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屋上でため息をつく、くだらない嫉妬だということは藤野のにも分かっていた。
タバコに火を点け様とライターを取り出すが、何度試しも火が点かない、こんな時の100円ライターが恨めしい、タバコ投げつけようとした時、後から聞き覚えのある声がした。
「藤野じゃないかこんな時間にサボりか珍しい。」
幼馴染で同期の倉本舜一である。
「ちょっと一服しようと思って。」
「ちょっと一服って感じには見えなかったが、他の連中と上手く行って無いのか?」
それならばこんなところでタバコなど吹かすことなどしないで仕事をしている、職場の人間関係は時として乱れるが今のところ、藤野の心を煩わすような出来事は無い、倉本に言われるまでもなく、処理は出来る、それ以上にたちの悪いことだから藤野自身感情の持って行く場所が無く、タバコに八つ当たりしていたのだ。
「いや、そういう訳でもないが本当に一服なんだ。で、お前は?」
「やぁ~ただの偶然、この時間帯喫煙所、込んでるんだよ~どの部も禁煙になっただろ。外回りの奴らは出先で吸えるけど中にいる連中で喫煙者は肩身が狭くなったよなぁ~」
「あぁ~」
この簡単な会話がなぜだか気持ちいい、最近、気の合う仲間とゆっくり話す時間も取れなかったし、飲みにも行っていない所為だろうか。。。
「なぁ~藤野今日、暇ある?飯、久しぶりに食いに行かない?なんかあるなら話ぐらい聞いてやるから」
「うん、ありがとう。じゃ仕事終わったらメールか電話する。」
「おお~じゃぁ後でな」
と微笑を返し、立ち去る倉本の存在に救われたと思う。
倉本の気遣いは何時もさり気無い、藤野の姿を見て追って来たのは間違いない、確かに栢山とは恋人同士、行動を共にすることが多い、彼は気を使い藤野為に必死に成ってくれるが藤野からしたら時には栢山の為に何かしたい、けれどそれを許さない栢山、時折疲れる時がある、そんな時の息抜きの場所が倉本だった。
タバコをもみ消し、デスクへ戻る、先ほどまでいた栢山がいない、軽く声を掛け、倉本のことを報告しようと思ったのだが姿が無いのなら仕方がないと感じた藤野は、まぁ~いいか後でメールなりすれば、ただの食事だ。
報告するまでも無いと諦め、先程の資料に目を通す。
仕事は何とか終わらせることが出来た、これで心置きなく出かけられると思っている藤野に栢山が話しかける。
「先輩仕事終わりました?」
「ああ」
「おれねぇ~今日、友里ちゃんと食事行くんです。イタリアンだって、彼女の行きつけの店なんだそうです、今度、先輩も一緒に行きましょうね。」
弾んだ栢山の声が今の藤野にとっては感に触った、苛立ちを押さえ、栢山に事と次第をを伝えた。
「俺も、倉本と食事行くからお前楽しんで来い。」
「へ~珍しい倉本さんと俺が宜しく言っていたって伝えてくださいねじゃお疲れ様でしたぁ~」
と屈託の無い笑顔を向け、立ち去って行く背中を藤野は見送ることが出来きずにいた。
藤野は思う、自分が誰かと食事に行くことを妬いてもくれないのかとそれとも元橋との食事がそれ程にも栢山にとって重要なことなのか、もしくは、栢山のよく知っている倉本で有るから安心ししているのか?いずれにしても、栢山に取って藤野の思いは二の次で有るのは間違えようの無い事実だった。