BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年03月14日
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3月13日夜、藤野朔耶はそのころ栢山弥紀に家を追い出され
行く当ても無く彷徨っていた。
原因は栢山弥紀に有った、
彼、栢山弥紀は秘密裏にクッキーを焼くべく
帰宅そうそう藤野に外食を奨め、
2、3時間家に戻らないことを公約させたのである。
こんな理不尽な恋人の我侭を聞き入れた自分は
甘いと思うが栢山があまりにも必死に頼み込んでくる姿を見て、
なにか企みがあるのだろうということは、安易に想像が出来た。
「さぁ~何処へ行こうか?」
藤野は一人呟くと、外へと出てみたが寒い
暖まれる場所を求め歩き出したのだった。
栢山は藤野を見送ると部屋に戻り早速クッキーの仕込みに取り掛かる。
小麦粉を振るい、バターと砂糖を混ぜ合わせ、
そこに卵を加え、先程、振るって置いた
小麦粉を混ぜ合わせ冷蔵庫で休ませること1時間
「意外と簡単なものだ。」
一時間後、生地を取り出し、1cmに伸ばし、3cm四方に切り分け、
それを温めたオーブントースターにいれ180℃の温度で10~15分焼くと
甘い香りが部屋中に広がり栢山は初めて作ったクッキーに愛着を覚える。
ひと欠片食べてみると
「旨い!」
自己満足で終わらない程度の味に大満足の栢山
冷めたクッキーをあえてラッピングしないで皿に紙ナプキンを敷き、体裁を整えた。
そして昼休みに買った時計の箱と一緒に棚に隠し 準備は万端これで藤野が帰り、
14日を迎えればホワイトデーである。
それを知らない藤野はきっちり3時間を表で過ごし、
部屋に戻ると栢山はパソコンに向かいなにか作業を
している風であるのをみて静かに声を掛けた。
「ただいま」
「あっお帰りなさい。」
栢山が先程までエプロン姿でクッキーを焼いていたなんて空気は微塵も残っていない、
跡形も無く綺麗に片付けられていた。
「先輩寒かったでしょ、今、コーヒー入れますね。」
「うんありがとう。」
短い会話、栢山はリビングの時計をちらちら気にしながらコーヒーの
準備をしているのが分かったがあえて言わない藤野、そしてコーヒーの
良い香りがしだしたころにちょうど午前0時を迎えた。
栢山は、入れたてのコーヒーと自分の作ったクッキーを持ち
リビングに座っている藤野に差し出した仕草は、普段の栢山とはかけ離れ
照れくさそうな栢山であった。
「栢山これ。。。?」
「俺が作ったんです。先輩に食べて貰おうと思って。。。」
「だから。。。」
ニッコリりと笑い、嬉しそうにクッキーを摘む藤野
「旨い!」
「でしょ!俺の愛情入りですから」
そんなセリフはいつもどうりの栢山であった。
「そしてもう1つあるんです。これ」
そう差し出された箱にはブランド名が金色で押されていた。
「開けてもいいのかか?」
「ハイどうぞ、貴方のです。」
箱を開けるとシンプルな黒皮のベルトの時計が入っていた。
「これは?」
「今日、ホワイトデーだし、この前のお返しにと思って、俺と色違いの
時計をお揃いで買ったんです。」
ほらと見せられた栢山の腕には茶色の皮ベルトの時計がされていた。
「いいのか?俺はチョコだけしかあげてないのに。。。」
と言いよどむ藤野に栢山が言う。
「さすがに男物のペアウォッチなんて有りませんからね。同じタイプの色違いで
お揃いなんでよ。でも時計って意味あるんですね。」
「『貴方の時を束縛したい』とか
『一緒にいられない時も時間が一緒にいる』とか...
ペアだと『時間を共』にだって」
「それ調べてたのか?この前からずっと?」
「ハイ!」
「で、このクッキー焼くのに俺を外に?」
「ハイ!」
全ての行動は自分の為だったのだと思うと嬉しさがこみ上げてくる
藤野だが、自分は栢山に何もすることが出来なかったと
俯いてしまった藤野に栢山が諭す様に話しかける。
「先輩さっきチョコしか俺にくれなかったって言ったよね。でも俺は十分、
貴方という存在を貰ってるから、だからこれじゃ貴方の方が足りないくらいなんですよ。」
そういい終わると、栢山は藤野を後から抱きしめそして言う 。
「これからもずっと一緒です。」
そういうと今度は藤野の正面に立ち、深く口付けた。
参考:yahoo!グルメさくさくクッキーより


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最終更新日  2009年03月14日 12時59分33秒
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