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くーる31 @ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
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masashi25 @ コメント失礼します☆ ブログ覗かせてもらいましたm(__)m もし…
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カモメ7440 @ うまい! おそらく散文詩だと思います。 ショート…

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Mar 25, 2006
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カテゴリ: 柔らかい思念
わたしは名医である。人の寝る間も惜しんで長年努力して、今の地位を築いたのである。おかげで、わたしには良き伴侶はいないし、これと言った趣味もない。

わたしの唯一の楽しみは、不謹慎であるが、患者の家族にその患者の余命を宣告することだ。
「残念ながら、あと1週間持てばいいとこころです。」
「あと3,4日でしょう。もちろん私どもは全力を尽くしますが。」

この瞬間にわたしはその患者の残りの人生すべてをコントロールしているという神に近い力を感じて、わたしの作り出す沈痛な面持ちの下に隠して、まさに喜びに近い感情が湧き上がってくるのが抑えられない。

あと何日ですというのは、自分のその時の適当な勘で言っているのにもかかわらず、患者の家族が真剣にわたしの言葉に耳を傾け、わたしに視線を集中してくるこの瞬間に勝るものをわたしは知らない。
これが名医と言う仮面の下にうごめく快感なのである。

ただ、わたしにもばちが当ったのであろう。今、わたしはわたしに余命を宣告しなければならない。今朝のわたしの胃カメラの写真からするとわたしはもう助からない。
いつも適当に余命の日数を告げているだけだから、本当のところあと何日生きられるのか、わたしにはわからない。近づいてくる終焉にわたしはおびえている。





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Last updated  Apr 1, 2006 08:40:30 PM
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