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August 29, 2013
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カテゴリ: 音楽
前回はキーボードを含む個々の楽器での設定方法を書いたわけですが今回はそれに合わせたDAWミックスの微調整等トータル面について手短に紹介します.

○トータルミックスは各楽器のために隙間を空けておこう!
手法としては前回S90ESとD-DECKにて特徴づけた周波数,ここでは例題として800Hzと1.2kHzとしていますのでこの800Hzと1.2kHzをトータルで少し削ってあげるというシンプルなもの.
ただ,これだけでは団子が防ぎきれないので,個々の音(例えばバスドラは250Hzだったとか)の周波数帯域を調べて800Hzと1.2KHzが重なりすぎていないか?なども調べていきます.
周波数が密集していそうなら各楽器側の周波数を移動するか,DAW側のデータをいじって調節します.
曲毎に1曲目のS90ESピアノ音色は800Hz,2曲目のE.Pianoは1kHzとかしていると音色流用が効かなかったりと不都合が多くなりますので基本的にはどこかをベースにして落とし所を決めていきます.
このようにしてトータルサウンドに演奏部分の隙間を空けておくことで,演奏を重ねても割れない,団子にならないサウンドをつくることができるわけです.
勿論,音圧で調整できることもありますが私たちは広域の周波数を手弾きしています(特にTomサイドはベースから上ものまでほんとに広範囲なんですね)
もはや,音量でどうこうできるレベルではないわけです.



ただし,全部やっていたら時間がいくらあっても足りませんし,本来の演奏練習をしている時間が取れませんのでリズム,ボトムがある程度調整できたら後は個々の奏者が"意図して聞こえてほしい音"が埋もれていないことをしっかり確認する程度で収まることもあります.


蛇足ですが楽器奏者ならどんな楽器の奏者でも重要なことが"意図して聞こえてほしい音"と"裏方に徹する音"などの使い分けをしっかりしていおくことです.
音色作りの上でも演奏の上でも明確にしておいて損はありません.

例えばイントロのリードギターがガンガン出てきて「おぉー!かっこいい」まではよかったのにAメロからのクリーンカッティングもピッキングノイズがガンガン聞こえるほどに演奏してしまってはうるさくて"本来出てきてほしいヴォーカル"が聞こえなくなります.

これは先ほどの"意図する音"をトータルに考えられない奏者側の問題になるわけですがバンド内ではそれらの指摘がうまくできないことがあるわけです(理由が分からなかったり言えない立場だったりとケースバイケースですが・・・)

ですので,まずは演奏(個人練)を始める前に譜面や音源を聞きながらざっくりと「イントロはギターがメインで」,「Fillではベースのフレーズが重要」,「AメロはVocalが少し力を抜いた感じでも聞こえる程度に」といった具合にメンバー全員でレベル合わせするのがトラブルがなく,より説得力のあるサウンド作りができると思います(残念?ながらT'sLABではこの辺はツーカー状態なので打ち合わせなしのぶっつけでもほとんど観点がずれることはありません.こればかりは電子オルガン~DTM~DAWで培ってきた2人のトータルバランス力のたまものなのかもしれません)

"意図する音"を捉えても自分の楽器はどう対応するのかがわからない時には簡単な方法があります.
それは目立たなければならないソロやイントロなどの音まず作り,それを中心に他の部分で使う音はそこから減算していくという方法です.
減算には音量,音色,周波数といった色んな観点からのアプローチがあります.
ケースバイケースなのでどこがマストはありませんがギターを例に取ればピッキング方法や右手の力コントロール等の弾き方で調節する場合,VolumeやToneまたピックアップの切り替え等ギター本体で調節する場合と色々あるわけですがライブで舞い上がってそんなことは細かく調節できないと思うなら最初から引っ込む音色にエフェクター側で作りこむという手段があるわけですね.

マルチエフェクターを使用しているのであればマスターボリュームを絞ってかつEQで周波数減算してしまいましょう.

