最近の関心事・思う事

最近の関心事・思う事

2018.03.04
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1つ前のブログで、最近観た映画の個人ランキングと、☆3のレビューを書いた。今回は☆4をつけた作品のレビューを書く。

まずはランキングのおさらい。

アマデウス>>>ある公爵夫人の生涯>クロムウェル(1970年)>>>マリー・アントワネットの首飾り=仮面の男(1998年)=モリエール 恋こそ喜劇=ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路=君の名は>危険なプロット=危険な関係>ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い=宮廷画家ゴヤは見た>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>花咲ける騎士道

☆5:アマデウス

☆4.5:ある公爵夫人の生涯、クロムウェル(1970年)

☆4:マリー・アントワネットの首飾り 、仮面の男(1998年)、モリエール 恋こそ喜劇 、ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路、君の名は、危険なプロット、危険な関係、ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い、宮廷画家ゴヤは見た

☆3:花咲ける騎士道

・「 マリー・アントワネットの首飾り 」
アレクサンドル・デュマの原作を、ヒラリー・スワンク主演で映画化した作品。
2つ前に書いた、最近見た本についてのレビューにも、この映画について触れているので参考までに。

時代はは1784年~1786年の間。フランス革命前夜のパリで展開される、王妃を巻き込んだ首飾り事件のスキャンダルが題材になっている。この映画で描かれるジャンヌの身の上が「事実」だったらあまりに不憫で同情するけど、多分腹黒で野心家な性格だったのだろう。

☆4の評価をした理由は、制作はアメリカだけど、フランス革命前夜のパリの様子や、マリー・アントワネットが民衆に憎まれている様が、史実をベースにしっかり描かれている。そしてジャンヌの夫で放蕩家のド・ラモットや、ロアン枢機卿、当時の財務大臣・ブルトゥイユ、宝石商のベーメルとボサンジュもいい味を出していた。

最終的に、王妃が首飾りを持っているのでは?という疑惑を民衆に抱かせたまま、主犯のジャンヌに鞭打ち100回と、肩に泥棒の印である「V」の焼き鏝をされる刑が下された。惨めで残酷なシーンなんだけど、エピローグの王妃の処刑シーンも含めて何となくエロい。

一般的な評価は分かれるようだが、私は満足した。


・「 仮面の男(1998年) 」
アレクサンドル・デュマの原作を、レオナルド・ディカプリオ主演で映画化した作品。
まだ1回しか見ていないので、2度目の鑑賞によっては、個人評価を☆4.5にする可能性がある。

ディカプリオは若き暴君・ルイ14世役。昔見たテレビ放送で、瓜二つの双子の弟とすり替えられた、鉄仮面をかぶった暴君のルイ14世が「誰か助けてくれ~」と苦しむシーンでendだったと記憶していたが、そんなシーンは無かった。

恐らく日本では未公開だったが、テレ東の昼の映画枠で放送された「鉄仮面(1977)」だったかもしれない。
こちらはリチャード・チェンバレンがフィリップとルイ14世の2役で出演。アラン・ドロンに似た俳優がダルタニアンを演じている。
他に二コラ・フーケやコルベールも出て来る。ダルタニアン以外の三銃士は出てこない。
↓日本語じゃないけど、一応リンクを貼っときます↓
鉄仮面 ( 1977 )

ディカプリオ主演の作品に話を戻そう。やはり当時の近衛銃士隊の青い制服はカッコイイ。THE騎士道といった感じで。このカッコ良さと綺麗に話がまとまっていて分かりやすい点に☆4つ。2度目の鑑賞でもう少しレビューが増えるかもしれないけど。


・「 モリエール 恋こそ喜劇 」
ロマン・ジュリス主演のフランス映画。
時は多分ルイ13世統治下の17世紀前半(金持ちの屋敷にリシュリュー枢機卿の肖像画があったのと、服装から判断して)。
13年間の地方巡業を終え、パリに戻ってきたモリエール一団。皆喜劇を望んでおり、一団も喜劇をやるつもりでいたが、
団長のモリエールは悲劇をやりたがっていた。もがくモリエールの下に、かつての依頼主のご婦人が危篤との知らせが・・
モリエールの記憶は13年前に遡る。

