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2006.01.15
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カテゴリ: 社会
生徒達と映画の話題になると、相手により機を窺っては、
鑑賞を薦めたのが「ゴジラ」。
映画というものに疎い僕だが、成人してから見たモノクロの
「ゴジラ」第一作は大変に印象深いものであった。
原子爆弾よりも多くの非戦闘員の生命を奪ったのが
東京大空襲であることを知らない高校生は多かったが、
東京を蹂躙する様、幼い子供が母親と死別する場面など、
くどい程の描写の主役は空襲に焼き尽くされた東京だ。
口から吐き出される放射能の禍々しさは原爆に他ならない。

低温の作り物であるという安心感をくれない。
行過ぎた科学技術は身を滅ぼすという文明批判とともに
子供騙しではない「反戦映画」として、見て欲しいのだ。

日本兵30万人の66%が死亡したビルマ戦線。
戦火をくぐって生き延びた人たちがいる。
熾烈な銃火を交えたのはイギリス陸軍。
旧日本軍の捕虜となった元英軍人に悪魔だ、と
ののしらせたのはいかなる処遇であったのか。
その恩讐を超えて和解の運動に努める人たちがいる。
昨年はロンドンで日英の元軍人や研究者でシンポジウムも
開催したそうだ。


中でも平久保正男さんは英国に移住し、双方の元軍人からなる
ビルマ作戦協会長として合同慰霊祭を行い、
若い世代への語り部ともなっている。

伝統ある島国として相通じるものも少なくない両国。
日本人はイギリス好きだとも言われている。

掘り起こすのはなぜだろう。
平久保さんは「和解のための和解ではない」という。
上辺を取り繕った手打ちだけでは到底なしえない
次のステップがある。

戦争で旧日本軍はビルマ人の食料を食い尽くし、
旧英軍は家屋を焼き払ったという。
小異を超えて大同に至った彼らを突き動かしているものは
共にビルマの復興に尽くさんという気概だ。

そうした汗の前には、日英和解の尽力で1991年に授かった
大英帝国勲章(OBE)も霞んで見えそうだ。
85歳がかき鳴らす竪琴の音は透き通っていて重い。
ゴジラ上陸に逃げ惑う昭和の真ん中あたりの島民は、
まるでどこの国の人だという風情で、
先達の積み重ねてくれた努力に、ただ頭が下がるのみ。





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Last updated  2006.01.15 01:44:02
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