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そういった体の関係は男たちにとってあまり意味のあることではない。しかしテリトリーを維持管理するにあったって愛している女が他のオスとそういった関係になるのは排除する必要がある。 したがって、あいしている女が私を欲しがるようにリードすることが肝要となる。 テリトリーそれがオスのレゾン・デートル(存在理由) 。
Nov 30, 2004
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ビジネスの電話が入る、携帯は電波が悪い。しかし権限のない人間と会話することは疲れる。ビジネスの肝要は判断だが、判断している人間が顧客よりの判断を行うか、中立はありえないが、会社よりに行うかのほかに、自己保身に走る傾向の人間からの電話ほど疲れる気分になる。祐介は、相手に部長から電話するように指示をして、携帯をきる。 彼への電話はOFFRECORDINGの打診が多いが、OFFERINGでなくNEGOの電話にうんざりする日々が続いている。 彼は進捗自体記録するタイプなのでほとんどメールでビジネスしているが、だれも彼の権利に配慮するような組織はない。したがって、使えない担当は切るしかない。「白佐古でございます」「先ほどの電話の男だれ?」「なにか失礼でも」「僕に二度と電話させないでいただきたい」「かしこまりました」「例のけんですか、あの方向で処理してください」「承りました」「社長は、ヨットにいってるのかなあ、最近見かけないけど」「お言葉お伝えいたします」「では」「失礼いたします」 夕日は優しい光を彼のDESKに落としている。携帯には今夜のお食事の打診がきている。祐介は今日食事をしていないことに気付いた。 戦いに勝つことは容易いが、勝ち続けていくことに疲れていた。業界の人間として祐介の価値観は業界以外に理解できないしする必要もない。しかし、理解されない悲しみについて、祐介はIEDNTYTYCRISISに陥っている。 最高のCONDITIONでBESTな事業を行うことが社会貢献につながるという理念自体、美しい話なのはともかく、その美しい話を現実化していくプロセスのなかで祐介は、この国の限界を感じはじめていた。この小さなアジアの片隅でなにをしているのか。 祐介はだれかに癒されたいだけなのを無視して、立ち向かう戦場をこの東京に選んだことの無意味さを思い知らされている。 女たちは彼の経済行動に興味はなく、豪華な夕食とMOETの琥珀な酔い心地に興味があるだけだった。女たちは結果評価で彼を評価した。彼が愛するということは、そんなことではなかった。そばにいてほしいときにそばにいてくれない人は祐介を愛してはいないということ、彼との関係を曖昧な状態のまま、ふらりふらり、彼は夜の街に流離うしかないのか? だれも彼のためにそれはできない、彼の渇きを癒すことなど。
Nov 29, 2004
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私は幼稚園のとき、男子がそれをしなくてはいけないと聞き、以下の対策を立てた。 プロポーズされるまで結婚はしない。
Nov 28, 2004
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彼女からの折り返しの電話はなかったし、電波の届かないあるいは電源が入っていないというのも、私の携帯にはよくある話だ。 会議を終えて、午前2時のロビーで携帯に電源をいれるとプライベートなメールが5件、留守電が7本蓄積されていた。いきなり私はその電源を落として、理恵の部屋のPCが起動しているかどうかを確認した。起動していないように見えたが、見えなくしているような気がした、私は彼女のマンションに行くことにした。 深夜の首都高は途切れがちな対向車のライトの河が緩やかな傾斜のカーブの中で、うつろに感じていた。私は理恵とわかれる理由を探していることに愕然としていた。理恵を喪失する苦悩に耐えられない現実に直面することを排除しようとしている。 彼女の部屋にいる男のイメージが苦悩なら、私の部屋の女の気配に苦しむ理恵は想像の外側の安全地帯なのか根拠がない。 彼女が私を支えることはできない。それを率直に彼女に伝える必要がある。それが私に残された誠意の形なのだろうか。 「私」を「私」たらしめ、一貫性、同一性を与えているものは何か、ということへの意識、自己確信がもてない以上、その確認作業を彼女に委ねることは危険だった、すくなくとも私にとって。 