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October 2, 2014
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カテゴリ: コラム
スピンオフ企画?!
この項目がないと他の有名コラムと同じになってしまうので追加記事です(^^;)
ここから先は私の推測ですので本当の技術と違うかもしれないが悪しからず・・・


技術的妄想考察
PLUG-OUTというコンセプトの説明についてマーケティング部門の方の話が某サイトに載っているわけだが,これを参考に考える.

PLUG-OUTに用いられているACB(Analog Circuit Behavior)テクノロジーは独自の技術によりアナログ回路を完全シミュレートしていると謳っている.

言っていることが技術的観点で真実であればDLP(プログラマブルロジックデバイス)によるハードウェア再現の可能性はないだろうか?と考えてしまう.
組み込み系ソフトウェア屋や回路屋からはFPGAという名前がわかりやすいだろうか?
要は,集積回路の中で回路の仕組みを再現するという技術である.
一昔前にAlteraのFPGAでMSXというコンピュータの回路構成を1chipで再現して販売されたことがあった.


ただ,本当にそうだとすると色々な問題が出てくる.
基本的にSRAM型のFPGAは書き込み回数が実質無限ではあるのだが,書き込み時はプログラム全体を書き換えなければならず時間もかかるし,転送中に誤って転送ケーブルを抜いたりしたら復帰できなくなる恐れがある.
メーカーがユーザーにそれをやらせるのは考えにくい.

では全部書き換えないFPGAならどうだろうか?
まず,FPGAのプログラムを全部書き換えるということ自体問題である.
プログラムを丸ごと替えるとレジスタ(ポートの設定等,変化すると困るものも含む)までも飛んでしまう.
周辺回路やメインCPUなどのポート設定を電源再投入時にやらなくてはならなくなり不具合の元になりかねない.
一部分のみの変更といのは技術的には可能である.キャッシュロジック等と呼ばれるパソコンでいうところの設定ファイルのような仕組みでの再構築である.

一部分だけは設定ファイルからシステムを呼び出す構成にしておき,書き換え時はその設定ファイルだけを書き換えるため,データ容量も少なくてすむ分非常に短時間で構築できると考えられる.


マーケティング部門の方の4音ポリという本体の制約はPLUG-OUTでもついて回るということがFPGAのハードウェア的制約だとしたら考えられなくもない.

ただ,仮に,オシュレータ,フィルタ,エンベロープ等を構築している部分の回路を変更してもポリ数の制約の都合とは関連がない気がする.


また,FPGAの一番の問題は開発コストと生産コストであろう.
まず,FPGAをどの部門が担当しているかはわからないが,基本的には回路設計ができる部門しか担当できないであろう.
仮に,組み込み系ソフト屋さん関わることになったとしてもポートレジスタの設定等をすることができてもゲートがどうとかAND回路がどうとかという回路部分はお手上げになると考えられる.
また,基本的にFPGAであれば,安定したFPGA配給元がある故に自社開発するはずがないため外注に発注することになるはずである.
ハード屋の実働工数がPLUG-OUTで消えてしまえば新商品の開発に支障が出ると考えられる.


VSTとしても単体で発売されているソフトがあるということはVSTを設計している部門が別に存在して,かつPLDを設計している部門があることになってしまう.

二重に仕事を増やすなど設計的に破たんしている.

また,コンスタンスに売れる商品と違って楽器はユーザーも限られてしまい球数の絶対数が車や家電製品に比べて少ない部類である.
同じコンセプトの商品がたくさんあるAIRAといえど,FPGAを外注する以上は製造にかかるコストは下げられない.
本体を\59,800程度で売っていると考えるとにわかに信じがたい.

ここまで,考察してなんだが結論はハードウェアをハードウェアで再現している(エミュレータ線)可能性は低いのかもしれない.
実際,これが本当に実現できているのだとするとすごいことではあるのだが…回路構成をアナログで再現する復刻アナログシンセとは特性も含めてまるで違うわけであり,あまりメリットはないのかもしれない.



それでは,視点を替えて考察しなおしてみることにする.
もともと,コンセプトはVSTであるPLUG-INがメインでそれを持ち出せるSYSTEM-1という位置づけである.

ということは,PLUG-INのソフト部分(.dll:ダイレクトリンクライブラリファイル等)自体を発音のメインに使っているのではないだろうか?

そう考えるとSYSTEM-1の内部OSはWindows系だと実装にかかる仕事量も削減で来て楽なように考えられる.
(ただ,MicrosoftものはコストがかかるのでLinux他で再現できるようにソフトを組む等して回避しているかもしれないが…)
そのままの構成でスタンドアローンで動くソフトを組み込めば後はVSTプラグイン(.dll)を割り当てるだけ.
4ポリなら4台のSH-02を立ち上げて,入力キーに対して各プラグインがそれぞれ発音すればまるでSYSTEM-100mで4つのオシレータを184でコントロールしている状態と同等になる.

その構成だと回路特性までシミュレートしたSH-02をミキサーで4台つないでいる状態が構成されているため発音に至るまで完全に回路シミュレートしているという表現にはならない気がしないでもないが,細かいことは抜きにして実現はできそうである.

・・・結局,V-MACHINとほとんど内部構成が同じということになる.
ただ,メーカーで保証しているかどうかという差がでかいということだ.


