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☆毛玉のついたセーターでも、なぜかおしゃれ。掃除は週1なのに、なぜか雰囲気のいいお部屋。手間をかけないのに、驚くほどおいしいお料理。30代……そして40代、これからの人生ちょっと不安だったけど、フランスでお手本にしたい憧れの女性を見つけた!ほどほどが、軽やかでいい――パリ郊外で叔母ロズリーヌが教えてくれた、フランス流・毎日を楽しむ「風通しのいい」暮らし方。☆著者の、フランス人の叔母がとてもステキな人で、このエッセイには、叔母さんから学んだフランス流の気取らない暮らし方について、さまざま書かれています。子どもの頃一家を訪ねたとき、近くの森で木イチゴを採りジャムを作った話。西洋の児童文学によく登場する、森の木イチゴ! これがいちばん羨ましい。
2018.05.29
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☆ツバキ文具店は、今日も大繁盛です。夫からの詫び状、憧れの文豪からの葉書、大切な人への最後の手紙…。伝えたい思い、聞きたかった言葉、承ります。『ツバキ文具店』待望の続編。 ☆予備知識なしに借りてみたら、「ツバキ文具店」の続編でした。NHKのドラマがずいぶん面白かったので、登場人物すべて役者さんの顔になってしまって、他の人を想像できないです。しかし、良い作品の続編というのはどうも頼りない。どの人も良い人ばかりの、きれいな物語すぎて。1作目だけで終わったほうがよかったのかもしれません。しかし、まだこの続きも書かれそうな気がしますね。
2018.04.24
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☆京都、下鴨―。慧に告白してから、関係がぎくしゃくしてしまっている鹿乃。そんななか、知人に若い男性を紹介される。佐伯稜一というその青年は、実は蔵の着物の関係者で、大伯母の椿柄の振袖について訊きたいのだという。該当する着物を蔵から出してきた鹿乃だったが、描かれた椿すべてが落花してしまい…?そして鹿乃と慧、ふたりの関係の行方は―?アンティーク・ミステリー第6弾! ☆椿心中月を隠して懐に暁の恋羊は二度駆ける「古事記」の衣通姫、和泉式部、能の「鶴亀」や「班女」など、古典の教養が出てくるのも面白さのひとつ。また、蔵のなかの古い着物にまつわる謎を解いていると、主人公たちも一緒に成長するのがいいです。
2018.03.30
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☆京都、下鴨―。ある日、野々宮家を、見知らぬ男性が訪ねてきた。知人の女性を探しているという。聞けば、その女性の祖母が、鹿乃の祖母に着物を預けていたそうだ。鹿乃が蔵から取り出したその着物には、斜めに横切るように鮮やかな赤い糸が描かれていた。ところが、まばたきする間に、その糸は切れてしまい…?古い物に宿る想いをひもとく、温かな人情譚。 ☆星の糸赤ずきんをさがして雪花の約束子犬と魔女のワルツ柄を変えてしまったり、消してしまったり、泣き声を出したりする蔵の着物。・・・着物にこめられた秘密と謎をひもとき、着物をもとに戻してやる、というこのシリーズ。着物だけでなく古典文学や歴史、京都、おたがい思いやる兄妹、淡い恋、など心魅かれる要素がたくさん盛り込まれていて、それでいて過剰でないのが良いかんじ。ちょうど先週歩いたところが登場したので、一層面白かったです。
2018.03.20
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☆京都、下鴨―。ある日、喫茶店店主の満寿から両親の話を聞かされた鹿乃。鹿乃の母は満寿の店の前身である喫茶店「玻璃」で働いていたウエイトレスで、父はそこの常連客だったという。鹿乃は稲妻が描かれた帯を手がかりに、幼い頃に亡くなった両親の馴れ初めをたどりはじめる。また、蔵から出した枯れ菊の着物が、慧の父親に深く関係しているものだと知り…!?それぞれの「過去」が明かされるシリーズ第4弾。 ☆鹿乃の亡くなった両親のこと、慧の生い立ち、洋館を建てた曾祖父母のなれそめ、などこれまで触れられなかったことがわかってきました。明治や大正の京都のようすも良く描かれています。
2018.03.15
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☆蔵にある“いわくつき”の着物の管理を、亡き祖母から引き継いだ高校生の鹿乃。ある日、祖母が懇意にしていた骨董店の店主から、祖母が、祖父に宛てて書いたという恋文を渡されて…?一方、鹿乃の兄・良鷹は、野々宮家の別邸にこの時期だけ現れる、風鈴草の着物を着た女性について調べていたが…。京都、下鴨が舞台。古い物に宿る想いをひもとく、温かな人情譚。 ☆金魚が空を飛ぶ頃に祖母の恋文山滴る真夜中のカンパニュラシリーズ3作目。かつて所有していた人の思いが残る着物や古い品々。古いものが訴える悲しさや苦しみを、なんとか解決するために主人公はがんばります。このシリーズ、なかなか面白いです。言葉づかいがマンガっぽくないのもいい。
2018.03.13
