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カテゴリ: Book Review
「涼宮ハルヒの直観」(谷川流、角川スニーカー文庫)を読む。

短・中・長編をそれぞれ1編ずつ収録。読みどころは勿論長編の「鶴屋さんの挑戦」。鶴屋さんが父親の出張に同伴し、その出張先で起きた出来事に関する謎解きをSOS団にメールで送りつけ、団員たち(と文芸部員1名)がそれを解くというなかなか本格的なミステリ。

今までの本シリーズにも「謎解き」の要素を持った作品は多くあると記憶しているが、ここまで本格的なのは初ではなかろうか。物語冒頭で展開されるミステリ談義は、古野まほろの「セーラー服と黙示録」シリーズを彷彿とさせるものであるし、実際のトリックも見破るのが難しい。というか私は初めから見破る気などないのだが…。

ただ、他の一般的なミステリ作品と違うのは、複数名の団員(登場人物)が会話をしながら謎解きに挑むというスタイルをとっていることであり、読者が自分ひとりで解いているのではない、という点。これがあることでミステリ初心者やラノベ世代の人たちにも読みやすい(とっつきやすい)ミステリになっていると思う。例えば、会話があることで「謎解きのやり方」「謎解きの流れ」といったものが可視化されている感じがする。

あとはこのシリーズお馴染みの細かなところでいうと、P.234で長門が読んでいる「縦長の黄色っぽい本」は、児童文学であることから「モモ」(ミヒャエル・エンデ)だと思う。P.330で「誕生日のパラドックス」と「モンティ・ホール問題」を引き合いに出す辺りも本シリーズらしい。

以下、印象的だった箇所の引用。今回は、鶴屋さんのメールにある風景描写から。

こういう日没ギリギリの空の色って何かいいよね。あと、これから夏になるって今みたいな時季の空気の香りとか、灼けたアスファルトに雨が落ちた直後の匂いなんかもね。





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Last updated  2020.12.17 12:57:44
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