濫読屋雑記
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みなさま、お久しぶりです。今日はCha Tea紅茶教室の『図説英国ティーカップの歴史 [ Cha Tea紅茶教室 ]』(河出書房新社、2012年5月)について、書いてみたいと思います。本題に入る前に、ここで少々言い訳を。え~読書週間中にバリバリ更新するぞ~と書いていたのですが、勤めている高校の読書週間というのが司書だったら涙が出るくらいの盛況でした。レファレンスにリクエスト、県立高校間や県・市町の図書館との相互貸借の業務等々が忙しく、おまけに県の監査が入るので図書館の備品のチェックや書類の確認等、慌ただしい日々を過ごしているうちに気が付けば11月も残りわずか・・・。という次第で今日は早く家に帰ることができたので、更新する次第であります。以上、言い訳は終わりまして、本題の『図説英国ティーカップの歴史 [ Cha Tea紅茶教室 ]』の内容に入っていきましょう。まずは、私がなぜこの本を手に取ったかと言いますと、『紅茶が大好きだからだ~!!』という理由からです。どのくらい好きかと言いますと、朝は2杯のミルクティーを飲まないと調子が出ませんし、夕方5時ぐらいにも紅茶を飲まないと胃が落ち着かないほどの状態です。ですので、珈琲はよっぽどの状況、仕事での接客や会議等の場合以外ほとんど飲みません。ただ、日本の普通の珈琲は嫌いですが、大学生のときハワイに研究旅行で行って飲んだ珈琲だけは記憶に残るぐらい美味しかったのですがね。話が横道に逸れました。では改めて本書の紹介をします。この本を書いたというかまとめたのはChaTea紅茶教室の方々です。この紅茶教室は、10年ぐらい前に始まり、毎月300名もの人が紅茶について学んでいる教室だそうです。そしてそこでは、世界にある様々な産地の紅茶の飲み比べや、紅茶の正しい淹れ方の実践、紅茶文化を育んだ英国の文化を学んだりと、紅茶に関するあらゆる知識を学ぶレッスンを行っているそうです。う~ん、私も受けてみたいです。そんな紅茶教室のレッスンで共通していること、その大元はティータイムだそうです。紅茶は人と人をつなぐコミュニケーションとして大きな役割を持っていると、この本のまえがきにあります。そんな時に登場するのが、紅茶を飲むために作られた「ティーカップ」です。そして、「ティーカップ」にはカップを使う人の様々な思いが込められているそうです。そんな「ティーカップ」の誕生した時代背景からその頃流行していたインテリアなど、カップだけでなくそれを使っていた人、場所も含めてティーカップを歴史を辿りながら見直していこうというのが、本書の趣旨です。そんなこの本は、河出書房新社の『ふくろうの本』らしく、豊富な図版や写真を駆使して、英国における紅茶の歴史や美しいティーカップのコレクションを堪能できる本です。ティーカップなどの写真はカラーとモノクロの半分半分です。本音は、すべてカラーだと文句なしなのですが、それだと本のお値段が跳ね上がって手元に置くことができなくなるので「しょうがないな」と思いました。ではいよいよ本書のページを捲ってみましょう。第1章は「西洋喫茶の始まり」です。喫茶の習慣が入ってきた17世紀末から18世紀初期の欧州で作られたティーボウルのカラー写真が、本書の17ページに掲げられています。中国や日本から入ってきたのが分かるフォルムで、ティーカップへの発達過程がわかる面白い写真です。「茶の習慣が一般市民へと広がる」という章では、東インド会社が中国との茶の直接貿易を実現したことにより、茶が王侯貴族への「献上品」からお金さえ出せば手に入る「贅沢品」に変化したことにより、茶の輸入量が増加したことが書かれています。そして、茶の輸入量が増えると、茶を専門に扱う店が登場し、1706年には英国最古の茶専門店、トワイニングが茶の小売りを開始しました。次いで、1707年にはロンドンの中心地に、高級雑貨や食材を扱うフォートナム&メイソンがオープンします。ちなみに私は、F&Mの紅茶が好きで、学校の司書室に4.4oz(125g)の缶を常備しています。10月までは「ロイヤルブレンド」という銘柄の紅茶を飲んでいましたが、今月からは本書のなかでも紹介されている「クイーンアン」を飲んでいます。名古屋のミッドランドスクエアの地下にF&Mの直売店ができて、紅茶を買うのが楽になりましたね。ちなみに、学校ではマグカップで紅茶を飲んでいます。カップは来客用があるのですが、洗うのが面倒で、そして量があまり入れられないので、ほとんど使っていません。無精者ですね。さて、あとは簡単に紹介をしていきます。第2章では「英国陶磁器産業の誕生」のボーンチャイナの誕生が興味をひきました。これの「王室御用達」の伝統は現在にも生きています。そして、「茶税問題―ボストンティーパーティー事件」や同じく「茶税問題―英国内で税率引き下げに」の双方は、歴史好きの私にとって興味深い内容でした。第3章「ブルー&ホワイトの流行」では47ページに代表的なブルーイタリアンの名器の写真が素晴らしかったです。また、茶の自由貿易が1833年に解禁され、それが引き金で起こった貿易赤字を解消するためにアヘンの密輸が始まり、そしてアヘン戦争が勃発したことや、英領インドで茶の栽培が試みられたという記述は面白かったです。第4章「上流階級のアフタヌーンティー」は紅茶文化の全盛期、ヴィクトリア朝を取り上げているので、本書の佳境はこの辺なのかな、と思って読みました。ちょっと字数が制限されてきたのであとは、章立てを参考までに列記します。英国の近代生活史を語る上で不可欠な紅茶にまつわるエピソードが満載でした。第5章は「中産階級~労働者階級のティータイム」。第6章は「生活習慣に密着した新しいティーカップ」。第7章は「ティーカップと紅茶の未来」となります。また、各章の終わりにはColummがあり、紅茶に関する様々な豆知識が載っていて、参考になります。こんな感じの、ティーカップの歴史から覗いてみた紅茶文化の変遷が楽しく学べる1冊。綺麗なティーカップの写真を見ているだけでも眼福な本。紅茶好きな方なら手に取って読んで間違いなしです。ぜひ、読んでみてください。最後に一言。私がもっているまともなティーカップは、リチャードジノリのベッキオ ローズブルーひとつだけ・・・。本来、2つセットだったものが、片方が破損したので1つだけ安く売っていたのを買ったものです。ですので、私のティータイムは、そのカップにF&Mの紅茶をミルクティーにして、本を読みながら家で一人で楽しむという優雅で至福の時ですが、どこかさみしい紅茶を楽しんでいます。それでは。
2012年11月29日
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