彼女を愛していることの現実を理解させようとしている欺瞞に憤りを感じるのは、ほかでもなく理恵自身なのは明白だが、彼女との肉体関係がないということが二人の意思伝達を複雑化している。 私は彼女が抱き気がないのか、彼女が私を抱く気がないのか明確にする必要があった。いくつもの夜を重ねても答えの出ない、とりとめのない不毛な、そういった私の人間性の理恵の精査の行為が、愛しているということの現実に夥しい苛立ちを感じている。 私は理恵のいない人生を検討せざるをえない。 南青山は雨になっていて、激しい風邪が吹いていた。タクシーの窓を開けて吹き込む雨を頬に感じながら、いつでも抱ける安易な都合のいい女の立場に理恵を置き去りにしている自分の不誠実さを私は感じていた。 私は彼女を愛しているとは伝えたことがあるが、彼女に結婚しようとは言っていない、すなわちその意思がないと彼女は判断していると認識した。 やはり理恵は私を愛していないのかも知れない。そういった疑義が彼女の信頼を得ないし、彼女の個人的な行動に関して不安定な脆弱さを感じる、彼女は私に相談などしないから、そのことが寂しいなかなと、自身を感じた。 彼女に会えたなら彼女が欲しいという感情を伝える必要があった。自分の感情を抑えるのに疲れ果てている、異常な疲労感が私を襲っている。 「六本木にもどってください」運転手に伝えた。押し留まった。 彼女に携帯からメールを打った。詩なのかメッセージなのかわからないものになった。TERUX ++ ..2004/11/27(土) 03:31 [398] 愛を詩にした日々が流れた詩がたくさんできたそれを読んで君を愛していると僕は確信し始めているあなたと結婚したいその言葉がでそうになるのを躊躇っている僕がいるたぶん君はまだはやいというだろうから 私はまだ躊躇いがちなわがままな子供として、この体をもてあましたまま、酒場に強い酒を飲みに出かけることにした。 夜は静かな琴線を静かにゆらしている。
Nov 27, 2004
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「愛してしまった」「わたしもよ」「信じられないけれど」「そうね」 大学を卒業したら彼女は英国に留学してしまうと知らされた夜、僕たちはごく何気なく大人の関係になっていた。彼女はすこし背伸びをして、女に振舞った。生まれて6歳までLAですごした彼女の感性は、西海岸の匂いがした。二人はたどたどしい彼女の日本語と流暢な英語の混在したもので僕は疲れた。「まるで中国のお友達のしゃべる日本語ににてるよ」「中国にもいたよ」 彼女は農耕民族ではない、狩猟をしている。土着して、農耕従事労働を行うこの国の風土にはなじまない。 彼女は彼を見つけ、狩猟した、その日本的な美しさをもった異邦人は、広東語と北京語とマレーシア語と英語と日本語を危なげに操るが、その感性は米国籍をもつ日系日本人の父親ゆずりだった。 彼女は彼が欲しかった、だから、寝た、そこには愛や恋や約束や保証や誠実や理性や、そういった時間軸上で変容する概念はない。彼女はそこで彼がほしかった、だから彼を抱いた。それがすべてだった。 プロテスタント系医大に学ぶ彼女のコネクションは英国に彼女を奨学生留学の道を切り開いた。彼女が医療に従事することの未来がそこに広がっている。いずれUSの大学で教鞭をとることになる。 私との関係は、2年ぶりの恋だと言った。シャワーを浴びながら、なにげなく年齢を聞くと、まだ子供なのといった。 カーテンの隙間から入り込んでくる街の明かりに、仄かに照らされた彼女の表情は凄い美しさをしていた。 出会ったときは、21歳になったばかりだった。僕たちはごく不通の恋愛と反対方向から、知り合うということを、ゆっくりとはじめた。 彼女はいいものみせてあげるといって、僕にYAHOOを開かせて、自分がモデルをしているPOPなデザイナーのWEBを開いて、自分のかわいらしく取られた写真を出した。それは美しく撮影された可愛らしい洋服のPROMOTIONWEBだった。その愛らしさは、数時間前にBEDで彼女がみせていた、女の表情の極限な美しさとベクトルのちがうイメージだった。 そのようにして、僕たちは結ばれた夜から、離れ離れになることを、運命つけられていた。「父は貿易の仕事をしている方だったよ」「日本語へんだよ、両親に方はつかわないよ」「亡くなってるからいいのよ」「SORRY」 僕は抱きしめた。「では僕が東京PAPAになる、それとも東京BROTHERがいい?」「そちらもいやだ」「そうか」 その会話の数時間後彼女が僕の恋人であることに気がついた。彼女の環境は運命という言葉を使用せずに説明不能なほどに切ないものだった。その孤独の深さは、僕の悲しみを軽々と凌駕していると感じた。彼女を守りたいと思った。しかし、彼女は僕に鎮静をあたえて、いる。