でも,そう考えると制約である"4ポリ以上は表現できない"がしっくりはこない.
なぜなら,仮にSH-2はモノシンセだからVSTのハコが4ポートしかなくて4ポリが表現できることになるわけだがVSTがJUPITER8だったら8ポリ×4が可能なことになってしまう.

CPU制御の処理できる限界ととらえるしかないのだろうか?
まず,SH-101の場合はどうだろうか?こちらもモノシンセで2VCO構成とSH-2とほとんど同じではある.
外部回路はさておき,VCOの発音数という観点だけで考えればJUPITER8の場合2VCO×8機であるからSH-2で考えれば単純に8台分必要なことになる.

1機のVCO回路シミュレートにかけられるCPUの制限が仮に8個分(加えてVCF,VCA,エンベロープ,他)だと考えると,現実的に再現できるハードウェアは過去遺産にそんなにないのではないかと考えてしまう.
(実現するかは置いておいてSHシリーズ全機種とJupiter4,そしてPromarsにRS-505くらいか?うーんもはやメーカーにも動くものがあるかどうかあやしい機種名もある・・・)

簡単に表現してしまえばSYSTEM-100mの2VCOである112が4台とVCFである121そしてVCAである130とEGである140の再現がSYSTEM-1におけるモデリングの限界ととらえられないだろうか?(既に『過去の回路構成を再現する』と断言しており発音数の違うシンセを作るためには別途"設計"が必要になるとの言い分であるためSYSTEM-100m等,パッチングの必要な回路は再現できないのではないかと推測する)

はたして,未来があるのか?という疑問がやはり出てきてしまう.
なかなか難しいところだが,ArturiaのOriginより値段が安いことを考えれば仕方がないのだろうか?と言った感想になってしまいそうだ.
PLUG-OUTへの意欲的な"設計"ができるようになりさえすればアナログモデリング以外にもPCM(orサンプリング)シンセやD50のようなディジタルシンセの復刻等,色々な可能性が出てきて楽しいのだが期待してはいけないのだろう.
ただ,ここでも一つの疑問が湧いて出てくる.
回路を復刻するにしても,単純にシミュレータにかけてどっかの猫型ロボットがポケットから出した~製造機のように"ポン"っと.dllデータが吐き出されるわけではないし,回路の細部(周波数特性等)も技術者に応援を頼んで忠実に再現した(チューンナップ)と言っているところを見ると,発音試験等も行い聴感上でも差異が出ていないか等非常に多くの"検証"も行っていると読み取れる.

それって,まぎれもなく"設計"なのでは?と思ってしまうわけだが,揚げ足を取るべからずなのだろう.
おそらく,ここで言う"設計"というのは回路構成を変更するような"設計変更"であるととらえるべきであろう.

たしかに,一部分でも回路を変更してしまえば実機との差分を取るようなシミュレーションはできなくなるだろうから設計思想がまるで変ってしまうわけである.なるほど・・・


ちなみに,他社のシンセを復刻させてほしいという声もどこかで上がっている模様だがなかなか難しだろう.
権利問題がついて回るため,回路図を買い取らなければ自社でその回路を仮に復元できたとしても販売できない.
内部回路の一部特許というならまだしも,回路そのものと考えると安いものではないとも思う.
国内他社ではハードウェアでそれ相当の復刻をがんばっているといううわさもあるようだがハードウェアで採算をとるならまだしもPLUG-OUT名目の1本15,000程度のソフトで相応の採算をとるのは至難の業だと思う.


だらだら書いてしまったが考察をまとめてみる.
RolandにおけるACB技術は過去にARTURIAが培ってきたアナログ回路のソフトシミュレートと近い技術なのではないかと思う.
そしてSYSTEM-1はV-MACHINに鍵盤と各種コントロール部を取り付けたようなハードウェアと考えられそうである.

ちなみに,ソフトを入れるというコンセプトはインドのメーカーUSE Audio社が開発した『Plugiator』で既に5年も前に実現している.
実際に,そのハードがSYSTEM-1で使われているような回路再現の技術を使っていたかは不明だが…
OriginもARTURIAが培ってきたソフトシミュレート技術をハードパッケージに収めたものと考えると技術は近い.

今まで,まとまっているようでまとまっていなかったシステム構成を安価にパッケージ化したのがSYSTEM-1と考えられそうである.
何よりも,国内主力メーカーがVSTをハードウェアに移植するという仕組みを先手を打って打ち出したところが評価すべき点である.
ただ,そうするとハードウェアのよさとは何か?というかねてからの疑問が再び大きく揺さぶられることにもなる.
そこを,どう考えていくかが今後メーカーにゆだねられる一番の課題と言えそうである.


勝手な妄想だが,Rolandが回路シミュレート技術のノウハウをここで基盤化できると,そのうちSPICEのような回路シミュレーションソフトの産業まで事業拡大してしまうのでは?などと考えてしまう.
エンドユーザーにはそれほどの恩恵はないのかもしれないが,投資家の皆さんには期待感のある話かもしれない…


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ま,これだけ書いておいてなんですが念を押しておきます!
全て推測です.





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最終更新日  October 3, 2014 01:03:58 AM
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