税金未払いで投獄されたモリエールは、とある金持ちのブルジョアから、若い貴族の娘を虜にする手伝いを条件に借金を肩代わりしてもらう。その金持ちの屋敷で、妻である年上のマダムとの恋と別れ、死を経験したモリエールは喜劇を演じる決意をする。

☆4の理由は、話が分かりやすく、当時の金持ち・貴族の豪華な屋敷や衣装が見られたから。
しかし、13年前の回想では、平民とはいえ金持ちで、豪華な屋敷と多くの召使いがいた。
危篤時の夫人の家がボロボロだったが、娘が望む平民男性との結婚をかなえたから、家としては落ちぶれてしまったのだろうか? 娘の恋人だけど、どこがいいのか私には分からない・・


・「 ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路 」
有名な作曲家・モーツァルトの姉・ナンネルにスポットを当てた映画。制作国はフランスなので、彼らはフランス語をしゃべる。
実在の話をベースにしているが、ルイ15世の子供達の年齢が実際と違っている点はフィクション。

モーツァルトに姉がいたことを知らない人が結構いることに驚き。ナンネルは割と聞くけどね。有名な映画「アマデウス」に出てこなかったから忘れられてしまったのか・・

☆4つの理由は、父親のレオポルト・母親・弟のヴォルフガング(モーツァルト)、そしてナンネル、ルイ15世の子供達まで全てこちらが期待する顔立ちを満たしていたから。別に美男・美女だった、という意味ではない。「こういう顔だといいな」という水準をある程度満たしていたという意味。

モーツァルト一家は、数年に渡ってヨーロッパ中を巡業する旅に出ていた。当時の馬車での旅は想像以上に大変だったと思われる。今みたいに道の途中にトイレもないので、草むらで(映画は真冬なので、雪の積もった林の中で)用を足さないといけない。
巡業から3年目の1765年、一家はパリに到着。この時ナンネルは14歳。
演奏先のヴェルサイユ宮殿は、ルイ15世の息子の王太子(ドーファン)が妻を亡くしたばかりの喪中で、この王太子とナンネルが恋に落ちるという設定が良かった。

まあ、王太子や、パリに行く途中の修道院で仲良くなる、ルイ15世の末娘で1歳下のルイーズの風貌については賛否両論あるようだけど。
しかし物語の主軸は、「作曲は女性には難解だ」という当時の常識で、弟のように作曲法を指導してもらえないナンネルの葛藤だ。小さい時は彼女も神童と思われていて、バイオリンを弾かせてもらえたが、現在は触るとレオポルトに怒られる。
そのため、弟が披露するバイオリンの後ろでクラヴサンを引いたり、歌ったりする役割に甘んじている。

ルイーズの恋人で、王太子の音楽教師をしている青年に恋文を渡すことになったナンネル。王太子は見慣れない女性を遠ざけていたので、男装して王太子のいる部屋に接近、無事教師に恋文を渡す。そこで披露したバイオリンの腕を王太子に見込まれて作曲を依頼される。

父親が作曲法を教えてくれないので、弟に教えているのを立ち聞きしたり、家族がロンドンを巡業中にパリに残り、音楽教師をしながら音楽学校に通う(女性には入学資格が無いようで、この時も男装して紛れ込む)。王太子に作曲した曲を喜ばれるも、再婚することになった。父王の放蕩の血を嫌う王太子はナンネルとの関係に悩み、愛していつつも、わざと彼女に罵声を浴びせて別れを告げる。

傷ついたナンネルは作曲した楽譜を燃やし、以後二度と作曲はしなかった。その後のナンネルは弟と差がつき、平凡になってしまった。

何で作曲は女性には無理と思われていたのだろう。単に男性と同じ教育を施されていなかったので、難しいことを理解出来ない女性が多かっただけでは?非常に惜しいが、現実に女性が音楽で食べていける道がほとんど無かったのだろう(音楽教師位?)

