Jun 8, 2007
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テーマ: 徒然日記(24671)
カテゴリ: カテゴリ未分類



まだ入梅前だというのに、夏の訪れを告げるように派手に雷が鳴っています。
やがて土砂降りの雨になって、ガラス越しに雨に煙る外を眺めていました。

もう十年以上前のことを、不意に思い出しました。

職場のお隣さんで、大きな犬を飼っていました。名前は「タロ」
お隣とこちらの作業場は簡単な金網で仕切られていて、ちょうど犬が通れるくらいの穴があいています。タロは家の人が出払って誰もいなくなると、良くこちらに遊びにきていました。つながれた鎖の長さだけしかこっちにはこれませんが、それでもお昼のお弁当のおかずをあげたり、暇な時にかまってやると、尻尾を振って喜ぶのでした。

ところがこの「タロ」、笑っちゃうくらいの雷嫌い。怖がる犬は多いのですが、こいつは極端でした。
雷が遠くで鳴りだしただけで妙な声で吼え始めます。こっちが雷鳴に気が付かない頃から鳴き出すものだから、ある意味、雷検知犬。タロが鳴きだすと、
「お、雷か?」


本格的にゴロゴロ始まると、もう大変です。
必死の形相でこちらには入ってきて、鎖が引きちぎれんばかりにウロウロしたかと思うと、訴えるような目で私を見て、助けて!といわんばかりです。
いよいよ雷が佳境に入ると、作業場の隅に詰まれたダンボール箱の間に強引に鼻先を突っ込んで、まさに、頭かくして尻隠さずでプルプル震えているのです。
そばに行って、ダンボールからはみ出した胴体を手で撫でやっても、本人は完全にパニックに陥っているのか、ひたすら震えるばかり。雷の音と悲痛なタロの咆哮が交互に、
「ピシッ、ドーン」、「ウォーン」
と聞こえて、職場限定の夏の風物詩でした。


そのタロも、ずいぶん前に逝ってしまいました。
ある年の月曜日、出勤すると犬小屋はもぬけの殻。その頃はもう老犬で、ほとんどお散歩に出ることもなかったので、すぐにピンときました。
いつもタロがご飯を食べていた陶器の大きめなお皿には、ご飯にお味噌汁のかかったいつもの食事が、入れられていました。
お隣さんの奥さんに聞いたら、土曜日にご飯を食べなくなり、昨日みんなに看取られて息を引き取ったとのことでした。

荒れ狂う雷雨を見ていたら、タロのこと、思い出しました。









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Last updated  Jun 11, 2007 03:58:27 PM コメント(2) | コメントを書く


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