父さんの一人旅

父さんの一人旅

2005.01.18
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 会社のビル内にある床屋で散髪をした。

※最近では差別用語だといって
メディアなどで「床屋」という表記がNGらしいけど
何が差別なのか理由が良く分からないから
今日は、あえてその表現で統一する。

 広島に住んでいた1999年までは
髪を切ると言えば床屋だったけど
こちら(横浜)へ戻ってからは美容院オンリー。
当然のことながら顔剃りも5年ぶりだ。

扉を開けるとき、妙に緊張した。


 店員はMr.マリックに似た店主1人。
髪を洗うたびに黄色い声で
「お疲れ様でした」攻めに遭う
キャバクラ化した美容院とは違い
大人の雰囲気が漂う。


 病院なんかと一緒で
初めてのところを利用するってのは勇気が要る。
ましてや会社の同僚で同店を利用しているのは
揃いも揃って角刈りばかり。
一部には「角刈り以外はできないらしい」

ある角刈りの先輩は「そんなことねーよ」と
語気を荒げて完全否定したけど
一瞬たりとも気を抜くことはできなかった。
目覚めれば角刈り、だけは避けたかったからだ。



「横と後ろは短めにして

行きつけの美容院と同じ注文をした。
多少の誤差はあっても
イメージから大きくかけ離れることはないだろう。
そんな甘い思いは
一段落して
手鏡で後頭部が映し出された瞬間に吹き飛んだ。
ウスウスは感づいていたけど
ハサミの使い方も違うんだから
仕上がりが同じになるハズがない。




 何度か手直しをお願いして
何とかイメージに近い状態にたどり着くと
お待ちかねの顔剃りだ。
抹茶を立てるときに使うような道具で
石鹸を泡立てて、頬っぺたにシャボンをシュッシュ。
切れ味の良さそうなカミソリの刃が
ザリザリザリッと音を立てて
顔面を滑った時にはゾクゾクッとした。
最後に耳タブや耳穴付近の産毛をザリザリッとされた時には
緊張と歓びで昇天するかと思ったほどだ。




 美容院では存在することすらないであろう
前かがみになる洗面台。
松本ちえこもビックリの
バスボンのシャンプーで髪を洗い流すと
「セットはいかがなさいましょうか」と店主。
「上の方だけワックスでテキトーに…」
「ジェルとかでもいいですか?」と再び店主。
「あ~、何でもいいです」
仕上がったヘアスタイルは
浪速大学第一外科教授・財前五郎だった。



 仕事が終って自宅へ戻ると
女房がオレの頭をマジマジと見て
「床屋で切ったの?」
オマケに「それは美容院の髪型じゃないよね」とまで指摘した。
モーニングサービスで300円引きだったけど
料金は行きつけの美容院に比べて
500円安いだけの3500円。
「マリックと再会することがあるなら
仕事でヘタでも打って
丸刈りにしなくちゃいけなくなったときだな」
決意は変わりそうにない。





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最終更新日  2005.01.19 00:17:51
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