に関すること、そして何といっても人との出会い(=酒縁)が、独特の優しい詩的な語り口で描かれている。「酒場放浪記」や大衆酒場好きならば必読の一冊。

以下、印象に残った箇所の引用。

吉井勇は、伯爵の爵位を持つ歌人であった。大正時代の流行歌「ゴンドラの唄」(作曲/中山晋平、歌/松井須磨子)の作詞で広く知られている。
”♪いのち短し 恋せよおとめ 赤き唇 あせぬ間に”

「富士山へ女連れで登ったのは間違いやったかもしれんね」
姫神コノハナノサクヤヒメの嫉妬心が一切を幻にしたのかというのだろうか。
「逆鱗に触れるほどの美人さんだったんでしょうね」

「ストロベリームーンですね」
誰かが呟いたような気がした。
「いやあ、チェリームーンでしょう。山形の月だから」
酔った僕の眼には二粒の月が映っていた。

どうやら飲兵衛の父親が反面教師となっていたに過ぎず、飲酒に対する封印は呆気なく解けた。

最初の引用は勿論、WANDSの「恋せよ乙女」を連想したからだ。





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Last updated  2019.10.18 09:40:48
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