BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年10月21日
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BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

庶幾

「絢斗のことは皆藤君が目覚めるのを待って彼の意見を聞いてからにしようじゃないか、そしてそれは私に一任して欲しいのだが。。。」

「ええ、僕も。。。異存は無いです。」

こんな時、和樹さんは非常に頼もしい僕もこんな大人に成りたかったと思うが僕が人を諭したりするなんて事は出来やしない。
それよりも今は全の手術の成功を祈るばかりだ。
『全、戻って来て。。。』

「顕一ちょっと。。。」
「はい。。。」

和樹さんに呼ばれて待合室から裏庭に出た。
芝生が広がる庭は車椅子の患者さんが散歩出来るように階段の横にはスロープが設置されベンチが幾つか置かれていたが寒いから誰の姿も無かった。
ベンチに間を置いて座った。
なんだか心臓がどきどきしたがこんなのは初めて和樹さんに会った日ぐらいだった。

「何が有ったのか話してご覧。。。言えない事は話さなくていい、怒りはしないから」

僕が上目遣いに見上げるとゆっくり頷いて話すように促された。
あのパーティーの日のことから順に何が有ったのか包み隠さず話した。
バカ正直かと思ったけれど隠しきれる自信が無かったから話してしまった。
僕自身は心が何処か軽くなったけれど和樹さんは怒りを抑えながらも表情が厳しかった。

「そう、気付いて上げられなくて済まなかった、絢斗は教育し直す必要が有るな」
「和樹さん。。。だけど。。。」
「君が心配する事は無い、君は被害者なのだから。。。それよりも私達の話をしよう」
「君は皆藤君を愛してるのではないか?」

その通りだった。
和樹さんも好きだけど全が刺された事によってそれ以上に愛してるってことに気付いてしまった。
全に振られて和樹さんを愛してるって思い込もうとしてたのだと分かったのだった。

「和樹さん。。。」
「ああ、良いのだよ、君が幸せで有れば、君は心変わりしたのではないのだからね、私が割って入ったのだから。。。」

そういって僕を抱き寄せた。
暖かい抱擁だった。

「翠と結婚していた頃。。。」

和樹さんは佐伯先生と生活を話し始めた。
初めは絢斗とも上手く行っていた、だけど佐伯先生と結婚が決まり、絢斗を自分の後継者にしようと厳しくしたのが絢斗とのすれ違いの原因だと言う。
絢斗は反発し芸能界に勝手に入ってしまった。
結婚したものの絢斗の身の振り方や育て方、佐伯先生の仕事の忙しさからお互いの溝が開きだし離婚に至ったのだと和樹さんは遠い目で語った。

「お互い余裕の出来た今、もう一度やり直したいって言われたよ、絢斗の事も含めて支えになって欲しいとね」

心臓が跳ねた。
和樹さんは復縁を迫られいるんだ。

「それでなんて。。。」
「君と暮らすことを話したよ。。。だがそれは出来ないって今は思っている」
「。。。」
「これは同情じゃない、私の我侭なのだ、彼女を支えたい。。。。」

和樹さんは結婚していた時には気付かなかった佐伯先生の弱さに気付いたのだと感じた。
だから側で支えたいのだと。。。僕は頷いた。
それが一番いいのだと思った。
未練が無いわけではない、勿論、嫌いに成ったわけではない、僕には全と言う人がいる、だけど佐伯先生から和樹さんを離したら仕事しか残らない、絢斗だって未成年だからまだ見守る必要がある。

「済まない。。。許して欲しいとは言わない。。。」
「和樹さん。。。謝らないで。。。先生には貴方が必要なのだから、絢斗の事も立ち直らせてあげて」
「顕一。。。」

きっと二人でする最後の口付けだろう。
これが離れたら二人はただの知り合いに成るだけだ。

『愛していました貴方のことを。。。』


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最終更新日  2009年10月21日 03時25分21秒
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