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☆北は瀬戸内海に面し、南は山々に囲まれた讃岐国・丸海藩。江戸から金比羅代参に連れ出された九歳のほうは、この地に捨て子同然置き去りにされた。幸いにも、藩医を勤める井上家に引き取られるが、今度はほうの面倒を見てくれた井上家の琴江が毒殺されてしまう。折しも、流罪となった幕府要人・加賀殿が丸海藩へ入領しようとしていた。やがて領内では、不審な毒死や謎めいた凶事が相次いだ。 ☆☆加賀様は悪霊だ。丸海に災厄を運んでくる。妻子と側近を惨殺した咎で涸滝の屋敷に幽閉された加賀殿の祟りを領民は恐れていた。井上家を出たほうは、引手見習いの宇佐と姉妹のように暮らしていた。やがて、涸滝に下女として入ったほうは、頑なに心を閉ざす加賀殿といつしか気持ちを通わせていく。水面下では、藩の存亡を賭した秘策が粛々と進んでいた。著者の時代小説最高峰、感涙の傑作。 ☆NHKBSの番組で、宮部みゆきをテーマに読書会をしていました。その番組を録画してあるのですが、これは未読では面白くないだろうとまず本を読み始めました。架空の丸海藩(モデルは丸亀)でのさまざまな騒動・事件。お家騒動もあれば権力争いや縄張り争いもある。迷信や噂話から恐怖が高まって起きた暴動もある。それが本当にリアルに描かれています。この時代の、人の命の軽さといったら!あまりに悲しいです。
2018.03.03
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☆京都、下鴨―。高校三年の鹿乃は、ぐうたらな兄と、近くの大学で准教授をしている下宿人の慧と三人暮らし。亡き祖母からアンティーク着物を譲り受け、同時に、蔵にある“いわくつき”の着物の管理も引き継いだ。鹿乃は、まわりの人びとに協力してもらいながら、着物の秘密と謎をひもといていく。長い時を重ねた物に宿る、持ち主たちの想いや願いとは―。四編収録。☆花の模様が消えてしまった空色綸子の着物、逃げ出した杜若柄の男児着物、音符の描かれた帯からピアノの音色、鳴らない回転木馬のオルゴール。それぞれの過去の思い出にまつわる謎を調べ元のすがたに戻すという、ちょっと不思議なミステリシリーズ。京都ならそういうことも起こりそう、という雰囲気を漂わせていて結構面白い作品です。登場するのが美少女やイケメンばかりなのがライトノベルらしいですが。
2018.02.20
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☆ふるさと福井で、北海道の大自然の中で、のびやかに成長する三人の子どもたち。その姿を作家として、母親として見つめ、あたたかく瑞々しい筆致で紡いだ「緑の庭の子どもたち」(月刊情報誌「fu」連載)4年分を完全収録。ほかに、読書日記、自作解説ほか、宮下ワールドの原風景を味わえるエッセイ61編、掌編小説や音楽劇原作など、単行本初収録の創作5編も収載。著者の4年間のあゆみが詰まった宝箱。☆ このひと、優しいステキなお母さんなのだなあと思いました。3人の子供たちがのびのび・すくすくと育っているようすがとてもいいです。ただ、あちらこちらで発表されたエッセイをまとめた本なので、同じような内容の繰り返しが多いのが残念でした。
2018.02.15
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☆京都、下鴨―。高校生の鹿乃は、旧華族である野々宮家の娘だ。両親を早くに亡くし、兄の良鷹と、准教授をしている下宿人の慧と三人で、古びた洋館に住んでいる。アンティーク着物を愛する鹿乃は、休日はたいてい、祖母のおさがりの着物で過ごす。そんなある日、「開けてはいけない」と言われていた蔵を開けてしまう!すると、次々に不思議なことが起こって…!? ☆京都、旧華族の屋敷、イケメンの同居人、アンティーク着物、文学、猫・・・などなどロマンティックな要素満載。女子が好きそうなネタばかりでできていますが、それでいて読みごたえもありました。イケメンは器用で料理がうまい、っていうのが最近のトレンド??題名だけで借りたのですが、続編も読んでみようかなと思います。
2018.02.10
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☆江戸時代中期、長く続いた不況を脱し、景気にも明るい兆しが見え始めた。大坂天満の呉服商、五鈴屋でも、五代目店主の惣次とその女房幸が、力を合わせて順調に商いを広げていた。だが、徐々に幸の商才を疎むようになった惣次は、ある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ、店主の地位を放り出して姿を消す。二度と戻らない、という惣次の決意を知ったお家さんの富久は、意外な決断を下す。果たしてその決断は五鈴屋を、そして幸を、どのような運命へと誘うのか。大人気シリーズ第四弾! ☆江戸時代の大坂が出てくるので、商家の暮らしなど興味深く読んでいるのですが、「みをつくし料理帖」シリーズに比べるとなんとなく面白くない。なぜか?と考えると、どうも主人公に愛嬌がないんですよね。働き者だけれど親しみやすさがなくなってきた感じ。旦那さんに愛想つかされなければいいけど。
2018.01.26
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☆高校3年生の千紗は、横浜のタウン誌「ハマペコ」編集部でアルバイト中。初恋の相手、善正と働きたかったからだ。用事で元町の洋装店へ行った千紗は、そこのマダムが以前あった元町百段をよく利用していたと聞く。けれども善正によると元町百段は、マダムが生まれる前に崩壊したという。マダムは幻を見ていた?それともわざと嘘をついた?「元町ロンリネス」「山手ラビリンス」など珠玉の連作短編集。 ☆バイトの女子高生が、思い出の中のちいさな謎を解くために横浜について調べるというもの。横浜各地の歴史や昔の風景などを調べて回るのですが、あまり土地勘のないものにはよくわからないです。横浜に住んでいる人やよく行く人には面白いかもしれません。