Nov 26, 2004
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彼がNYに転勤になっても彼女は日本を離れない。 彼は海外移住を彼女にあえなくなるのを回避するように、延期していた。 別れるのが正しいのなら、何故出会ったの? とりとめもなく夜がながれて、あたなはここに流れてきた。「消去しようよ」「そうだね」 彼は画像やメールアドレスや、名刺を処分した、彼女のものを除いて。そういった儀式を二人は慎重に行って、お互いの距離感を見つめていた。 夕暮れた夜に彼の返信が途絶えた。電話を入れても返信はなかった、そんなことは初めてだった。 大切な未来を、育んでいったいどうなるのだろう。「あなたは、あなただから」 そういう君のあでやかに開いたせなかの白さが眩しい強さで私を揺らしている。やがてふたりBEDに横になったまま、眠りについた二人が見る夢は群青色の夕暮れにふりだした雨に煙る街角。 言葉にしてつたわることの薄さを二人は噛み締め、なやましい吐息のふりかかる距離で確かめあう、なにを、なんのために。 どうかわたしをさみしくしないで あなたがいてほしいの わたしだけのあなたで わたしいがいを見ないで 君のひとみはそう言ってる 「あいしてるよ」 「かもね」 「あいしてるといって」 「はずかしいよ」僕は彼女の胸元にひろがる、たわわな甘い果実のふくらみを、飽きもせず夜通し眺めて過ごした。 グレイの朝がきてもまだ僕たちは信じることができないでいた 「わたしたち恋人なの?」 「きみが感じるなら、そうだね」 もはやふたりはあともどりできない場所にいるのに、たくさんの恋人たちのように、そういったとりとめのない時間だけが流れている、穏やかに。 彼女は曖昧に微笑むと彼は銀河系の彼方に飛んでいくような意識が遠のいていく感じがした。条件設定をクリアしなければどうすることもできない。彼女は完結的に彼の心の扉をあけて、様子を眺め、ドアの外側で立ちすくんでいる。そういった危なげな、意味深な、曖昧な心を。彼がやがてきえていく人をみている感じかして嫌だった。「ほんとはね、わたしあなたのからだほしくはないけれど、どこかのおねえさんがそれをほしがるなら、どうか、わたしのこと、だいてほしい。あなたのからだにだかれたなら、わたしがかわってしまいそうで、こわいの、わたしが淫乱なおんなになったとしても、いままでのようにかわいがってくれるの?わたしのからだに飽きたらおもちゃのようにすてたりしないの?やくそくして、たくさんあいしてあげるから、わたしのことずっとかわいがってくれるって。ねえきいているの?」「裕子さん、手厳しいね」「あなたのかわりは、いくらでもいるわ。彼女はあなたのかけがえのなさに気が付いていないよ。だからいつでも切れるようにしてるのよ。彼女の予定のあなたの優先順位はそんな、隙間に存在するだけよ。彼女はあなたのお世話なんかしないわ。だってそんなことあなたの好みでないことを気が付いているし、あなたがいくら愛してるといっても信じられるわけはないでしょ。そうよ、あなたはちょっとしたおもちゃなのよ。すぐに捨てられるわ」 彼は話が確信にふれると、腕のピアジェの時計をまわした。「あなたほんとに彼女がほしいの?思わせぶりで、宙ぶらりんになってるのをかわいそうだと思わないの?」「僕は最善に大切にしてる」「だから、その大切があやしいのよ、あなたは無責任な当事者の位置をしめているだけじゃない、彼女の青春を邪魔しないようになんて可能だとおもってるの?」「難しいしつもんだなあ」「あなたが彼女を変えていくのよ」「うん」「彼女の心は好きだった男をわすれて、あなたに夢中なのよ」「それはぎもんだね、僕はきえてしまう夕焼けのように感じているよ」 窓の外は夕暮れで、暗くなっていく部屋で、裕子はなにを祐介に伝えたいのか理解できないままでいた。
Nov 25, 2004
