BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年05月13日
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BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

戸惑い

僕は目を覚ました。
いったいここはどこなのだろうか。。。広いベッドに寝かされて手には点滴が施されていたけれどここは病院とは違う場所、窓には遮光カーテンが引かれ、昼間なのか夜なのかも定かではない。
僕はいったいどうしてしまったのだろうか。
その時だった、ドアノブをゆっくり開ける気配がして照明がつけれ、目が眩んだ。
起き様した僕を制止して和希さんではない誰かが僕をもう一度、横たえる。

「気が付いたようだね」

なんて綺麗な人なんだろうと思う、色が白くてまるで雑誌やテレビに出てくるモデルのようだと思う。
どうだろう、僕と年齢はあまり変わらないかな?それにしても僕は今日、何回、「テレビや雑誌に出てくる様な」なんて例えを使うんだろう、これで小説家の端くれだって言うのだから笑うしかない。

「貴方は?」
「これは済まないね、私は医者で和希の友人の春日 千史(かすがちさと)といいます」
「ここは?」
「ここは和希の寝室です、あいつがうろたえて私のところに電話して来た時は驚きましたよ」
「済みませんご迷惑をお掛けして」
「いえ、良いのです、あいつと私の仲ですし、あいつのうろたえた姿見られたのは儲けものですから」

と思い出したかのようにクスクスと笑い出す春日先生、相当、和希さんとは親しいようだ、綺麗な人だから恋人なのかな?と成ると僕はここに居てはいけない人物になるんだよな。

「顕一くんでしたっけ?」
「あ、はい。。。」
「貴方、大分、長い間食事をなさってないようですが」

春日先生が僕をたしなめるようにいう。

「先生にこんな事言うのはなんですがサプリメントで栄養は補ってます」
「駄目、薬じゃ血となり肉にはなりません、だから倒れたりするんですよ」

なんだかこの先生ってホッとする、この先生なら全てを話してしまえるのではないかって思える、そう、僕がなぜ、こんな無茶な生活を送ってるかってしゃべってしまいたい。
その時だった、ドアをノックする音がした。
和希さんかな?

「どうぞ」

先生の声に反応するように姿を表したのは和希さんだった、この人の寝室なのに僕が占領したら眠れないよだろ、もう、いい加減に良い時間じゃないのだろうか?だったらこんなことしていられない、帰らなくちゃ、僕は締め切りが迫るまでは気ままな生活をしてるのだから、和希さんに迷惑掛けちゃいけない、というか、すでに掛けてるんだよね。

「千史、顕一はどう?」
「うん、大丈夫、点滴が効いてきてるみたいだし、そうだね、何か栄養のあるスープみたいなのから徐々に慣らしていけばいいと思う、それと睡眠、無理は駄目」

僕を睨む先生の目が怖いけど愛情が感じられるものの言い方が僕は好きだ。

「そう、それは良かった」
「あの。。。」
「どうしたの」
「僕、帰らなくちゃ、お二人に迷惑かけておいて和希さんのベッド占領しちゃって、お二人共、明日も仕事あるのでしょ、僕が居たんじゃ。。。」
「はい、それまで病人がそんな心配しなくていいだよ、私は帰らせてもらうけれど君は泊まって行けば良い、こいつの事は心配することは無い、明日は日曜日だしね」

え?もう日曜日。。。曜日感覚までおかしくなってるのか。。。
そういって先生はウインクすると和希さんを部屋の外に連れ出した、僕はどうしたらいいんだろう、初めて会った人にこんなに親切にされてしかも、友達だか恋人だか分からないけれどこんな時間に先生を呼んでもらってどこまであつかましいって思われてるだろう。
もしかしたら呆れられてるのかもしれない。
ドアの外で話してる声は聞こえないけれどきっと困ってるんだろう。
その時だった、ドアが開けられて先生が顔を覗かせてにこやかにいう。

「顕一くん、誰か連絡しなくて平気?ご家族とか?」
「平気です、独り暮らしなので」
「そう、それなら良かった、じゃあ私は帰るから、後は和希に任せてあるから、心配しないでそうそう、点滴、外さないと」

そういって先生は僕の腕から点滴を外して鞄の中にしまうとじゃあねと手を振って帰っていった。
僕みたいな人間にどうしてこうも親切なんだろう、あまり人と触れ合うのが得意じゃない僕はどう、接していいのか良く分からない、この人達が特別なのかな?それとも僕が思うよりも人って優しいのかな?

「顕一、良かった」

安心した様な和希さんの顔、損得抜きで接してくれているのが伝わる。

「済みません、見ず知らずの僕にここまで親切にしてもらって」
「なに言ってるんだ、君を連れて来たのは私なのだから私に責任があるんだよ」
「けれど、僕が倒れなかったら春日先生も和希さんもこんな事に巻き込まれなく、ゆっくり休めたのに」
「心配することは無い、あいつも休みだし私も休みだって千史がいっただろ」

穏やかな和希さんの声、僕に気を使ってるのが分かるだけに居た堪れない僕の存在、僕が気を使わなければ成らない立場なのにそんなことは関係ないように振舞う和希さんの心が嬉しい。

「じゃあ、顕一、ゆっくり眠って、君には睡眠と栄養が必要なんだって、私は隣のゲストルームで眠るから、明日は君を家まで送ろう」

そういって和希さんは部屋を出ていった。

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最終更新日  2009年05月13日 03時00分27秒
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