2018.01.23
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☆文化祭が始まった!カブキ部の個性あふれるメンバーたちが、それぞれ情熱を注いだ集大成の舞台…になるはずが、本番直前に部長のクロが消えた!?学内を探し回るトンボの前に現れたのは、従妹の渡子。そして懸命に時間稼ぎをする部員たちの助っ人となったのは意外にも…。歌舞伎十八番の内「毛抜」。稽古を重ねて作り上げた彼らの芝居は、果たして…!?いよいよクライマックスの青春歌舞伎小説、最終巻もトップスピード!! ☆この前参加した「附けの会」ワークショップで教えていただいた、附け打ちの山崎徹さん。この完結巻は、山崎さんの協力のもと書かれたそうで、文中にも「山咲さん」として登場してました。とにかく元気で前向きな高校生の話は読んでいて楽しい。完結したのは残念な気もするけど、シリーズというのはやたら長くしたり、スピンオフで広げてしまうより、(読んでいる方にとっては)このくらいで終わるのがちょうどいいと思います。
2018.01.21
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☆長崎屋の主が死んだって!? おとっつぁんの身に何が? 病弱若だんな、跡を継ぐの? 緊急事態続出の「しゃばけ」シリーズ最新作! ☆ しゃばけシリーズもこれで16になりました。あいかわらず病弱な若だんなが騒動に巻き込まれ、知恵と勇気で解決するパターン。読むとほのぼのして良いのだけれど、そろそろ次の展開が欲しいような。
2018.01.20
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☆昔ながらの暮らしを守る国ルップマイゼで波乱に満ちながらも慎ましく温かい生涯を送った女性マリカ。彼女のそばにはいつも神様の宿る美しいミトンがあった―。小説・小川糸、版画・平澤まりこのコラボレーションが紡ぎだす、愛しい物語世界。作品のモデルとなった国・ラトビアを旅するイラストエッセイも収録! ☆まるで童話のような。どこの国がモデルなのかと思ったら、ラトビアだそうです。うつくしいミトンをたくさん編んで自分の結婚に備えるという風習があるそうです。寒さのための必需品であるだけでなく、独特の模様があり、だれかに贈るために編む。良い話ですね。
2018.01.14
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☆犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。営業時間は夜から朝まで。ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。孤独を抱えて生きる客に思いを馳せ、離れて暮らす娘の幸せを願いながら、つかの間、最高のランチと酒に癒される。すれ違いのステーキとサングリア、怒りのから揚げ丼とハイボール、懐かしのオムライスと日本酒、別れの予感のアジフライと生ビール…今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!心を癒し、胃袋を刺激する絶品小説。 ☆書名から美味しいランチとお酒のはなしかと思いきや、離婚した主人公の淋しさ辛さや依頼人の生活も描かれていて、とても良かったです。もちろん美味しそうな食べ物の描写もすばらしかったけれど、それだけではなかったので、読後感は「隠れた名店」を見つけたような気分。
2017.12.28
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☆百二十年以上にわたって自殺したと信じられてきた、ポスト印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホ。しかしその死は、じつは他殺によるものだった!画家ゴーギャンとの共同生活の失敗、弟テオに対する罪悪感や社会からの疎外感…。2011年にアメリカで発表され評判となった新説に基づき、ゴッホが残した手紙や日記類、彼をめぐるさまざまな人々の視点から語られる、ゴッホの苦悩と情熱。なぜ、誰にゴッホは殺されたのか?殺されなければならなかったのか?ゴッホ最後の二年間と死の真相に迫る物語! ☆身を削って描いても描いても誰にも認められず、孤独で、寂しさに耐えきれない。あんまりゴッホがかわいそうなので読んでいて辛くなりました。死んでから何十億円なんて値段がついてもしかたない。生きているうちに評価してくれる人がいたら!
2017.12.21
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☆中島ハルコ、52歳。本音で生きる会社経営者。金持ちなのにドケチで、口の悪さは天下一品。嫌われても仕方がないほど自分勝手な性格なのに、なぜか悩みごとを抱えた人間が寄ってくる。高学歴ゆえに結婚できない、不倫相手がお金を返してくれないといった相談を、歯に衣着せぬ物言いで鮮やかに解決していく痛快エンタテイメント!☆林真理子の本は読みやすいなあ~あっという間に読めました。ばかばかしいところも多いけれど、元気がでますね。こんなにも見事なオバサン、怖くて傍に寄れないけれど見てみたい。私自身はあまり名古屋とは縁がないけど、そういえば・・・うちの身内にも「純金」が二人いた~!