EQで加工することで"聞こえて欲しい"ところだけを取り出せるため,他の奏者の邪魔にならずに自分の音も埋もれさせないという何ともトラブル知らずな音作りが可能になるわけですね.
イントロでは中域+高域の周波数を少し持ち上げ気味にしていたところをAメロからは低域を極端にカットし中域も聞こえてほしいところだけQで持ち上げてあげれば引っ込みすぎずでも主張しすぎずになったりします(これは楽曲や楽器の音色感で異なりますのであくまで一例です)


お得意の脱線を堂々としてしまいましたが結局,T'sLABが全部の音を2人だけで管理し,お互いに理論付けや聴感バランスを揃えてやっているから無得る技ではあるためどんなバンドでも明日から実践出来る内容ではありません.

ただ,各楽器奏者が同じような思想を持ち音作り時に気をつけることで全体の推進力が増しよりクリーンで聞きやすい音楽になるということは間違いありません.
バンドで聞こえない音があるなぁ~と思ったら皆で音量を下げることから始めましょう!



「ああしたい,こうしたい」と,色々欲求が出てくるかもしれませんが個人練習は弾けるようになることが大前提で練習すべきです.
私もフレーズの練習時はピアノの音色やEGをフラットにした矩形波の音色などで間違えがごまかせない練習をして,音作りはまとまった時間をつくってがっちり作り,バンド練習の時にトータルバランスをみて音色感の修正を課題として持ち帰る(必ず録音して)ようにしています.
音色切り替えのタイミングなどがあるのである程度弾けるようになってきたら実際の音に差し替えて練習に切り替えればいいことですので(弾けていれば音色切り替えの余裕は自ずと生まれてくるものですので)


T'sLABは楽器構成が特殊(私たちはそう思っていませんが)なので常にこんなことを考えながらトータルバランスをとっています.
そのため,演奏前の下準備がものすごく時間がかかるんですね.
ただし,残念ながら出音は各会場のPA機器やフロア形状により得意な周波数,苦手な周波数というのがが出てきてしまいますので限界はあります.
私たちはそれを少しでも防ぐために取りあえず,お互いに持ちよっているヘッドフォン×2とメインで使用しているGENELECのモニタスピーカ,そして,今回から導入されたフロアPAに最も近いSTAGEPAS600iの出音で色々確認しています.
最低限PAさんが頭を抱えないサウンドを持っていくことが大前提といったところですね.
それでいて,バンドに負けない音圧間を稼ぐ(何とも欲張り)
こういう積み重ねが"出音"を気にするということなんだと私たちは思っています.


T.S.D.&FRIENDS等バンド体制になっても同じことです.
ギターがコードを奏でるときは,なるべく中域がかぶらないようにEQで削ってあげて,ベースと同じパートをユニゾるときは低域をカットしておきます.
単品(ピアノのソロコンサートみたいな)で弾くとあり得ないくらい薄っぺらい音になりますがアンサンブルで必要なのは音の厚みを飽和させないように必要なところだけを表現することです.
ベースとユニゾるなら低音はベースが鳴らしています.
キーボードがエレピでユニゾンしているなら欲しいのはエレピのコリっとした音の部分といった具合に必要な音は限られてきます.
最悪,そこだけでも聞こえてくればお客様には表現したい音は意図して伝わりますし「あ,鍵盤が重なってるな」って思ってもらえるものです.


私にとって最も難しいのはギターの歪に対抗する音色作りだけですね.
こればかりはどう頑張っても音圧的には勝てません.
言わば矩形波で制限値オーバーのドライブありきな音で演奏しているわけですから.
そういう時は網の目をくぐる思いで抜け穴(最も少ない周波数)を探出します.
誰にも言わずに黙々EQ調整して音色に反映し,次の機会にはしれっと対策音を奏でる.
"音が聞こえる"ことに誰も気がつかないけど誰からも"キーボード聞こえない"と言われないようになっていればしめたものです.
もしかして,私って超悪者?!
いえいえ,そういうつもりはありませんけどね(苦笑)


3回に分けてイコライザを使った音作りについて紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
周波数だとかHzだとか,ややこしくてわからないという人もいたかもしれません.
要は単独演奏以外での音作りで大切なことは欲張らなということです.
自分の音だけが満足できる音に仕上がるのではなく
全体としてバランスを崩さないように時には"減算する"という音作りを心がけると
音圧を稼がなくてもバンド内で埋もれない音を奏でられる奏者になれると思います.





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最終更新日  September 11, 2013 06:08:58 PM
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