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2011.01.23
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カテゴリ: SEO、SEM
「フェイスブック 若き天才の野望」の著者に聞く!

2011年1月21日(金)日経ビジネス 水野博泰(ニューヨーク支局長) 

フェイスブックの企業価値は500億ドル──。

 年明け早々、米ゴールドマン・サックスが明らかにしたソーシャル・ネットワーク最大手に対する評価額は世界の度肝を抜いた。そんな価値があるのか、ないのかの議論は別にして、世界中に6億人ものユーザーを抱える最先端企業を創り出した創業者マーク・ザッカーバーグ氏に対する注目度が高まっている。日本ではザッカーバーグ氏を描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」(ソニー・ピクチャーズ)も封切られた。

 ザッカーバーグ氏はメディア取材を受け付けないことで有名だが、その彼に数年間にわたって密着した米国人ジャーナリストがいた。デビッド・カークパトリック氏──。著書「The Facebook Effect」はベストセラーとなり、その日本語版「フェイスブック 若き天才の野望」が今月、日経BP社から発売された。

 フェイスブックを創った男の素顔を、カークパトリック氏に聞いた。

── まずストレートに聞きたい。フェイスブック創業者「マーク・ザッカーバーグ」とはいったい何者なんですか。「今」という時代において何を意味するのですか。

カークパトリック それは大きな質問だ。こう答えよう。

 マーク・ザッカーバーグとは、最も成功した起業家であり、ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)やスティーブ・ジョブズ(アップル創業者)、ラリー・エリソン(オラクル創業者)、孫正義(ソフトバンク創業者)に匹敵するスケールを持った人物だ。



 彼がユニークなのは「こんな事業を興してやろう」と思ってフェイスブックを始めたのではなくて、「世界を変えてやろう」という気持ちから入ったという点だ。ここは多くの起業家たちと決定的に違うところだ。起業センスに長けているだけでなく、優れたマネジャーでもある。

世界に革命を起こすハッカー!

── あなたがザッカーバーグに「天性のCEO(最高経営責任者)だね」と言ったら、彼は不機嫌になった・・・。

 そう、お世辞のつもりだったんだが(笑)。あれは2006年9月に初めて会った時だった。

 僕は早くから「Why Facebook Matters?(フェイスブックに注目せよ)」という見出しの記事を書いたりしていたから、ザッカーバーグ・・・、マークと呼ぶよ、マークも僕のことを知っていた。そういう経緯で僕のところにフェイスブックの本を書かないかという話が持ちかけられたというわけ。

 話を戻すと、マークが「CEOなんかやりたくないんだ」と言うから、「だけど、生まれつきのCEOみたいだよ」と僕が言うと、真剣な顔つきになって「ビジネスはやりたいことをやるための道具に過ぎない。僕は自分がビジネスパーソンだなんて少しも思わない」と。

 マークは自分を「ハッカー」だと思っているんだ。フェイスブックはIBMやソニーみたいなエスタブリッシュメントの企業じゃない。どちらかと言えば、ウィキリークスに近い(笑)。ハッカーも世界を変えようとしているよね。たいていは世界をぶっ壊そうとしているわけだけど。マークがやりたいのは、その逆でクリエイティブな人間たちを集めて世界をもっと素晴らしいものに変えようとしている。だから、ハッカー文化が会社から無くならないように気をつけているし、彼自身は確信的ハッカーなんだ。

── ウィキリークスのジュリアン・アサンジと似ている?

 まあ、共通点はあるね。ザッカーバーグがアサンジをどう思っているかは知らないけど、どちらも現代を代表するハッカーだよ。ナップスター創業者のショーン・パーカーも、グーグルのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンも皆広い意味でのハッカーだった。ビル・ゲイツだってそうだった。

── コンピューターを使った革命家とも言える?

