BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年07月29日
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BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。


結局、僕の所為で旅館で一日を過ごすことになった、和樹さんは笑って言う「まだ時間は有り過ぎるほどに有るからね」と一日潰れた事なんて何でも無いようにきっといろいろ調べてくれていたんだと思うと心苦しい、二人で布団に横たわったままの会話は何だか楽しい。

「ねぇこう考えないか、誰にも邪魔されず二人だけの世界で自由に愛し合える」
「するの?」
「さぁどうかな、君は体を休ませなくちゃね」

なんて言葉を何回聴いただろうかなと思う。

「しなくていいの」
「したいよ、とてもでもね、だが今回のような事は起きないようにしないとね、君の棺に手を合わせるなんてしたくないからね」
「済みません、僕が不注意だったから。。。」

胸が苦しい、和樹さんは自分が悪いって口癖のように言うけれどそれは違うんじゃないかなって考えている僕が我慢すれば済む話なのだからこの厭らしい身体が忌まわしい。

「何を考えてる?」
「いえ、何も。。。」
「そう、でも顔は何か思い悩んでるように見えるけれどね」

逞しい腕が伸びてくる、腕を捕まれて少し引かれて引き寄せられるて腕に抱き込まれるともう身動きが出来ない、僕にはこの体温がとても心地良くて落ち着く、この腕の中が僕の居場所だって思うけれど和樹さんの居場所はどこなのかな。

「少し眠るといい」

そう言って抱き絞める腕に少し力を込める、さっきよりも距離が縮まって鼓動が耳に届き始める、それは規則正しく脈打ち、呼応し始める頃には眠りの中に堕ちていた。

僕は夢を見た、それは白い水の中で身体を丸めて漂っている、瞳は開いているかいないか分からない。
それはまるで母親の胎内の浮かぶ胎児のようだけれど少し違うのは僕は大人の身体だってことだった、そしてそこには臍の緒がないから胎内の中ではないであろう事だけは理解出来たけれどどこか安らげるという安心感がそこには有った。
突然、暗闇が辺りに広がったと思うと眩しい光が飛び込んでくる、眩しい。
ふと気付くとそこには布団の中だった、だから彼の鼓動はなくてその代わり遠くで話し声が聞こえた、それは何だろう、命令口調の厳しい声、けして僕に向かって発せられる声ではない、相手の声が無いのは電話をしているからだとなんとなく思った。

起き上がると寝るとき裸だった身体は浴衣に包まれていた、着せてくれたんだと思う、布団を抜け出して襖に手を掛けるたけれど躊躇する、きっと仕事のはなしだとなんとなく感じた、だったらここで僕が出て行っては邪魔になるんじゃないだろうか。
僕は布団に寝転がる、そして声が聞こえなくなるのを待った。
カタカタと隣の部屋から音がする、それはキーボーを忙しなく叩く音、そうなんだ和樹さんは休みだと言ったけれど仕事が無いわけじゃないんだ、そこが作家と実業家の社長との違いなのだと思い知らされた。
結局、僕は部屋を出ることが出来なかった、邪魔をしたくは無い、ここまでパソコンを持参して仕事を始めたって事はそれだけ重要な連絡だって事なんだと思う。

布団の上でもう一度目を瞑る、隣から聞こえる音を追うけれさっきみたいに眠くなることは無かった、やはり心音と体温が無いと駄目だ。
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最終更新日  2009年07月29日 03時09分33秒
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