TOKYO UNKNOWN SPECIES ANNEX

2004.01.05
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中島みゆきというと今ではすっかり「地上の星」の人になってしまったが、シニアな音楽ファンなら「わかれうた」や「悪女」、「あの娘」など、失恋をテーマにした歌で一時代を築いたフォークシンガーとして記憶しているはずだ。

かくいう私が中島みゆきと出逢ったのは、まだ青春のアイテムとしてAMの深夜放送が欠かせなかった時代。エンディングに流れる彼女の歌は、DJ中島みゆきと同一人物のものかと疑うほど鬱々としていた。だが、フォーク世代に密かな憧れがあった中学生時代の私が彼女の歌に惹かれるのに、さほど長い時間はかからなかった。家にステレオセットがなかったため、レンタルカセットの店に通っては大方のアルバムをダビングしたものだ。

最初はやはり、「横恋慕」や「誘惑」などの旬でメジャーな曲が好きだったが、恋愛に関して奥手だった私はやがて彼女の別の魅力を発見し、それを愛するようになった。

人生の道のりを感じる「小石のように」「海よ」、慈愛に満ちた「歌をあなたに」、ヤサぐれ女を歌う「彼女の生き方」「流浪の詩」「タクシードライバー」、ノスタルジックな魅力の「五才の頃」「ホームにて」、彼女の男心(?)が垣間見える「夜風の中から」「歌姫」「わすれな草をもう一度」、大空への憧憬「この空を飛べたら」「鳥になって」、世相と挫折を歌う「時刻表」「おまえの家」「世情」「友情」「成人世代」「砂の船」「ファイト」「蕎麦屋」「泣きたい夜に」、etc…。

いずれもアルバム「予感」以前の曲なのは、これ以降私自身がロックを指向するようになったからだが、もう一つの要因は、彼女の歌にフォークの情念を感じなくなってしまったから。当時も「ニューミュージック」なるよく解らない言葉で括られるようになっていたけれど、アイドルに作品を提供するようになった頃にそれは顕著になったと思う。

ブルーハーツしかり、作風とは変遷するもの。今は今でたくさんの人を感動させてる訳だし、なにも私好みの歌を作る彼女が正しいとは限らない。今後彼女がどうなっていこうと、私は彼女の昔の作品を愛し続ける。それでいいと思う。

【あとがき】
今でもときどき彼女の歌を聴きたいとは思うが、どうもCDを買い揃える気にはならず、破れたスコアを見ながら自分で歌って誤摩化している。彼女の作品で惜しむらくは、曲の魅力を伝えきれているとは言い難いアレンジ。ギター一本で爪弾くセルフカバーアルバムが出たら、何をおいても買いだ。





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最終更新日  2004.01.22 14:47:22
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