人間のように極端な利他行動も、他者の評価や評判によって協力者が得られやすくなれば、トータルで利益がコストを上回り進化しうる。
ただし、これらのシステムでは、裏切り者が出ると破綻してしまう。助けてもらうだけで何もしない裏切り者のほうが、メリットが大きいからである。
従って、こうした裏切りを防ぎ、確実な見返りが与えられる必要がある。
ロバート・アクセルロッドは、相手が協 力すれば自分も協力するが、相手が裏切ったら自分も裏切る、「しっぺ返し戦略」が、進化することを示した。
だが人間の場合はそう簡単にいかない。人間の「優れた者」や「強者」や「道徳的な者」は、
適者生存における「適者」とは必ずしも一致していなかったからだ。
15世紀末の英国では、上流・中産階級に比べ、貧民層や下層階級の出生率がはるかに高かった。
そのため自らを「優れた者」で「強者」で「道徳的」と信じる上流・中産階級の人々は、
適者生存による進化の行く末を恐れ始めた。
出生率に優る下層階級に数で圧倒されてしまう結果、
人間の性質は進歩せず、逆に劣化し、社会も国家も衰退する、と危惧し始めたのだ。
フォン・ノイマンを10人製造できる国がでてきたら、世の中の序列は一変しそう。
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