BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年11月16日
XML
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

変遷

全の部屋、何もなくて小ざっぱりしてる。
二度目だと言うのになんだか慣れないけれど全に「お帰り」と言った。

「ただいま」

荷物はそのまま押入れに仕舞った。
言葉が続かない。
どうしたら良いのだろうか?

「顕一、聞かないの、部屋の訳?」


本当は病院で聞こう思ったけれどやはり聞けなかった。
全は立ち上がってキッチンに向かい、湯を沸かし始めた。
何をするのだろう?僕がしなくちゃ、いけないはずなのにさせてしまった。

「インスタントでいい?」

と聞きながらドリップ出来るタイプの物を封切り、カップにセットする。
湧いた湯を静かに注いでいく、全の動く後姿がなんだか好きだ。
手の動き、足の運びを見てると視線を感じたのか動きが止まって振り返る。

「なに?」

首を傾げて笑う。
なぜ?それは僕が聞きたいよ、こんな閑散とした部屋は全に相応しくない。
トレーに二つカップが載っている。

小さなテーブルを挟んで全と向かい合う、抱き合うときよりは距離が有るというのになぜ、これほどまでに照れくさいのかと思う。
静かにコーヒーを口にした、インスタントの割には悪くない、本格的な物とは遜色が無い。

「以外に美味しいだろ?」
「うん」
「で、さっき言い掛けたことはこの部屋のことだろ?」



「贖罪」
「?」
「佐伯先生への慰謝料。。。」

だと言った全は真っ直ぐ僕を見た。
そして説明を始めた。
自分の持っていたマンションの部屋売って身の回りの物を処分して3千万弱、ローンの返済が有ったから2千万ほどが手元に残った。
残金でこのアパートと身の回りのものを揃えて2千万を総て先生に渡した。
先生は必要ないと突っぱねたそうだけれど全が強引に置いて来たと言う。

「だけど、瀬戸さんを通して返金されたよ、翠先生には必要ないってね」
「だったら。。。」
「うん、だが、これは俺のケジメだと思ったんだけど翠先生に言われた、『顕一君と住みなさい』って。。。」

どこまで出来た人なのだろう、かっこ良いよ、佐伯先生。。。

「だから、こう成ったが君に頼っていいだろか?本当は君とは別れる積りであの日、向かった」

事実が語られて行く、向けられた瞳は真っ直ぐで迷いが無かった。

「だが今は、別れるなんて思わない、あの日のことが俺に解らせたんだ、お前しか居ないって。。。愛してる」

なんて事だろう、人の運命なんてこんなにも簡単に変わって良いのだろうか、全が刺されなかったら僕達は背を向けて歩いていた。
僕は、和樹さんの元で今までと変わらない作家として過ごしてた。
だけど今は違う、もっと未来の事を考えられるようになった。

「全、君が良いのなら僕の所に来て暮らして欲しい、これは同情じゃない、全がこれからの未来に必要だから、その手助けをお願いしたいんだ」

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
励みに成ります!ありがとうございます!





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年11月16日 02時32分24秒
コメントを書く
[焦れる僕を満たして欲しい] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: