Cosi Piano Piano

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2008.01.26
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カテゴリ: ピエモンテ
ピエモンテのDOC、生産者はラ・スピネッタ。現在も、そして、元詰め当初からあるバルベーラ。僕が、ワインを飲み始めた頃から飲んでいる、けっこう、思い入れのあるバルベーラです(ファースト・ヴィンテージは1985らしい)。
近年、ピエモンテは、難しい年が続いて、バルベーラを敬遠していた事もあって、実際、2002年、2003年と、瓶詰めを見合わせた生産者もいたりして、2004年ヴィンテージを待ちこがれていた部分が大きいのですが、先日飲んだ、この、カ・ディ・ピアンの2004ヴィンテージは、はっきり言って、期待はずれの出来でした。期待はずれと言っても、「美味しく無い」というワケではなく、ワインとしては、価格に見合った、またそれ以上の品質であったと思います。ただ、僕の体に染み付いている「カ・ディ・ピアン」の記憶と、それに対する思いのような物が、裏切られたという事でしょうか。
彼らの造るバルベーラには、もう一つ「ガッリーナ」という畑のバルベーラ・ダルバがあります。1996年から造られているこのバルベーラは、バリックで熟成される、骨太で、力強く、香り高いワイン。その後、有名なバルベーラ・ダスティ・スーペリオーレの生産が始まり、そして、ビオンゾへとつながるわけですが、これらのスピネッタ流の強い凝縮感を持つ「極めて頑丈な骨格で建造された果実の火薬庫」のようなバルバレスコに追従するバルベーラに比べて「カ・デイ・ピアン」だけは、昔ながらの栗の大樽で熟成されたような、どこか、野暮ったくも、バルベーラの性格を色濃く再現した、素晴らしい安旨ワインだったのですが...。
2004年の「カ・ディ・ピアン」は明らかに、バリックによる過度な影響を受け、本来の姿を見失っているように思えました。少なくとも、ブラインドで飲んだら、抜栓から2日ぐらいたたないと、バルベーラのワインとは、思えないでしょう。意地悪な言い方をすれば「あれだけバルバレスコやビオンゾで新樽をバンバン使えば、2年落ち、3年落ちの樽をカ・ディ・ピアンに使わないのは損というもの」なんでしょうか?
さて、1996です。コルクの太り具合から見ると、保存状態はあまり良く無かったみたいですが...それでも、熟成したバルベーラの、ミントや、セージ系のハーブの香りがします。1996にしては、熟成が進んでいる気がしますが、今は「酸の時代」を向かえているようで、ジューシーで旨味がいっぱいに載った揮発酸が、柔らかな液体に溶け込んで「バルベーラを飲んでいる気」にさせてくれます。
記録によると、2004年の前は、2000年の「カ・ディ・ピアン」を飲んでいるみたい。いったい、いつから「カ・ディ・ピアン」は骨太系に変わったのか? そんなに最近ではないはずだと思いますから、2000年(もちろん既にバリック熟成でした)から2004年の間にも、なにがしかの変化があったのじゃないかなぁ...と思います。もちろん、飲み手の僕にも変化があったでしょうが...。





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Last updated  2008.01.26 12:48:49
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Re:バルベーラ ダスティ カ ディ ピアン 1996(01/26)  
kaoritaly  さん
カディピアン、昔はこんなラベルだったんですね。

サイばかり目立って・・というかほかを見てなかったのかもしれませんが、最近のカディピアンしか味わったことがありません。
いい、とショップの人に薦められても、買おうと思えなかったワインです。バランスが悪いですよね。私は最近のヴィンテージ・・きっと04とか05しか飲んでいないから、前の良さはわかりませんが、きっと作り方が変わったんでしょうね。骨太・・そんな印象ですね。  (2008.01.26 13:10:59)

Re[1]:バルベーラ ダスティ カ ディ ピアン 1996(01/26)  
COMESTAI  さん
kaoritalyさん

>カディピアン、昔はこんなラベルだったんですね。

僕には、なじみ深いです。モスカートと同じデザインです。

>サイばかり目立って...

その後、ガッリーナやスーペリオーレと同じデザインで、色が今と同じブルーに変わって、今は、もう少しサイが大きくなって、位置が真ん中に変わりました。

>いい、とショップの人に薦められても、買おうと思えなかったワインです。バランスが悪いですよね。

僕は、高いバルベーラを初めて飲んだ時の方が、逆に、抵抗がありました。

>私は最近のヴィンテージしか飲んでいないからわかりませんが...

lunatic666さんが、とあるキレイな造りのバルベーラの印象として「ブラインドだと、ブルゴーニュと間違えてしまうかも知れない 」と書いていたり、murata0728さんが、僕のバルベーラの日記を読んで、良いブルゴーニュの感想みたいだと、コメントしたり、僕の好印象を持つバルベーラはどうやらブルゴーニュ的な「質感」を持っているらしい(僕にはブルゴーニュは解りません)のです。
それに対して「ビオンゾ」も含めて、スピネッタのバルベーラの驚異的な凝縮感は、ボルドーに例えられたり、ボルドー好きな方に、スピネッタは受けているみたいなんです。この1996のカ・ディ・ピアンを飲んでボルドーを想像する人は、たぶん、いません。

>骨太・・そんな印象ですね。 
-----
ボルドーとブルゴーニュを間違える人はいませんよね。 (2008.01.26 15:42:02)

Re:バルベーラ ダスティ カ ディ ピアン 1996(01/26)  
懐かしいラベルですね。

何年も前、2000年くらいかしら?葡萄の品種を意識して飲むようになったころ、97か98のピンクのサイを6800円くらいで清水から飛び降りるような気分で買いました。
そのときカ・ディ・ピアンは6本くらい買ったな。
青くて薄いな~でもタンニンが強くなくて果実味があってのみやすいな~って思いながら飲んでました。

イタリアワインといえばモンテ物産かオーデックス、あとフードライナー、エトリヴァンしか私は思い浮かばなかった時代です。

当時薄~いと思ったカ・ディ・ピアン 10年以上たっても美味しくいただけるのですね。



(2008.01.26 16:11:36)

Re[1]:バルベーラ ダスティ カ ディ ピアン 1996(01/26)  
COMESTAI  さん
ノラキチの妻さん こんにちは。

>懐かしいラベルですね。

カ・ディ・ピアンはこっちの方がしっくり来ます。

>何年も前、2000年くらいかしら?葡萄の品種を意識して飲むようになったころ、97か98のピンクのサイを6800円くらいで清水から飛び降りるような気分で買いました。

6800円のバルバレスコ、高いなぁっ~て思いましたよね。今じゃ1万5000円ですが...。

>そのときカ・ディ・ピアンは6本くらい買ったな。
>青くて薄いな~でもタンニンが強くなくて果実味があってのみやすいな~って思いながら飲んでました。

その頃のカ・ディ・ピアンは、既にバリックの洗礼を受けていると思いますので、スタイル的には、現在と同じだと思います。でも2004年以降のギシギシしたタンニンは無かったですよね~。

>当時薄~いと思ったカ・ディ・ピアン 10年以上たっても美味しくいただけるのですね。

したがって、当時のたぶん...1998か1999のカ・ディ・ピアンには、紅茶っぽいニュアンスや、カカオやチョコレートなどが感じられるのではないでしょうか?
-----
>イタリアワインといえばモンテ物産かオーデックス....

ちなみに、この瓶は、モンテじゃないです。 (2008.01.26 17:39:35)

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