BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年06月21日
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BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

雨に咲く前編

休日出勤の帰り道、マンション近くの公園を散歩していた。
ここは、春の桜に始まり、四季折々の花々咲く、それを眺めるのが好きだった、こうして独りの時はゆっくりと公園を巡るのが藤野の楽しみの一つに成っていた。

つい最近、梅雨に入ったというのに、ここ数日、燦々と日が射し、手入れの行き届いたこの場所でさえも木々は元気をなくしていた。
公園は日曜日の昼下がりだというのに散策する人はまばら、それはこの蒸し暑さと、まだ早い夏の日差しが災いしているようだった。
藤野は公園の角に有る屋根つきのベンチに腰掛けるとここに来る前に買った水を一気に飲み干した。
ごくごくと白い喉が上下する。
花だけではなく、人も不快だと感じてい居るのだろうと思う。

側の花壇では紫陽花が日に照らされて鮮やかな色はなんだか色を無くして見え、辛うじてこの湿気が花の鮮度を保っているのではないかと思った。
日陰を作る屋根付きのベンチは居心地が良い、目を瞑って時折、生ぬるい空気を押し流すように風が吹くのを感じていると遠雷が聞こえた。
おやっと、空を見上げると遠くの方に雲が広がり始めている。
最近、ニュースなどで取り上げられているゲリラ豪雨でも来るのではないかと思った。
日が徐々に覆われパタパタという音をたてて乾いた土に雨が染み込む。
その香りが藤野は好きだった、スッと雨の香りと土の香りを嗅いだで花壇に目を向けると濡れる紫陽花が艶やかに色を取り戻し藤野は静かに微笑んだ。
それもつかの間、雷は直ぐ側まで近づいて来ていた、雨は激しく降り、屋根付きのベンチの中も濡らす、
勿論、藤野の足元も濡れ始める。
しかし、今、ここを出るのは危険だと感じられ、ここで雨宿りを決め込んで鞄の中を開いた。
普段、読めない本に目を通した。
暫くして雨が小降りになった、さっきまでの激しい雷も、また、遠雷へと変わる。

部屋で待つ栢山を思い出した。
昨晩は泊まった栢山、玄関まで藤野を見送って「待っている」と言葉を渡して来た男、昨日は仕事に差し支えれるからと何もしないでただ隣で眠ってくれた。
公園で過ごすのはしばしの間だと決めていた、雷の所為で髄分時間を取られ、申し訳ないと思うと共に、待たせて悪いと思った。
栢山はきっと心配しているだろう、そう、あの日からずっと心配し続けている。
急がなくては藤野は自身を急かして走った。



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最終更新日  2010年06月21日 11時34分32秒
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