2017.12.19
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☆新生・北宇治高校吹奏楽部の初のイベントとなる定期演奏会をみぞれとともに仕切ることになった久美子の苦労を描いた「冬色ラプソディー~北宇治高校 定期演奏会~」と、北宇治高校と立華高校の吹奏楽部の面々が一緒に演奏会を繰り広げる「星彩セレナーデ~北宇治高校&立華高校 合同演奏会~」の書き下ろし2編を収録。そのほか、『響け! ユーフォニアム』シリーズの裏話をたっぷり語った著者・武田綾乃のスペシャルインタビューや、『あるある吹奏楽部』シリーズでお馴染みの吹奏楽作家・オザワ部長が明かす吹奏楽部のヒミツ、関係者による応援コメントなどを収録した、ファン待望の公式ガイドブック! ☆登場人物が多いので、これ以上覚えるのがめんどうになり(笑)立華高校編をわざと飛ばして読んだのですが、やっぱり読んでおいた方がよかったかな?これまで活躍していた魅力的な三年生の出番が減るとおもしろさが減りました。この先も読むかどうか思案中。
2017.12.08
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☆北宇治高校吹奏楽部の活躍を描いた人気青春エンタメシリーズ最新作。葵が部活を辞めた本当の理由(わけ)、葉月が秀一を好きになったきっかけ、秀一が久美子についに告白!? 麗奈と滝の初めての出会いなどなど、北宇治吹部の面々の甘酸っぱくてちょっぴり切ないヒミツが明かされるファン垂涎の短編集。☆番外編短編集ですが、本編のストーリーにも進展あり!なので読まないわけにはいかないようにできてます。しかし本来吹奏楽部の活動が本筋なのだからちょっと物足りない感じ。滝先生の奥さんの話も欲しかったな~。ちょっと引っかかるのが、やたら「首(手)をブンブン振る」が出てくること。まんが由来っぽいこの表現、あまりにも毎回のように出てくると嫌になってくる。
2017.11.26
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☆猛練習も日常となり、雰囲気もかなり仕上がってきた矢先、北宇治高校吹奏楽部に衝撃が走った。副部長で、部の要と言える三年生のあすかが、全国大会を前に部活を辞めるという噂が流れてきたのだ。母親との確執から、受験勉強を理由に退部を迫られているらしい。さらには、楽器に対する複雑な心境をあすかは久美子に打ち明ける。はたして大会の行方は―。☆あすかについては、なんとなく予想していたけれど、やっぱりでした。(しかしね~ヒステリックに学校に乗り込んでいく親ってホントにいるんですかね?小学校ならともかく高校生なのに。)はたして、あすか先輩は京大に入ったのかな・・・卒業式が終わったら新学期。こんどはどんなややこしい新入部員がやってくるのか?楽しみです。
2017.11.23
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☆新しく赴任した滝昇の指導のもと、めきめきと力をつけ関西大会への出場を決めた北宇治高校吹奏楽部。全国大会を目指し、日々練習に励む部員のもとへ突然、部を辞めた希美が復帰したいとやってくる。しかし副部長のあすかは頑なにその申し出を拒む。昨年、大量の部員が辞めた際にいったい何があったのか…。“吹部”ならではの悩みと喜びをリアリティたっぷりに描く傑作吹部小説シリーズ第2弾。 ☆(1)で隠されていた部分がだいぶ鮮明になってきました。結構大きな団体なので、方向性の違いからもめることはよくあるし、そのせいで退部することも確かにありますね~なるほど。じぶんの高校合唱部も、なかなか体育会系なところがあり、とにかく毎日練習で、退部した人もいましたっけね。ただ同級生同士ならまだしも、先輩に本音を聞けるほどに親しくはなかったかなあ~、などと思い出してました。
2017.11.16
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☆「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです」昭和36年。人生を教えることに捧げた、塾教師たちの物語が始まる。胸を打つ確かな感動。著者5年ぶり、渾身の大長編。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に、塾も順調に成長してゆくが、予期せぬ波瀾がふたりを襲い――。☆戦後の教育、家族の形、塾というものの在り方の変遷が描かれています。自分たちの時代から子供たちの頃になるまでだけでも教育環境がずいぶん変わりました。今はまた変わっていることでしょう。教育に完成はない、ということで題名も「みかづき」なんですね。教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない。不条理に抗う力、たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだー。なかなか良い言葉ではありませんか!!
