欧州フットボールの空間

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Mar 22, 2004
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戦術主義と実践主義、対立の要因



お互いの論理に違いがあるのは分かった。
では何故それが対立へと結びついてしまうのだろうか?

 結論から先に述べるならば、これは詰まるところ選手をどう捕らえるかということに起因している。
 例えば戦術家タイプは戦術やシステムが内在する長所と短所を理解し、凡庸性のあるチーム作りをしようと苦心しているのに対し、実践主義者たちはチームでその選手達をどう活かそうとするかということにその労力を割いている。

 チームにおける異能者の扱い方を見れば、その違いが顕著に表れている。

 まず戦術家にとってはそういった選手達の存在は考えないという前提がある。
 特殊な何かを持った選手はどのチームにも存在するものではないという意味でその選手に頼るフットボールは凡庸性がなく、ましてどんなときでも常にその力を発揮できるものでもない。


 例えばこれが実践主義タイプの監督であれば、能力が高く、ディシプリンを守りさえすれば何とかしてチームの核として機能させようと必死になるはずである。
 このタイプのチーム作りの多くが選手と選手同士の固有の連携力がチーム組織の目安であり、まさに戦術家が廃しようとしている選手固有の特殊性を前面に押し出している。
 だが、そういったチームを作ってしまうと選手固有のプレーリズムと連携が重要に成り過ぎ、選手の調子が悪くなったとき、もしくはいなくなったときのチーム力の低下が劇的である。
 逆に言えば、凡庸性を重視する戦術家は上記の理由で異能者の能力を前面に押し出して、それを生かすようなチームの方針をなかなか構築しようとはしない。

 これらのことを具体的に表す例として、過去のデポルティーボである。
 ジャウミーニャを中心としていたかつてのラコルーニャが挙げられるだろう。

 ラコルーニャはイルレタを監督に迎えた近年からリーグ優勝など躍進したスペインリーグのクラブである。ジャウミーニャは左利きのいわゆるトップ下のファンタジープレーヤーであるが、彼がいるときのラコルーニャは鋭い攻撃と華麗なパス回しを中心としたチームであり、その要所要所でジャウミーニャの意外性のあるプレーがその攻撃に彩りを加えている。
 しかし、性格難とその粗っぽいファウルによって彼がまともに試合に出ていないときも実際はかなり多かったのだ。

そんなときのために、イルレタ監督はもう1つチームを用意した。
 ジャウミーニャがいないときのラコルーニャは本来の攻撃的なスタイルは影を潜め、イルレタの十八番である組織的カウンターチームへと変貌するのだ。たった1人選手がいなくなっただけでチームの戦い方自体を大きく変える必要があるほどジャウミーニャ=キープレーヤーの存在は重要であった。

 このように個人の能力を引き出してチームを作るやり方は、選手やファンの声に容易にこたえられる一方で、キープレーヤーの有無によるチーム力の上下動の激しさなどのネガティブな側面が顔をのぞかせたときにチームの破綻をもたらす場合がほとんどであるのだ。


 このことを理解していれば実践主義者が積極的に取り入れている異能者を彼らがあらかじめ排除してしまおうという意図もわかる。
 実際にその種の選手がチームに入ってしまえば、その力量に対し感覚の鋭敏な選手達はどうしても異能者の能力を計算して戦ってしまう。 
 それはいくら監督が熱心に、
 「そのプレーではいつか止められてしまうかもしれない」と力説しても潜在的な心理は変えられないものであるからだ。







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Last updated  Mar 22, 2004 11:39:28 PM コメントを書く


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南町与力@ 無題 ペレ、クライフ、マラドーナ、ディステフ…
玉田より田中使え@ 監督が良かったら勝つの? 色々言われてるけどただの結果論だね。サ…
小野のボランチ反対@ 身の程をわきまえて 単純ですがキープ力、そして単独突破でな…
ネドベド@ Re:第二話・・オフ・ザ・ボールの重要性(03/05) その通り、全くです。上手い選手だけ集め…
今いっとけ@ ミラン衰退の足音か?セレソン化 即戦力は分かるけど30越える選手が多す…

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