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2006.01.14
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カテゴリ: 社会
昨年一杯で長年親しんだ携帯電話に別れを告げた。

音楽のデータ、寄せられたメールや画像にも思い出深く
大切なものはある。
しかし、通話が出来なくなっては万事休すだ。
修理せずに大枚1万円をはたいて解約をしたのには理由がある。
企業の先細りという不安と、各サービスから除外された
旧機種となってしまっていたからだ。
猛々しい速度で新奇な製品が市場を賑わすが、


業績不振に喘ぐGMが夢よもう一度とばかりにマッチョ・カーと
言われるかつての人気大型車を復刻したそうだが、
環境に優しいという現在のコンセプトとはかけ離れている。
古くにばかり目を奪われていては、どこかのテレビ局の様に
過去のドラマ遺産にしがみ付く様になってしまうのかも知れない。

しかし、旧機種のユーザーへのサービスを空疎にすることで
買い替えを促がすような状況には疑問を感じる。
技術革新も結構だが、物欲を刺激し続けられる子供たちと
その親はたまったものではないだろう。

携帯電話のCMで気になったものがある。
デートの最中とおぼしき男性が、ふいに日時を確認し、

こんな場面を「素敵な価値観」として消費者に訴えるものだ。

眼前の相手にテレビ番組を優先させるという我欲。
ドラマの作り手にしても定期券よりも小さな画面で
どれ程の拘りが発揮できようか。
親友の連載マンガの生原稿を見て、息を飲んだことがある。

感じられる数倍のもので満ち溢れていた。

ざら紙に印刷されることでつぶれてしまう表現がある。
単行本のサイズ・ダウンで威力を失う描写がある。
ものが鮮度を保つにはそれなりの環境が必要だ。
ちっぽけな世界でおざなりに鑑賞されるとあって
小道具、美術、裏方スタッフの情熱は心に届くのだろうか。
何より目の前の大切な人間関係にリセットボタンはあるのか?

解約した直後、鼓動の止った携帯電話を見ていたら、
このちっぽけな機械が取り持ってくれた沢山の出会いが
去来して、年末の雑踏がセンチメンタルな景色になった。
新しく選んだのは、パソコンサイトも閲覧できるが、
最も料金を気にせずに声を運んでもらえる機種だ。

製品にも旬があることは承知している。
しかし人間関係の旬は望んで手に入るものではない。
物質や情報への欲望で一杯になって空疎になってしまった
人間への感性は、いつか再び潤いを取りもどせるのだろうか。





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Last updated  2006.01.14 14:03:17
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