しかし当時のフランスの上品な装飾や衣装が見られて良かった。
このレビューだけだと、ナンネルの両親が分からず屋に見えてしまうが、家族4人は非常に仲がいい。宿泊先の当時の「水洗トイレ?」を家族で面白がる所とか良かった。当時の常識に縛られているレオポルトは作曲法は教えてくれないが、クラヴサンの指導など、必要な事はきちんと指導してくれるし、娘もきちんと愛しているのは表情で分かる。
そうそう、書き忘れたが、ナンネルの「男装」がけっこう様になっていた。


・「 君の名は 」
レンタルした中で、唯一の日本映画&アニメ。正月の1/3にテレビ朝日で放送されたが、途中から時間枠が理解出来なくなったので借りた。2011年に東日本大震災に見舞われた日本人の多くは、この映画を観て「陸前高田」を連想しただろう。

最初はコミカルな展開だったのに、後半は衝撃的な事実に釘付けになる。都会と田舎の綺麗な描写、現実的な日本社会の描写に☆4つ。

しかし今時の都会の高校生はあんな感じなのか?ついていけない。すごい「リア充」生活。男の方のバイト先(オシャレなカフェ・レストラン)は私だったらとてもじゃないが務まらないしやりたくない。あの仕事を普通にこなせるということは、そこそこデキる男なのだろう。彼の友人もバイトの助っ人が出来る位だから能力が高いと思われる。

男と入れ替わった女の方は、バイト先でテンパっていたが私もあんな感じになる。都会と田舎の違いもあるだろうが、男の方が全体的に能力が高く描かれている。

女は全体的に女の子女の子していて、男は特に主人公の言葉使いが荒い。口噛み酒関係のシーンはちょっと卑猥で嫌だ。


・「 危険なプロット 」
フランス映画。今回借りた作品の中で唯一の現代物。
先にレビューした「モリエール 恋こそ喜劇」で金持ちのブルジョアを演じていた俳優(ファブリス・ルキーニ)がこの映画の主人公で、
リセ(高校)で国語の教師をしている。生徒の作文を添削しながら文才の無さを嘆いていた。
ところが一人の生徒の作文に目が止まり・・

この生徒を演じる俳優(役名はクロード)が金髪碧眼のクールな感じで良かった。舞台がパリということもあり、オシャレ映画としても楽しめるし、現在のフランスと都会の高校の様子が分かって良かった。

最近フランス革命関連の漫画を読んだので、この現代を舞台にした作品にすら「フランス革命で戦った祖先の血」を感じる。例えば、通常フランスの学校には制服は無いが、映画の舞台となる高校では、今年から制服が導入されることになった。

その理由は、恐らく日本やイギリスであれば、「集団行動やマナーを身に付ける為」になると思うが、この学校では、貧しい家、金持ち、中産階級関係無く皆が同じ制服を着ることで身分差を無くす事が目的だ。

あと、クロードの親友が、作文を皆の前で読まされた上、国語教師である主人公から貶されるという「侮辱」を受けた際、父親が学校に来て教師に抗議をするが、「教師は生徒に敬意を払え」と要求する。

フランス革命からの平等主義が現代にまで受け継がれているように思う。これ程フラットというか、平等が徹底している国はあまり無いと思われる。しかし行き過ぎた「平等」が、恐怖政治の時代には、フランス王妃やその子供の待遇に不幸をもたらした。これ程酷い扱いを受けた王族はいないのでは?
(「クロムウェル」という映画に出てきたチャールズ1世だって、処刑までの待遇は悪くなかった。
フランスもルイ16世の処刑までは恐怖政治が始まっていなかったので、それなりに待遇は良かったが、それ以降のマリーアントワネットやその子供の扱いが過去に例が無い位最悪だ。)
現在はノンストップで移民を受け入れている「心の広い国」ではあるが、過去から現代までの王族・貴族・文化人・知識人・職人が築いた優雅な文化・イメージに影響は無いだろうか?

