BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年11月22日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

椎名とのひと時は優しい時間だった。
重苦しい思いを忘れるには十分だったがそれは一時の癒しでしか無かった。
この時間が終わり朝を迎えれば泣きたくなる現実が待っているのだ。

「宗次さん甘いもの好き?」
「嫌いじゃない」
「良かった、俺、甘いもの好きなんだけど一人じゃねぇ。。。」

洗物をしていた手をタオルで拭いて冷蔵庫から取り出したのは大きなシュークリーム、デザインされたビニール袋に入っていた。

「買ったのは良いんだけどこれ4個入りなんだよね」

「迷った結果がこれ」

と言って苦笑いで袋に指を差し袋からシューを取り出すと鴻山に渡した。
手にしたシューはずしりとして大人の握り拳程だった。
洗物の続きに取り掛かった彼の背中を見詰めながらシューを口にしているのを想像した。
余りにも似合い過ぎて笑えた。

「なに笑ってるんだよ」
「お前がこれ食べてる図を想像した」
「図ってなに?似合わない?」
「その反対。。。コーヒー入れるから洗物をさっさと終わらせろ」

素直な言葉に椎名はクスリと笑って洗物に戻った。

「何が可笑しい?」


鴻山はこんな会話、椎名と普通に出会っていれば最初からこんな風に穏やかに過ごし話し合えたのだろうかと。。。
コーヒーの粉をスプーンで計って入れスイッチを入れた。
しばらくして茶褐色の雫が落ちるのをなんとなく見ていたら後ろから抱き竦められた。

「止めろ、恋人同士でもないのに。。。」

胸がズキリと痛んだ、内心は抱き締めて欲しいと願った。

だから余計に腕の中で溺れることはしない。

「だよね、冗談だよ、アンタが可愛いからつい」

椎名は思った。
これは同情なのかそれとも鴻山への愛情なのか自分の心が解らないでいた。
ただ一つだけ解るのは鴻山の心を解したいと思ったのは事実だった。
だからの行動だったがそれを鴻山が許さなかったから冗談で済ませた。

「悪い、カップ取ってくれないか?」

カップを受け取るとコーヒーを注いだ。
二人分を手にテーブルへと戻ると嬉しそうに袋を開け、大口でシューに椎名がかぶりついた。
横からはみ出たクリームが口の端に付いた。
こんな姿を見ると目の前の男が可愛く思える。
手を伸ばしクリームを取るとそれを舐めた。

「何するの?」
「お前が可愛いから」
「は?」
「冗談だ」


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最終更新日  2009年11月22日 04時57分29秒
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