2017.11.14
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☆舞台は北宇治高校吹奏楽部。高校に入り、クラスメイトの葉月からの熱烈なアプローチを受けて吹奏楽部に入った久美子。久美子の高校の吹奏楽部は、5年前までは関西大会の常連で、過去に全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問である山岡が他校へと移ってからは関西大会にすら進めていない。再度の顧問交代を機に、再び高みを目指す部員たちの青春と奮闘、幼い人間関係の深化を、小気味よい演奏シーンとともに描いた、スウィング・青春小説! ☆人気があるらしいのでアニメを見ているのですが、まだるっこしいのでいっそ原作を読んでしまえ!と思って借りてきました。京都が舞台で原作は関西弁なのに、アニメは標準語なのであんまり京都らしくない。そして、学校の制服やブラスバンドの衣装が、アニメでは原作に書いてあるのよりもうんとおしゃれですね~。そしてアニメは美少女ぞろいっていうのも・・・・まあしかたないけど。で、中身の方は、コンクール全国大会目指してる高校生たち(ほとんど女子)の一生懸命さがかわいい。吹奏楽にコントラバスがいるなんて初めて知ったなあ。
2017.11.10
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☆君臨する男。寵愛される女たち。文豪が築き上げた理想の“家族帝国”と、そこで繰り広げられる妖しい四角関係―日本文学史上もっとも貪欲で危険な文豪・谷崎潤一郎。人間の深淵を見つめ続ける桐野夏生が、燃えさかる作家の「業」に焦点をあて、新たな小説へと昇華させる。☆ 女たちに囲まれた谷崎潤一郎の暮らしが目に見えるようです。よほど谷崎について研究されたのだと思います。文章にもパワーがあって、さすが桐野さん!
2017.11.08
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☆ ジャクソン・ポロック幻の傑作「ナンバー・ゼロ」のオークション開催が迫る香港。建築家である真矢美里は七人の仲間とともにオークション会場へ潜入していた。一方、アーティストを夢見る高校生・張英才に“アノニム”と名乗る謎の窃盗団からメッセージが届く。「本物のポロック、見てみたくないか?」という言葉に誘われ、英才はある取引に応じるが…!?ポロックと英才、ふたつの才能の出会いが“世界を変える”一枚の絵を生み出した。☆ちょっとマンガっぽい展開ですが、若い人たちにアートの素晴らしさを紹介するための小説と考えればいいのかな。アノニムのメンバーは世界的に活躍するとびぬけた才能を持ち、しかも金持ちばかり。そんな連中が盗まれた絵画を取り戻す、というような危険なミッションをやってしまう。これはシリーズにするのかも?ポロックは、前にテレビで映像を見たことがある気がします。キャンバスを下に置いて、上から絵具を滴らせるというかぶちまける、というか。どう見たら良いのかわからないような絵が百億円もするらしいです。現代アートってすごい。
2017.11.02
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☆真夜中に開店する不思議なパン屋「ブランジェリークレバヤシ」に、手から白いハトを出す怪しげな中年男が現れる。それが店を揺るがす大騒動の幕開けだった。一方、母親と久しぶりの対面を果たした希実だったが、その隣にいたのは実に意外な人物で…。人気シリーズ第5弾!! ☆なんでこんなにゴタゴタと書いたのか?これまで面白かったのに幻滅しました。途中で読むのがめんどくさくなりました。主人公の親世代の家庭不和やゴタゴタは、あまりにくどい気がします。そして富裕な一家は冷たい家庭、というワンパターン。希実の母も結局なんだかよく描けてないうえに、ここで死ぬのも唐突。
2017.10.28
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☆ 万引き事件がきっかけで、長年勤めた書店を辞めることになった青年。しかしある町で訪れた書店で、彼に思いがけない出会いが…。田舎町の書店の心温まる奇跡。 ☆ 書店員の夢、を描いたようなおはなしでちょっと現実離れしているかな。主人公にそこまでつらい過去を負わせなくてもいいような気がしたり。。。でも、本が売れない時代に、いろいろ工夫して頑張ってる書店の人たちのご苦労は非常によくわかります。
2017.10.27
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☆ロンドンで働くムスリムのタクシー運転手やニューヨークで暮らす厳格な父を持つユダヤ人作家との出会い、カンボジアの遺跡を「守る」異形の樹々、かつて正教会の建物だったトルコのモスク、アラビア語で語りかける富士山、南九州に息づく古語や大陸との交流の名残…。端正な作品で知られる作家と多文化を生きる類稀なる文筆家との邂逅から生まれた、人間の原点に迫る対話。世界への絶えざる関心をペンにして、綴られ、交わされた20通の書簡。 ☆とても聡明な二人の女性がかわす往復書簡。身の回りのごく狭い世界しか知らない自分にとっては、このお二人の学識や経験そして人格の深さ広さにうたれる思いです。
2017.10.19
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☆真夜中にオープンする不思議なパン屋さんに現れたのは、ワケアリ男女の二人組。居候女子高生の希実は、彼らが抱える不穏な秘密によって、不本意ながらも、またまた事件に巻き込まれていく。降り止まない雨の中、希実の過去に隠された謎が明らかに…。人気シリーズ第4弾!! ☆いつも強気な主人公が、今回ずいぶん身勝手な従妹に振り回されて黙って従っているのに驚く。どの子も子どもの頃の辛い体験がひどく影を及ぼしているようには書いているけれど、さほど差し迫った感じがしないのが良いのか悪いのか・・・娯楽作品としては安心できるけれど。まあとにかく、このシリーズを読むとパン屋さんに直行したくなるのは変わりません。
2017.10.13
