BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年12月13日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれるか方はご遠慮下さい。

体が重く気だるいが会社に行かなくてはと無理を承知で服を着替え、準備をした。
野瀬の顔を見なくてはならないのは憂鬱だったが、休んだ事を攻められて何かを強要されるのだけは避けたいと思った結果だった。
ベッドでは穏やかな表情を浮かべて眠る椎名、看病で寝付けなかったのだろうと想像が出来、そっとして置く事にした。
彼の表情を伺いながら嬉しさと戸惑いを覚えたがそれは打ち消し、会社へと向かった。
体が重いのに耐えながら廊下を進んだ、正面から朝、会いたくないと思った人物が無表情で歩いて着た。
そのま、挨拶をして通り過ぎようとした時、背中を叩かれ崩れ堕ちそうに成るのを耐えながら自分より背の高い、野瀬を見上げた。

「どうだったね、鞭の味は?、今日は無理をしないで帰ればいい」
「貴方の変態振りは分かりましたよ」



「そんな私に救いを求めたのは誰だったかな」

朱が上る鴻山の顔に自分の方が上だと言わんばかりに嫌味な笑みを向け「次が楽しみだ」と呟き、立ち去る背中を睨みつけ、職場へと向かった。
続く不調と朝、野瀬に揶揄された事で仕事が捗らず、同僚の気遣う言葉も煩わしくさえ思えた。
進まない仕事にイライラを募らせながら昼を迎えた。
自分が残るからと言って留守を引き受け、食事も取らず、仕事を続ける。
ペンを走らせながら集中の出来ない自分に腹が立ち、背を椅子に預けると軽い痛みが走り目を閉じた。

「鴻山君」

目を開け、露骨に嫌そうな顔を向けた。
声を掛けた本人は笑顔で楽しげに近寄ってくる。

「食事していないのだろ、私は帰れと言ったはずだが」
「誰の所為だと。。。」



「どういう積りですか?」
「食事をしないから苛立つんだ、それではいい考えが出ない、昨日はゆっくり休めたのか?」
「貴方にそんな心配をして頂く必要は無い」

忌々しく思いながら顔を背けた背中を抱き締められ、慌てて体を捩りその戒めから抜け出そうとする首筋に唇が落とされ、粟立った。

「や、止めて下さい」


執拗に触れて来る、手を力ずくで離し床に体を抱えて座り込むしか出来ない鴻山に手が伸ばされた。

「冗談だ、君の厭らしい顔を見て良いのは私だけだからな」

差し出された手を払い退け、立ち上がり汚れを掃う。
野瀬を睨み付け、引き出しから財布を取り出し無造作にポケットに突っ込むとその場から立ち去ろうとした時、手を捉まれ、引き止められた。

「嫌われたものだ、私はこれから社用で外に出る、君は残りなさい、これは差し入れだ、変なものは入っていない、食べたく無ければ捨てればいい」

手に買い物袋を握らせて自分のデスクに向かうとカバンを持ち、鴻山に目を向ける事無く、入って来た時とは反対の扉から外に出て行った。
それを目で追いながら視線を手の袋に向け、中を開けるとコンビニのおでんとおにぎり、お茶が入っていた。
野瀬の買ったものだと思うと気分が良くなかったが、食べ物を捨てるのは気が引けた。
席に着き、デスクの上の物を片付けると袋の中身を取り出した。
鴻山の体を気遣ったのかおにぎりは梅ぼし、昆布とあっさりしたもの、おでんは大根に白滝、玉子となんだかよく分からない組み合わせだったが、暖かく味が沁みて美味しかった。
重かった心が解れた。
だけど感謝はしない、憎むべき相手なのだ、これもなにか意図が有るのではないかと考えた。
午後からの仕事はスムーズに進んだ、野瀬のお陰だとは思わなかったが彼が居ない事に心が休まった。
午前の仕事を片付け、少々の残業で帰れそうな目処が付いてホッとした。
アパートに帰りたいと思った、帰って椎名の顔が見たいと思った。
何を考えているのだと頭を振った、自分の思いに困惑した。
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最終更新日  2009年12月13日 15時49分13秒
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