2005年05月19日
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カテゴリ: 鍼灸中医
■日本の針灸術はなるべくと痛みや火傷などから遠避かろうと、必死に修錬をしたり、次々と新しい道具を開発したりするのでした。

 しかし、中国の針灸はちょっと違う。

▼まず針が太い。
 日本で使われる針は、φ0.20mmを「三番」として、0.18、0.16が二番、一番と0.02mmずつ細くなっていきます。あとは「五番」と言う太い針が0.24mmです。

 中国では通常目にするのが、日本で言うところの「八番」。普段髪の毛ほどの細い鍼を使っている我々からすれば、ハリガネのような印象です。

▼針管を使わない
 「針管」ほど日本の針術の特徴を表す物は無いでしょう。

※一般の方へ少々説明いたしますと;針を皮下に刺入する時に、針を筒の中に入れてるのです。その筒を「針管」と呼びます。各種の「針管」は利用する針よりも2-3mmほど短くなっています。セットした状態で、針管から飛び出た針の竜頭をポンと叩けば、痛みを感じる暇も無く刺入できると言う寸法です。
 針管の発明に関しては伝説があります。ある実在した有名な鍼師は、あまりに鍼が下手で一度破門されてしまい、失意の内に偶然発明したのが針管であった、と。


 中国の鍼は太い⇔針管を使わない →操作しやすい鍼へ発展

 日本の鍼は細い⇔針管を使う →より細い・痛くない鍼へ発展

 以上の図式が出来上がります。これを何百年と積み重ねて、今の形に落ち着いています。

■中国には細い鍼を作る技術が無い・・・わけではありません。現在では細い鍼も発売されています。

▼中国では刺入後の「得気」や「補瀉手技」を大切にします。したがって、刺入後に激しく操作するため、その形は手指との摩擦が得やすいように独特に進化しています。当然、細過ぎれば操作時に針体が曲がってしまいます。

 また、日本は刺入後に激しく操作することは無いために、のっぺりとした形をしています。(写真)

▼「中医針灸だから太い鍼を」とか「痛みを無くす為に細い鍼を」と言う考え方ではナンセンスでしょうね。

※一体、道具としての鍼それはどんな意味を持っているのか、が私の研究と自信の医療のテーマでもありました。道具としての鍼と言う観点は、今後この随筆のキーワードであります。

■補瀉手技・・・プラスとマイナスの二つの刺激方法で、代表的なものを日中で比較して見ましょう。

  日本・・・迎隨、開闔、呼吸、母子配穴


▼この様に、日本は刺す前段階と刺した後で補瀉をしますが、中国では正に鍼が刺さっている状態で補瀉(操作)をします。当然中国の補瀉操作は独特の「得気感覚」や「酸・麻・重・脹」の感覚、痛みが発生します。

 また中医針灸ではこの操作を重要視するために、鍼柄の形が進化しているのです。日本の鍼はのっぺりと退化した形になっています。






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最終更新日  2005年05月22日 07時52分21秒
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