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☆人妻界の秘密を知っておののき、河童とのひと夏の感動的な出会いと別れ、フェイスブックに「なりすましアカウントの削除」を申し立て、深夜に父の部屋から漏れ出るテレビの大音量と格闘する日々…。ビールを飲みながら妄想を膨らませるキミコの日記風爆笑&脱力エッセイ。あえて「見ない」という稀勢の里への応援、納豆パックに見る人類が進化を諦めた理由など、今回も笑いが止まらない! ☆相変わらず面白いエッセイです。鍋のふたがなくなった、ということだけをネタに10ページも書けるなんて!すごいです。そして、ここのうちのお父さんがいつも面白い。ご本人にしかわからない秩序というかルールをもとに他からは理解不能なことをしでかす・・・うちの夫もときどき、似たようなことをしますから共感します。それに、若いころの不愉快な体験はいつまでも色あせないというのもわかります!わたしも絶対〇〇新聞を取りません。
2017.10.12
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☆ 夜が深まる頃、暗闇に温かい灯りをともすように「真夜中のパン屋さん」はオープンする。今回のお客様は希実につきまとう、少々変わった転校生。彼が企む“計画”によりパン屋の面々は、またもや事件に巻き込まれていく。重く切なく、でも優しい、大人気シリーズ第3弾。 ☆美味しそうなパンのにおいがしてくるような楽しい小説、第3弾。父性とは? がテーマなのかな。カッコウの托卵か。自分で子供を産むわけでないから、血のつながりがあろうがなかろうが、父になることにはあんまり関係ないのかもしれません。
2017.09.24
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☆大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。果たして幸は如何なる決断を下し、どのように商いとかかわっていくのか。また、商い戦国時代とも評される困難な時代にあって、五鈴屋はどのような手立てで商いを広げていくのか。奔流に呑み込まれたかのような幸、そして五鈴屋の運命は?大好評シリーズ、待望の第三弾! ☆目の付け所が男とは違い商才のある幸を、妬み認めず奥に押し込もうとする夫。なんとなく先の展開がわかる感じ。予想としては、夫は商売に失敗し店を潰して失踪、女の細腕一本で建て直し・・・・とか?こんなよくあるパターンになったらつまらないので、期待してます。
2017.09.15
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☆空海は二人いた―そうとでも考えなければ説明がつかない…。わが国の形而上学の基礎を築き治水事業の指揮まで執った男。外国語を自在に操り、実学をも掌中に収め、万巻の先端情報を母国にもたらした男。千二百年のむかし一人の人間に、それら凡てを可能にしたもの。それは後進国ゆえの使命感かはたまた天の導きか。カリスマの足跡を辿りその脳内ドラマを追う作家の眼。カメラ映像70点とともに21世紀を生きる日本人の精神の奥底を浚う。 ☆高村薫の著作一覧を見ていたらこの本があったので、早速読んでみました。数年前から、伝説の人でない空海について知りたいと思っているのです。それに高野山にも行ってみたい。死後に神格化された弘法大師は民衆に愛され今も拝まれているけれども、その信仰は空海の伝えた密教とはかけはなれたものであるようです。
2017.09.09
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☆ラスト数瞬に茫然、愕然、絶叫! 現代人は無事、土に還れたのだろうか――。青葉アルコールと青葉アルデヒド、テルペン系化合物の混じった稲の匂いで鼻腔が膨らむ。一流メーカー勤務に見切をつけ妻の里に身を落着けた男は、今年の光合成の成果を測っていた。妻の不貞と死の謎、村人への違和感を飼い馴らす日々。その果てに、土になろうとした男を大異変が襲う。それでもこれを天命と呼ぶべきなのか……。 ☆とにかく最後の1ページが衝撃です。記憶がとぎれがちですぐ放心してしまう主人公の老いた姿がリアルで、やがて自分も同じようになるのかなと思わせられること。子どもの頃訪ねたことがあるので、自分にも山間の農家の記憶があること。災害や事件も、私たちがこの数年に記憶のある出来事であること。などなどから、この小説は自分にぐんぐん迫ってきました。同じ1冊の本でも、質の高い文章はやっぱり違うと思わせられた小説でした。
2017.09.08
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☆東京の大学を出て関西の大手メーカーに就職し、奈良県は大宇陀の旧家の婿養子となった伊佐夫。特筆すべきことは何もない田舎の暮らしが、ほんとうは薄氷を踏むように脆いものであったのは、夫のせいか、妻のせいか。その妻を交通事故で失い、古希を迎えた伊佐夫は、残された棚田で黙々と米をつくる。 ☆奈良の農家でひとり暮らし、米を作る老農夫伊佐夫。妻は事故で16年植物状態のまま亡くなり、折々に妻を思い出すのだが、その妻は不貞を働いていた。米作りの作業をひとつひとつ丁寧に描いているのですが、自分は何一つしらないことばかり。上巻ではそれほど大きな出来事は起こらないので、ちょっと退屈ではあるけれども、圧倒的なリアリズムで農夫の日常を描いているので読み続けられ、その筆力に驚かされます。さすが、高村薫。
2017.09.07
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☆「君、バレエ団に出向しない?」人生の第二幕は、戦力外通告とともに始まった。妻子に逃げられた47歳総務課長。選手に電撃引退された女性トレーナー。製薬会社のリストラ候補二人に課された使命は、世界的プリンシパルの高野が踊る冠公演「白鳥の湖」を成功させること。しかし、高野の故障、配役変更、チケットの売れ行き不振と続々問題が。本当に幕は開くのか!? 仕事と人生に情熱を取り戻す傑作長編。 ☆製薬会社の総務にいたのに、出向先がバレエ団。バレエ公演が成功しなければクビ?まるで縁のなかったバレエの世界に主人公が魅了されていくのが面白いです。これは映像化しそうだな。読みながらカリスマダンサー役を誰にするかな、などと考えるのも楽しい作品。
2017.09.06
