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August 18, 2015
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カテゴリ: 音楽
CME社がWIDI-X8を発表したのは10年近くも前になります.
当時はMIDIのワイヤレス化は過去遺産とかしており旧来の該当機種は音声信号帯にシリアル通信を乗せると言う手法だった事から電波法で制限されてしまい現実的に入手不可能となっていました.
そのため,2.4GHz帯を用いた本機種の発売は刺激的でした.


StudioT'sLABとしても4台のX8(2セット分)を所有しているのですが,数年前に突然市場から消えてしまいました.
個人的には競争相手のないベストセラー商品だろうと思っていただけに日本市場から消えた事に疑問しかありませんでした.
当時は色々な楽器店でYAMAHA社のKX5等ショルダーキーボードに内蔵させるサービス等を代行受付していた事から痛手を受けた業者さんも少なくなかったのではないかと思います.

我々StudioT'sLABも独自に回路図を起こしMIDIケーブル接続時はKX5単体動作,MIDIケーブル未接続時はWIDI-X8が起動すると言う仕様のワイヤレスKX5を試作化しようとしていましたが,国内で物が入手できなくなるのでは問題があると言う事で着工半ばで改造をあきらめた経緯があります(回路図は既にありますが…)

WIDI-x8


そもそも何故市場から消える事になったのかが問題です.
政府お得意の周波数再編かとも勘ぐったのですが2.4GHzを用いる本機種が該当ならば巷のWiFi等もほとんどが該当してしまい大騒動が起こってしまうわけで,関連性は薄いだろうと言う事もあり悩みました.



元々2.4GHz帯はISM(産業,科学,医療用)での使用を目的として用意された周波数帯域.
日本では10mW以下の 電力が微弱 な出力であれば免許不要で扱える.
但し,電子レンジの駆動周波数も2.4GHz付近であり,特別視できる帯域とは言い難い.
現状,同帯域での機種は飽和状態にあり一部5GHz帯(2.4GHzより多少制限がある※後述)へと移行の傾向もある.


<推測>
色々調べた結果,技術的な理由は確りと書かれていないのですが『国内の電波法に引っかかる』という理由で輸入が出来なくなってしまったとの事でした.
ISMという目的で使う分には個人でも自由に使える無線LANが有効になるわけですから特に問題はないはずです.
あと考えられるものとしては『電力が微弱であれば免許がなくても・・・』と言う下りです.
日本では10mWと言う規定値が定められており無線LANに置き換えて考えてみると大体~40m程度の飛距離になってしまうそうです.

では,WIDI-X8の仕様はどうでしょうか?

無線LANは安定電力で配給できるわけで,それでも~40mと言うのであれば無線端末として電池でも駆動できるX8が80mと言うのは電気的に見ても規定値をオーバーしていると言わざる得ません.

ラジコン等でも2.4GHz帯のプロポがありますが,これは"スペクトラム拡散方式"と呼ばれる強い通信方式が用いられており許可制とされている模様です.
参考資料: 2.4GHz帯プロポは電波法に基づく認定が必要
X8で電波方式にどんな技術を使われているのかは判りませんが,日本の電波法に触れているのは恐らくこの”電波の強さ”の部分ではないだろうかと考えられます.


<2.4GHzの懸念>

また,高出力になると非人道的な扱いをすれば兵器にもなり得るとの事で規制がかかっているそうです.

いずれにしても,プロポのように許諾を得て専門機関で通過できれば限定的ではあるにせよ使用が可能なのかもしれません.
それでも,本商品が2.4GHz帯である事には変わりありません.

発売当時はまだ携帯電話全盛期で2.4GHzは無線LAN(IEEE 802.11b,g,n)で使用していた帯域と言えど街中やイベント会場で多大な影響を及ぼす程の事は少なかったと言えますが現在はどうでしょうか?

無線LANを開放しているライブスポットや個人でもモバイルWiFiを使用していたり,持ち歩くことを前提としたBluetooth機器もあったり,etc...と非常に多くの機器で使用されており干渉の可能性はもちろんの事ながら該当帯域はノイズだらけと言えます.

最近では無線LAN等の帯域も5GHzの対応を謳っている商品も少なくないですね.
『2.4GHzより早く』と取ってつけたような謳い文句ですが,実際のところは使用頻度の高い干渉が多い2.4GHzを回避する事でスムーズな通信が行えるという一時しのぎに過ぎない内容です.
もとより日本の場合は,5GHz帯に気象レーダー等が割り当てられている為,免許不要で扱える帯域が大幅に制限されています.
それゆえに2.4GHz内でのスピードアップが未だ続いており,2.4GHz帯の使用率が減る事は当面ないのかもしれません.


<最後に>
皆さんご存じだと思いますが,政府の周波数再編に伴い業務用のA帯(770MHz-806MHz)は2019年3月31日をもって使用禁止となるのは有名な話ですね.
参考資料: 特定ラジオマイクの周波数帯移行について
2012年7月25日より470-714MHz(一部地デジTVと共用),1240MHz-1260MHz(FPU:公共レーダー等と共用※1252,3MHzを除く)へと移行が開始しており過去のA帯機器は使用できなくなります.
A帯自体は免許が必要な帯域故,無関係な話とも言えますが直近でもこのような変化は起きているのです.

無線と言う世界は目に見えない分,扱いが難しいですし知らないうちに変化をしていくものなんですね.
X8の場合は最初からその能力を持っていたため,何かが変化した結果違反となったわけではないのですが,場合によっては素人だからと『知らぬ,存ぜぬ』で使用し続ければ違法行為で罰則の対象になりますので要注意.

このように一般の人でも使える無線と言う枠組みで販売されたものであっても,その扱いにおける難易度はやはり低くはないのだと思います.
線をつながないと言う事は便利ではあるわけですが,見えないものを推測して運用しなければならないと言う面で言えば例え一般的に解放されて気にする事なく扱える便利な機器と言えど使っていくに当たってはそれ相応の知識は必要なのでしょう.

結果的にWIDI-X8は国内において一般的に使用できない商品とかしたと言っても過言ではありません.

個人的にはWIDI-X8も新たな回避策を上げて是非とも次期モデルを出して欲しいものですがKORG社の『』等,音源内臓でも軽量かつ出音が満足できるショルダーキーボードが沢山ある現在,MIDIやシリアルバスに特化したワイヤレス機器の需要は少ないのかもしれませんね.
2.4GHz帯ならスマートデバイス系機器でも応用できそうですし…

いずれにせよ,cokesの夢ふぁーむフェスティバル野外演奏で久しぶりに客の中へ飛び込めると思っていたので非常に残念です.





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最終更新日  August 18, 2015 10:29:42 PM
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