PR
フリーページ
カレンダー
カテゴリ
BL小説です。興味の無い方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。
それは藤野が住むアパートに遊びにいったある日の事だった、付き合い始めてから藤野に聞きたいと栢山が思って居たことを率直に聞いてみた。
彼の両親の事、自分自身の事は藤野と相愛に成った時、聞かれもしない事まで話した記憶があるが、藤野自身の事は何も知らなかったから聞いてみたいと思ったし、好いた相手の事だったら有る程度、知っていて当然だと栢山は思っていた。
その時、聞かせれたのは彼の両親は事故で他界していたこと叔父に引き取られたが高校入学を気に自立の為に家を出た事、アパートはその時に叔父が借りてくれたことなどを聞いた、それ以外に何か他にも藤野に取っての重要事項が有るのだろうかと栢山は倉本の顔を見つめた。
「おいおい、そう見つめるなって、藤野以外の野郎なんぞに見つめれれるぐらいならそこら辺のゴキブリに見つめれれた方がましだ」
「はっ!俺は両親に人の話を聞く時は顔を見なさいって教わったんです、ガキじゃ有るまいに下らない冗談は止めて下さい」
そういいながら、視線を外すと折角、入れてもらったコーヒーをすすった、缶コーヒーとは比べ物にならない芳醇な味が口の中に広がる、入れた人間はともかくとしてコーヒーの味には感謝した。
「それは冗談だが、それだけか?」
「ええ、そうです、まさかまだ。。。」
そこまで呟くと栢山は口を閉ざした、まだ隠し事でも有るのだろうか、そらした目だったがもう一度、倉本の顔を見、顔色をうかっがった。
「なぁ、栢山、人には触れて欲しくない部分がある、ましてやそれを他人に知れたり、他人が知ったかぶりで話すののは正直、嫌なものだ、けれど一つだけ、幼馴染の俺が一つだけ言えるのは。。。はぁ~」
いったん言葉を切り、躊躇したようにコーヒーで喉を潤すかのような倉本、先ほどまでの冗談めいた表情は消え、真剣な表情で言葉を続けた。
「俺が言えるのはこれだけだ、藤野の両親が無くなったのは朔耶が原因なんだ」
「。。。」
栢山は絶句する、自分の知らない藤野の事、だが、倉本が言えるのがそれだけということは裏を返せば、まだ何かが藤野には有ると言うわけでそれは藤野から聞けと言う意味だと受け取った、ゴクリと残りのコーヒーを飲み干した栢山が倉本ともう一度、向き合った。
「で、それはアンタも知ってることか?」
「ああ、丁度、俺の近所にアイツが引っ越してきて1年経つか経たないかの頃の話だしな。。。後は本人から直接きけ」
「そう。。。」
栢山自身、人の話は人伝えに聞くのは善しと思わなかった、だからこれ以上は倉本から聞き出す積りは無かった、けれどもう一つ聞きたいことが栢山には有った、それは、なぜ彼が藤野を抱いたのか、倉本の口から直に聞きたかった。
「なぁ~もう一つ聞いていいか?」
「ああ」
「なんで藤野さんを抱いた」
穏やかな声だった、彼を攻める積りは無かった、それは自分が良く知っているから。。。だが、あえて倉本から聞きたかった、おそらく藤野に尋ねても同じことしか言わないだろと想像する、「倉本が誘った」のだとあるいは藤野自身が誘ったのだとどちらかの答えしか返ってこないことを栢山は知っていた。
「アイツが壊れそうだったから、あんなのは藤野じゃない」
そう、嫉妬に刈られて怒りを顕にするようなのは倉本の知っている藤野ではなかった、ましてや、その原因が目の前の人間で有ることを本人は自覚していないのが腹が立つがj自分は栢山を攻める資格はないのは倉本自信、自覚していた。
そう、それは、参っている藤野に漬け込んで自分が彼を抱いてしまったから。。。言い訳は無い、片想いだった人間が目の前で溺れそうになっていた、それに手を差し伸べた。
それは卑怯だと思ったけれどそれはどうでも良かった、藤野の中に自分が残ればそれで良いと思った。
あのまま栢山から奪ってもよかった、けれどそれはしなかった。