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スタンフォードの図書館は強い冷房が効いていた。西海岸の南丘陵に広がるキャンパスのなかで、この国のハイテクエリートの生産工場、その若き天才たちの図書館にNETはなく、彼らや彼女たちはその空間を愛していた。 そういった運命的なと感じざるを得ないことが、そのビジネスで訪れて印象に残る図書館にハイスクール時代の彼女が、美しい黒髪をゆらしてホームワークをこなしている風景がそこにあった。西海岸の友人は名門の淑女たちのなかで、彼女の美しさは群を抜いていた。彼女は三年飛び級して、ここに入学をした。 彼女の研究はmarketmakingの分野だった。彼女の嗜好は天才的な商業主義の市場創生能力だった。彼女の好むものは時代がもとめるものだった。彼女は同世代がpartyに生きがいを感じる時期に、スタイルをつくることに熱心だった。彼女の事業計画はいくつもの企業が採用し、その契約自体は株価にさえ影響を与えた。彼女は15歳にして億万長者になり、自身の市場調査会社をつくり、大手リサーチ会社の業務委託契約を行っていた。 彼女自身、経済に興味はあったが、お金にはなかった。時間の対価としてお金は時間の代わりにはなったが、彼女の精神構造にそれはなかった。お金よりむしろ図書館を好んだし、彼女は億万長者になる必要もなかった、なぜなら彼女の父親がそうだったから。。 やがて彼女はその図書館に膨大な寄付をし、彼女の名前を冠した、棟さえできた。しかし時代はそれを彼女の父の力だと彼女を揶揄した。 そこで彼女と彼は会った。 「あなたになりたい」 彼女はそういって彼の心を掴んだ。 彼女のほしいもので手に入らないものはなかった。しかし彼は特別だった。 仄かな明かりの中で、理恵は明るすぎるといった。祐介がBEDサイドの照明を消すと彼女は激しく彼を責め始めた。 この情事の結末はわかりすぎるほど、祐介が満たされれば、理恵は彼の人生から不要になるリスクを犯してまで、祐介の週末の時間を占有する意味がわからなくなっていた。 理恵は祐介を自分のものにして、美しさを増していた。祐介は漠然とした不安な愛情のなかで、彼女が忘れ去ろうとしている男のことを考えている。 祐介が抱かれている、理恵は彼を必要としないことのそういった情事に体を落とし込むことで、自信を回復して、男に依存しない強さを身に付けていく。 いつでも祐介を抱ける立場にあって、理恵はそれまでの情事の深いなさを消去する、その抱かれたい男に初めて抱かれる時間を、明け方まで、繰り返し責め続けた。 すべてが手遅れだった。必要なものは必要なときにはないものだし、かけがえのないものは失わないとわからない。 愛していることは、執着を生む。執着は、固執し、妬み、恨み、嫉み、を生む。多忙なスケジュール中毒者たちのように10分単位で今日を消化することが何になるのか。私を愛してくれている人々は、私のそういった経済活動に関心があるだけなのに疲れてしまった。 愛していることでさえ経済活動なら、私のこの渇きを静めるのは、無知な女の体だけなのか、私は便宜的にBEDROOMで人間を止めて、獣にもどる。彼女たちの関心は、シャワーのあとのドンペリニオンしかない。 テーブルに置かれたままの280万円のダイヤモンドが愛の証なら、それはそれでいいだろう。ただまごころをこめてつくったクッキーとおなじくらいそれは尊いものだろう。「そばにいたいだけなんだ、きみの笑顔以外なにもいらない」「どうかしたの?」 理恵は私に戦いを、戦い続けることを要求する。理恵は人生の勝利者になることを彼に強いていく。彼女は私を支え、育てていく。やがて、私はだれといても、だれろ寝ても、理恵のことを考えている自分に驚愕している。「私のなかに、理恵がすんでいる」「お酒がたりないみたいね」 彼女は新しいピンクのコルク栓を器用に抜いた、ラムネのような脆弱なポンという音がして、ふたり笑った。 彼女はサンフランシスコとロサンゼルスを往復しながら、研究を続けていた。大学に残るかどうかを迷っている。私は理恵がンシ海岸にいるから、NYへ拠点を移せないでいた。むろん100万回プロポーズしたが、回答保留のままだった。そういった彼女のキャリアの邪魔をしたくはなかったし、彼女はいわゆる女にしておくには経済界の損失だったので、私は婚期が遅れるままになっていた
Nov 24, 2004