・「 危険な関係 」
18世紀のフランス貴族社会を舞台にしたアメリカ映画。制作年は1988年と少し古め。
「仮面の男(1998)」でアトスを演じていたジョン・マルコヴィッチがバルモン子爵として出演している。
他に、若い頃のキアヌ・リーブスやユア・サーマンも出演している。

男女の恋のゲームが行き交うフランス上流社会が引き起こす悲劇を描く。原作はキケロで、書かれたのは1780年代。

映画の前半は、バルモン子爵が私の好みじゃないせいか、メルトゥイユ侯爵夫人との賭けで、既婚の若い夫人を口説き落とす様がしつこくて嫌だった。しかし終わりに向けての緊迫した流れ、貴族の1対1のサーベルによる決闘の様子は良かった。沢山の従僕・召使いがいる豪華な貴族の日常はまるで王族のようだ。バルモン子爵が割と気を許している、年の近い、「同類」の従僕も良かった。


・「 ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い 」
映画「アマデウス」が良かったので、その関係で借りた。
台本作家ダ・ポンテがモーツァルトとタッグを組んだ、オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の制作過程を描くイタリア映画。イタリアのヴェネツィアも出て来るので興味がある人にはオススメ。

アマデウスでも流れた曲が出て来ると楽しいが、イタリア制作なので、モーツァルトも、ウィーンのシーンで出て来る人達も皆イタリア人。イタリア映画をほとんど見ないので、イタリア人の顔が見慣れない。「いつもと違うもの」を観ている感じがあった。

でも主役のダ・ポンテは日本のチャラ男みたいなイケメン。

ヴェネツィアで暮らす神父のダ・ポンテはユダヤ系のイタリア人。放蕩児だったため、15年間のヴェネツィア追放を言い渡される。カサノヴァの紹介状で、ウィーンへ渡り、宮廷作曲家のサリエリを介してオペラの台本作家として暮らす。

アマデウスでは、ドン・ジョヴァンニのストーリーはサラッとしか分からなかったけど、この映画を見て、あのオペラはこういう話だったのかと分かったのが良かった。

ドン・ジョヴァンニのモデルとなったかつての色男、ジャコモ・カサノヴァの人生、ダ・ポンテの放蕩児としての人生との別れ、制作途中にモーツアルトの父が亡くなったので、彼の父への贖罪等々の思いを重ねてオペラは完成する。

しかしウィーン市民には不道徳な作品に映り不評。
映画「アマデウス」だけ見ると、モーツァルト1人干されたように見えるが、ダ・ポンテも同類として干されたんだね。

・「 宮廷画家ゴヤは見た 」
上記タイトルの映画も観たのに、一覧に入れ忘れていたので追加。観た映画の一覧を編集しているうちに、誤って消してしまったようだ。
ヒロインの悲惨さと、18世紀末~19世紀初頭の混乱したスペイン社会の重さで☆4にしたが、映画としてのスケールは☆4.5に値すると思う。
1回目に観た時の印象が重すぎて、2度目の視聴が一番最後に。しかし気になったシーンは何度も巻き戻して見た。
例えば、無実の罪で15年も投獄された金持ちの娘・イネスの変わり様、18世紀末(1792年~93年)~19世紀初頭の間の街や人々の変化、そしてエンディングなど。

エンディングはゴヤの黒い絵?シリーズで始まる。気持ちが重くなったところで、制作年が昔に遡り、明るい音楽と共に18世紀頃の貴族かブルジョアの明るい雰囲気の肖像画に変わる。個人的には貴族?の若い男女が手を繋いで輪になり、グルグル回っている中心に、目隠しした人がいる絵が楽しくおどけた感じで良かった。目隠し鬼で遊んでいるのだろうか。あとは、数人の貴婦人が布を広げて、その布の上をとぼけた顔をした藁人形?が跳ねている絵が良かった。