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☆ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。 ☆ドラマの方を先に見てしまったが、原作も良かったです。鎌倉という土地柄にふさわしい文具店で、代書という仕事を丁寧に営んでいる鳩子の、まだ若いのに落ち着いた暮らしぶりがいいです。また、手紙それぞれにふさわしい文章、字体、筆記用具、などと考え抜くところがいい。今、手紙を書くというと何かいただいたときのお礼状くらい。字を書くことさえめったにないので、字がどんどん下手になってしまって。たまには手紙を出してみたくなりますね。それぞれ出す相手にふさわしい筆記用具などを選び抜いて、文章も練りに練って書くのもいいかもしれない。
2017.09.02
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☆ ある日、アンちゃんの手元に謎めいた和菓子が残された。これは、何を意味するんだろう―美人で頼りがいのある椿店長。「乙女」なイケメン立花さん。元ヤン人妻大学生の桜井さん。そして、食べるの大好きアンちゃん。『みつ屋』のみんなに、また会える。ベストセラー『和菓子のアン』の続編。 ☆デパ地下の和菓子店で販売のアルバイトをしている杏子ことアンちゃんのシリーズ。美味しそうな和菓子がたくさん登場し、さまざまな薀蓄が面白いのと、アンちゃんの成長ぶりが楽しいです。今回は、アンちゃんが立花さんに振り回された感じですね。これは、この先につながるのでしょうね。
2017.08.18
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☆真夜中にだけ開く不思議なパン屋さん「ブランジェリークレバヤシ」に現れたのは、美人で妖しい恋泥棒―。謎だらけの彼女がもたらすのは、チョコレートのように甘くてほろ苦い事件だった…。不器用な人たちの、切なく愛おしい恋愛模様を描き出す“まよパン”シリーズ第2弾。 ☆今回は、正直、事件解決まで無駄に長い気がしてだれました。それに、彼女がどうしてそんなことをしているかがイマイチ説得力がないし、安易に双子なんて出してくるな!と思ったりして反発もあり。。。まあエンタメなのでしかたないか。ドラマで見たほうが筋がくっきりして面白かったな。
2017.08.06
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☆日本の美を愛し続けた英国人陶芸家、バーナード・リーチ。明治42年、22歳で芸術の道を志して来日。柳宗悦、濱田庄司ら若き日本人芸術家との邂逅と友情が彼の人生を大きく突き動かしていく。明治、大正、昭和にわたり東洋と西洋の架け橋となった生涯を描く感動の“アートフィクション”。 ☆バーナード・リーチという名前は聞いたことがありましたが、陶芸家だったなんて知りませんでした。民芸運動の柳宗悦、濱田庄司や河井寛次郎なども、良く知らなかったので興味深かった。ただ、「心温まる」「美しくまとまった」というかんじは小説としてはどうなのかな。河井寛次郎はこの小説にはあまり登場しなかったけれども、以前から京都にある美術館に行ってみたいと思っていたので、これを機会にぜひ実践したい。
2017.07.25
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☆都会の片隅に真夜中にだけ開く不思議なパン屋さんがあった。オーナーの暮林、パン職人の弘基、居候女子高生の希実は、可愛いお客様による焼きたてパン万引事件に端を発した、失綜騒動へと巻き込まれていく…。期待の新鋭が描く、ほろ苦さと甘酸っぱさに心が満ちる物語。 ☆前に、NHKのドラマで放送していたものの原作。ドラマを見て面白かったので、原作を読もうと思いつつわすれていたもの。ドラマ放送はもう4年も前のことで主演はタッキーでしたが、この本を読むと、暮林さんはもっと大人な雰囲気ですね。西島英俊とかどうかな。この第1巻はほぼテレビドラマと同じだったので、2巻目からが楽しみ。読んでいるとパンが食べたくなります。
2017.07.16
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☆歌舞伎大好き高校生、来栖黒悟(クロ)が部長を務める「カブキ部」。文化祭に向け準備中だが、人手も予算も不足の上、元演劇部のスター、芳をめぐり、演劇部との対立はますます悪化。おまけに公演予定だった場所が使えない!?クロの親友・トンボの機転で、演劇部との観客動員数での勝負を条件に、なんとか場所を確保。しかし、勝負に負ければとんでもないペナルティーがあって…。嵐の予感!?青春歌舞伎物語、第六弾! ☆毎回、歌舞伎の上演直前になるとトラブルが。ホントにはらはらさせるのが上手いです。こんどはなにごと?無事に「毛抜」上演できるのでしょうかね~?アニメの方も、放送が終わってしまったので残念です。ところで榎田ユウリさんって女性ということでいいのかな?最近、男性か女性かわからない作家さんが結構多くて困ります。(男女で分けなければよかったな。)
2017.07.06
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☆出会い、別れ、再会し、また別れ――。人は会うたびに知らない顔を見せ、立体的になる。人生の大切な場面が詰まった六つの物語。 ☆久しぶりに読む森絵都。これは短編集。出会いなおしカブとセロリの塩昆布サラダママむすびめテールライト青空印象に残ったのは、「カブとセロリ~」自分なら商品の苦情を言うことにエネルギーを費やすのがいやで黙ってる代わりに、二度とその店に行かないです。これ読んで改めてそう思う。「ママ」はちょっとほのぼの。「むすびめ」子供の頃の記憶をくすぐる。
2017.06.25
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☆天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が姿を現わす。あの秘密の記憶から、今、新たな黒い影が生まれようとしていた―。 ☆映画館で予告を見たら、この作品を原作にした映画が近く上映されるとのことで、興味を持って読んでみました。津波で全滅した島、秘密をもつ3人の少年少女のその後。つらい過去や秘密を抱えた3人、というので天童荒太「永遠の仔」を思い出したりしましたけど、あの作品の凄さに比べると何か足りない感じがしました。映画は多少変えてあるのかな?ラストも同じかな?
