
かつてリアリティー番組「グレイヴ・エンカウンターズ」は、本物の超常現象を扱うことで一世を風靡(ふうび)したが、実は全てが作り物だった。若手映像作家アレックス(リチャード・ハーモン)は、当時の番組スタッフらが廃虚の精神病院に潜入後、行方がわからなくなっていることを知る。映画監督を夢見る彼は、当時の関係者から情報を得ようとするが……。
怖かったあいつらがコメディになって帰ってきた!
ご存知、 予告編だけで世界を恐怖に陥れたグレイヴ・エンカウンターズの待望の続編です。そう、近年稀に見る やらかし続編 です。
本当にどうしてこうなった?を何万回と言っても足りないくらいの映画に仕上がっています。映画の続編に成功パターンが少ないのも事実。それにしたってこれはひどい。前作が必死に貯めた恐怖という貯金を惜しげもなく散財する二代目ドラ息子みたいです。
まずもってして導入が悪い。前作は序盤からすでに件の廃墟の病院にましたが、今作はかなり時間が経過してもまだ大学生のパリピノリを続けている。これがプロとアマチュアの差なの?これだったらもうジェイソンとフレディ系のやつ呼んでこればよくね?そういう映画よくあるよ。今から廃病院にいくの?遅くない?と、とりあえず舞台となる精神病院に行くまで全く 恐怖を積む ことが全くできなかったし、病院内でする動きも前作と酷似していて目新しくない。
でももしかしたらここから霊達が怖がらせてくれるかも!
と、期待したはいいが、まあ霊たちもこういう手合いを相手するの二回目だからね、どうしても前作の恐怖を超えることはできない。ひとりひとり確実に滅していくけどうーん、、前も見たよそういうのとなってしまう。
何か他の展開はないのかな?
と、思っていたら中盤に想像を絶する展開が待ってました。
前作の最後でロボトミーされて死んだと思われていたランスが生きていた!!
前作から凡そ3年(だったかな?)くらい経過しているはずなのに 生きていたんです 、あのプロデューサーのランスが!ずっと廃病院の中で生きてたんで当たり前のように 人間卒業 してますが、お前生きていたんかい!!とだれもが突っ込みたくなるような展開
ですが ランスが生きてました !!
もうここから先は立派なコメディ。大変に楽しく見れます。
ランスがこの場所で生きてたことがコメディです。だってそういう場所じゃないじゃない?人が一晩生きることが許されない場所に、ランスは3年?もいたとか。しかも何を食ってたのか知らないけど割と筋肉隆々で健康状態も良さそうな風貌でさ、、ネズミ食べる十八番芸も既出だよ、、他の芸を見せないと。
そしてこれで終わりかと思いきや、最後の最後にこれ以上に愉快な場面がありました。
ランスと今作の主人公アレックスがいろいろあって一騎打ちすることとなり、その様を誰が写しているのか。今作も前作と同じくモニュメントタッチの演出のため、絶対に誰かがその映像を撮らないといけません。
そこで生まれた手法が 、霊たちに撮影してもらう というもの。
対峙した二人のまわりを突如として衛星のようにカメラが周り、しっかり撮影してくれてます。優しい霊達かなと思いきや、単純に自己顕示欲が強いだけ。自分たちの存在を世界に広めて欲しくてやってるんです。
最終的には今作のアレックスの方が拡散力高そう?ということで、霊達の計らいで外に逃してもらえるというオチ。
本当にどうしてこうなった、、
前作の霊たちもそんな気持ちで脅かしてたのかと思うと、途端に可愛く見えてくる不思議。個人プレーで自滅したかと思いきや、前作の質までをも しっかり落とす 圧巻の 迷作 っぷりがいっそ清々しいくらいでした。