 まさに革命家だな。マークは自分でもそうありたいと思っているはずだ。実際、新しいタイプの人間が世界に出現している。マーチン・ルーサー・キング牧師のように、本気で社会革命を起こそうと思っている連中だ。そのツールはソフトウエアだ。感動的な演説の代わりに、連中は自分たちのアイデアと今とは違う世界へのビジョンをコード(コンピューター・プログラム)に書き込む。そして、そのコードによって自分たちの革命を遂行しようとする。マーク・ザッカーバーグはまさにその代表格だ。



── 古い社会をハッキングしているということ?

そう、社会をハックしているんだ。2000人の社員がそれを手助けしている。そのうち400~500人はエンジニアで、彼らも自分たちをハッカーだと思っている。フェイスブック社内では、そういう文化が大切に守られている。

 現代という時代が生んだ寵児でもある。マークがハーバード大学でフェイスブックを始めた時、彼はオープンソース・ソフトウエアを使った。つまり、無料で世界最先端の高度なソフトウエア・データベースが使えたのだ。フェイスブックは最初から技術的にかなり高度なソフトウエア製品としてスタートしたのだ。これが第1点。

 時代が後押ししたもう1つの点は、スマートフォンを代表とするモバイル機器が2000年代半ばから急速に進化したことだ。スマートフォンはもう立派なコンピューターだろう? 小型で高速で、カメラやビデオ、録音機能のほか、GPS(全地球測位システム)までついている。フェイスブックとスマートフォンがあれば、どこにいても自分のコミュニティーとつながっていられる。携帯電話を持たないで出かけるなんて考えられない。家に忘れたら必ず取りに帰る。それ無しではいられないんだ。

 人々の生活の中に完全に入り込んでいくことが、フェイスブックが目指す方向だ。インターネットを使うためのの道具ではなくて、生活のために欠かせない道具を目指している。



 ザッカーバーグはユニークな男で、普通ではない。最初に会った瞬間から圧倒された。大きなビジョンとフォーカス、野望、確信を持っていた。簡単に言うと、彼は自分が成功することを知っていたんだ。それまでに多くの起業家と会い、テクノロジー企業のトップに会ってきたが、まるで違っていた。マークは自分がとてつもないことをやることを当然だと思っていた。

 だから、この男を追いかけて、いったい何をしようとしているのかを世界に伝えようと思った。この本を書き始めた2008年1月、フェイスブックのユーザーは約5500万人だった。私は賭けたんだ。フェイスブックがはるかに大きくなって、現代の人間社会における巨大な力になり、時代を変革していくだろうとね。そして、書いていくにつれて、アイデアだったものがどんどん現実になっていった。

 新しい技術と新しい種類の人間が世界を変えようとしている。英語の原題を『The Facebook Effect(フェイスブックの影響)』としたのは、そういう考えからだった。

 マークはこの時代の産物と言える。我々も同じ時代に生きているわけだが、彼が違うのは新しい機会とチャンスが目の前にあることに気づいたことだ。そして、時間を無駄にしなかった。チャンスというのはいつ消えてしまうか分からない。もしグーグルがソーシャル系サービスでうまくやっていたら、ザッカーバーグにチャンスは回って来なかったかもしれない。一番良い時に、一番良い場所に居合わせた彼は、間違いなく強運の持ち主だ。

 フェイスブックの前にもソーシャル・ネットワークはあった。米国ではマイスペースやフレンドスター、日本を含めて各国に同じようなものがあった。そうした新しいコミュニケーション手段を受け入れる準備が整っていたところに、マークはすかさず新しい価値を分かりやすく教えた。

── 2000年代の初頭に弾けたインターネット・バブルのことを覚えている人も多かったと思うが・・・。

 マークにとっては大きなマイナスではなかった。ベンチャーキャピタルから何百万ドルも投資してもらうというのは難しかっただろうが、その必要もなかった。2005年春にはかなりの額を調達していたし、シリコンバレーはバブル崩壊から立ち直ろうとしているところで、再び楽観的になりつつあるところだった。シリコンバレーの側もフェイスブックの登場を歓迎したんだ。






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Last updated  2011.01.23 16:52:40
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