2017.06.15
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☆学者の娘として生まれ、今は大坂天満の呉服商「五十鈴屋」に女衆として奉公する主人公、幸。十四歳の幸に、店主徳兵衛の後添いに、との話が持ち上がった。天守は放蕩三昧で、五十鈴屋は危機に瀕している。番頭の治兵衛は幸に逃げ道を教える一方で、「幸は運命に翻弄される弱い女子とは違う。どないな運命でも切り拓いて勝ち進んでいく女子だす」と伝える。果たして、「鍋の底を磨き続ける女衆」として生きるのか、それとも「五十鈴屋のご寮さん」となるのか。あきない戦国時代とも呼べる厳しい時代に、幸はどのような道を選ぶのか。話題沸騰のシリーズ第二弾!☆1巻はそれほどでもなかったので、続きを読むかどうか考えていたのですが、2巻はなかなか面白くなってきました。女衆(下女)から放蕩三昧のアホぼんの後添えとは苦労させられそうですが、ここでは誰にいじめられるわけでもなくかえって同情されていて、昔のドラマみたいにジメジメしないところが良いです。また、著者が江戸時代をよく研究されているので、大坂の商家の暮らしがよくわかります。徳兵衛(曽根崎心中)や治兵衛(天の網島)は、上方ものの文楽・歌舞伎に出てくる名まえで、おもしろいですね。
2017.06.08
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☆初めて夫に欲望を感じた妻が夫の本心を知る「幸福」。不慣れな外国で出会った親切な老人との午後の行方は…「小さな家庭教師」。不穏なお迎えが老女を怯えさせる「まちがえられた家」。裕福な女が夫の一言で、貧しい女に嫉妬の炎を燃やす「一杯のお茶」。夫の友人の熱情を弄ぶ人妻を描く「燃え立つ炎」。小さな幸せを、思わぬ言葉で打ち砕かれる独身女性「ミス・ブリル」。大人社会そっくりの歪んだ人間関係にからめとられた少女たちの「人形の家」など、選りすぐりの十三篇。感情の揺れを繊細にすくいとり、日常に潜む皮肉を鋭く抉り出す、短篇の名手キャサリン・マンスフィールドの日本オリジナル短篇集。新たに発見された未発表原稿「ささやかな過去」収録。☆どの短編も、小さなできことをきっかけに揺れ動く内面が描かれてます。著者は100年も前の人で、時代も国も違っているのに共感できる作品です。
2017.06.06
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☆元警察犬シャルロットとの穏やかな日常に、ふとまぎれこむ不可解な謎。ささやかな歪み。解決するたびに、絆が強くなっていくような気がした。やわらかい読み心地の傑作コージーミステリー。 ☆子供のいない夫婦が、犬を飼うことにした。元警察犬のジャーマンシェパード、大きいけれどとってもかしこい女の子。犬の魅力がよくわかります。でも、やっぱり犬を飼うのはたいへんだ~。
2017.05.23
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☆緊張で肩を震わす舞台女優、東日本大震災の日、直木賞受賞を知らされた青年…優しさと慈しみに満ちた物語は、ついに終章へ。 ☆東京會舘っていいなあ。行ってお料理食べてみたいなあ。。。と思いました。でも、小説としてはさほど面白くなかったです。この人の初期の作品は好きだったのだけど、最近はどうも好みと合わない。
2017.05.10
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☆36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。 ☆図書館では予約多数でいつまでたっても読めそうになかったのですが、娘が芥川賞掲載号の文芸春秋を貸してくれてようやく読めました。マニュアルがないと「普通」の生活ができないという登場人物は、異常なようで結構身近にいそうなのです。「普通」と言われる人たちもだんだん変に思えてくるし、「普通」と「普通でない」は実はたいした違いではないのかもしれません。なかなか怖い小説でした。
2017.05.04
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