2度目の視聴が最後になったのは、悲惨で重い内容だからというのもあるが、流行の変遷を見るのが気が進まなかったというのも大きい。
私は19世紀への関心は低い。18世紀の優雅なロココドレスから、ギリシャ風のウエストがゆったりとしたドレスに変わるのが悲しい。
見た目が地味だしスマートじゃないから。
男性がカツラを被らなくなるのも耐えられない。流行は進化するものだから、不要だと思えばいずれ無くなるのは仕方のないことだと分かっているつもりでも、「変なカツラ」とか「(18世紀を)中世ヨーロッパ」と言ってる人とは話したくない。
19世紀は、1836年まで私の好きなアルトワ伯(ルイ16世の弟で、マリー・アントワネットと仲が良かった人)が生きていたし、シャルル10世としてブルボン王朝最後のフランス国王にもなったから辛うじて関心を持っている程度。

しかしナタリーポートマン演じる「イネス」はきつい役回りだ。裸で腕を後手に縛られて吊り上げられる屈辱的な拷問や、15年もあんな牢獄に入れられて、変わり果てた容貌を晒さなくてはいけない。薄暗くジメジメとした不衛生な牢獄は藁が敷いてあるだけ(トイレもその場でする状況と思われる)。そこに裸もしくはボロキレを纏っただけの状態で入れられ鎖に繋がれる。おまけに下心を持つ修道士・ロレンゾによって獄中で妊娠させられる。こんな状況に追いやられたのに、ロレンゾを夫として慕い、自分が生んだ子供を育てるために探そうとする。裕福な生活を送る姿を見ていただけに、異端尋問~の惨めな状況が重い。
あんな環境に15年も入れられたら、誰でも顔が曲がり、肌もガサガサ、頭もおかしくなるだろう。死んだ方がマシな気もしてくる。
イネスの家族は、異端尋問強化の指揮を執ったロレンゾをよく脅せたな。自分達が罪に問われたかもしれないのに。
投獄後の環境を想像出来ていないか、本当に自己犠牲も厭わなかったか。
そういやユダヤ教徒ではないことを証明するのに、拷問ではなく豚肉を食べて見せる方法では駄目だったのかな。

結局15年後、ナポレオンのフランス軍が進軍し、イネスの家族は殺された。家具・調度品も略奪されて屋敷の中はボロボロ。すぐに釈放されたとしても、いずれは家族と共に死ぬ運命だった可能性が高い。

話は変わるが、この映画の登場人物で一番好きなのはフランシスコ・デ・ゴヤ。世渡りが上手いので、安心して見ていられた。ロレンゾもうまくやった方だとは思うが、最終的には自分の信念を全うして惨めな死に様を晒してしまった。

世渡りがうまい方がいい生活を維持出来るし、惨めな思いをしなくて済む。同じミロス・フォアマン監督作品の映画「アマデウス(後日レビューを書く予定)」のサリエリにしても、誰からも恨み・妬みを買わない振る舞いを身に付けていたので、死ぬまで生活が潤った(映画では自分のしたことの罪悪感で精神病のようになったが)。水面下で過激な本性を吐き出しながらも、常に自身の保身に気を配り、表立っては問題発言をしない。権力のある人に対してはおべんちゃらだって使う。

大抵の映画の主人公は「英雄」たる行動をする。自身の身の安全だけを保証されても同意しない。場合によっては自信を犠牲にしてでも他者や愛するものを助けようとする。漫画・アニメの主人公だってそうだ。
私は「よくやるな~」とは思っても、「カッコイイ」とは思わない。ここまでする奴なんて現実にいるか?
最終的にハッピーエンドで終わったとしても、主人公補正でそうなっただけで、現実にこんな自己犠牲なことをやったら身の破滅だ。ほんと馬鹿じゃないかと思う。

じゃあ、自分は世渡り上手に振る舞えばいいじゃないかと言われそうだが、そんな簡単じゃない。
私にとって屈辱な状況だと思えば反発して、それを終わらせるためにそこから去る。
「終わらせられる」ということは、傍から見てたいした屈辱ではないのかもしれない。

私が感じる「屈辱」と、大多数が思う「屈辱的な状況」は多分違う。映画や漫画で、ヒーロー・ヒロインが好条件を提示されたのに反発をするのを見て、「この状況の何が不満なのか?私なら受け入れる」と思うことが多いし。自分を犠牲にしてもいいと思える相手なんて、ほんと稀だ。






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Last updated  2020.05.09 10:59:26
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