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日曜日の午後である。3時を少し過ぎているかもしれない。今日が地球最後の日であるかのように、日差しが弱い。風も少しでてきたようである。
抵抗しろと野菜が吼えるではないか、それも白菜が。 寒波が来れば結球していわゆる白菜らしくなるはずの、少しも白いところがない、外に向けてぺたんと広がった菜っ葉のような白菜が抵抗しろと僕に言う。 抵抗することが目的であるかのように、怒りながら叫んでいる。涙すら流しているかもしれない。
白菜の中心で、緑の絵の具の塊のような葉がナイフのように立ち上がり、青虫を探し出そうと白菜の内側に差し入れた僕の指を噛む。青虫に直接触れないようにとおどおどとしていたのがいけないのかもしれないのだが。 ともあれ抵抗しろと白菜が全身で僕に言う。
白菜に励まされて、ぼくは再び立ち上がれるか。