端的に言って非常に面白かった。金持ちで顔が綺麗で偏執狂な青年の心の軌跡……と書くとみもふたもないが、少年ブルースの心の闇の描き方や“正義とは”という問いかけが、原作の目指していたものやそれをふまえて作られたフランク・ミラーのBatman : The Dark Knight Returnsに近い気がする。 バットマンの闘い自体は、映像が早くて目がついていけない。折角、バットスーツや小道具にも凝ったわりには、そういう部分の見せ場が少ないのがただただ残念。バットマンのクリスチャン・ベイルが体重(筋肉?)を増加させて臨んだという場面で、肝心の動く肉体が楽しめなかった。でも、さらなる深読みをすれば、今回は偏執狂の坊ちゃんの心の軌跡が中心で、バットマンの肉弾戦は次回のお楽しみ♪なのかもしれない。 そう、何が良いって、ブルース・ウェインの時のチベット風の場所での修行時代、執事アルフレッドや幼馴染(ウェイン家の召使の娘)で淡い恋心を抱きあうレイチェルといった登場人物との、対話の中で成長していく過程が丁寧に描かれていることである。まさにビギンズにふさわしい展開だった。