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彼女はメールで世界を動かす。彼女が焼肉を食べたいとメールすると、送迎の車が彼女のマンションに止まる。彼女がピアジェのアンクルが欲しいとメールすると、複数の男からそれは届けられる。彼女が体がほしいとメールすると、ほぼ60分以内にどんな男でも現れる。彼女が京都に行きたいとメールすると、メルセデスは夜の高速を走る。 彼女は電話をしない。電話は気分とモニタした留守電で、なにかしら楽しいものだけにメールする。話すことさえうざかった。声が聞きたい男は電話してこないし、電話しても留守電だった。 祐介はなんのために携帯を持ってるのかわからない男だった。彼は留守電さえきいていない。たぶんだれかからかかってくるのをまっているだけなのだろう。理恵はその女がうらやましかた。彼女がどんな誘惑をしても、祐介はおちなかった。 理恵はすべてほしいものは手にいれた、祐介以外は。 祐介は理恵にわずかな時間以外なにもあたえなかった、メールでさえ、渡したメアドにいちどもくれたことはなかった。 祐介を愛してるのは事実だったが、好奇心にすぎないことを彼は理解していた。「ねえ この電話切っていい?」「いいよ」 その始めての電話以降二度と祐介は電話してこない。理恵は手に入らないから、祐介を愛しているし、わたしのからだを欲しがらないから、祐介は理恵を愛しているにちがいないと確信していた、彼が我慢していると考えないと機が狂いそうになった。 彼はモデルや売れない女優を引きずりまわしながら、愛を探していた。そんなものどこにもないのに。「いまどこ?」「田町だよ」「いま銀座なの、いっていい?」「ごめん、来客だから又こんどね」「はーーい」 そんな短い会話はあやしい。 彼女たちはむかついていた。どうやら彼は一度寝た女と二度と寝ないらしい。なぜなんだろうと理恵は考えていた。 祐介もほしいものなどなかった。彼女たちが彼を愛する理由は、ハイアットの食事や、彼の車や、彼の容姿や、ひりひりする会話が目的だった。彼女たちは、祐介の女だと西麻布のクラブで思われたかったのかもしれない。彼はクラブには姿を見せないが、そこはそういったゴシップで満ちていた。 彼のマンションの地下駐車場から、酔ったふり、眠ったふりの、政治経済学部の、トヨタのキャンギャルが、彼のフロアで、げろを吐いて、その朝方、彼に抱かれたが、キスされなかったらしい、、などといった、真実めいた話がかわされていた。彼に夢中になった千駄ヶ谷の女医志望の広尾の女子学生は、お熱のあげすぎで、二浪になった、、、彼の部屋で彼のひざに乗ったことを言いふらしてる、横浜の高台の英文科の子は、3歳の時の話だということだった、、そういった本人でさえしらない情報がかわされている。 彼は小学生時代にもはや女の子に追い掛け回されていたし、中学時代には教生にきていた短大のお姉さんが、彼の部屋に黄色いミニスカートをはいて遊びにきたらしい、彼女は銀行に就職して、御見合いして、彼とは結ばれなかったらしい、真実はわからないが。しかし、13歳の彼の部屋になぜ教生の短大生がミニスカートで来るのか理解できなかった。 彼が高校の頃は、同級生が妹たちが彼のおもちゃにならないか心配していた。「おい、うちの妹に手をだすなよな」「おまえ、妹いたっけ」 彼はロータリークラブのPARTYで知り合った中学生のグループを自宅に出入りさせていた。時折、5,6人の小娘を連れた彼を自宅の近くでみかけられたらしい。 中学時代の女のコたちは、高校になると、競って彼の家に出掛けていた。だから、彼はやたら来客の多い高校時代を過ごしていたが、ほとんど自宅に招待していた。彼の母はそんな来客に御茶とケーキや肉まんを用意した。 めでたく、彼の家のひとびとが旅行中の場合、そのかわいい自転車は、となりのおばさんに告げ口された。「ゆうすけさん、こないだも、ガールフレンド自転車が夜どうしあったって、前の吉野さんの奥さんがいってたわよ、お泊めするのはいいけどちゃんとご両親には本人が連絡してるんでしょうね」「たぶんね」 そういった高校時代には、いきつけの美容部員のおねえさんに食事にさそわれたり、声をかけたきれいなお姉さんの(彼女も銀行だったらしい)わたされたマンションに出入り自由だったらしい。こなをかけたのは女だとみんな思っていたが、たくさんの女のコが彼の自宅に泊まったが、なにもされなかったらしいが、そのおねーさんが彼のはじめての女だったという伝説がある。 つまり彼は高校時代に大学のおねえさんや社会人のおねえさんにある程度飽きていた。同時代の男のコより6年くらい早い早熟な青春をすごしたようだった。 理恵は彰子からそのような彼の情報を得ていた。 この男を自分のものにしてやると彼女はかんがえていた。
Nov 23, 2004
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