うつ病患者の考え事

うつ病患者の考え事

2008年03月30日
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カテゴリ: 読んだ小説
「五分後の世界」村上龍

【ストーリー】
ふと気が付くと小田桐は湿地帯の中を行軍する列の中で歩いている。周りの人間達はもくもくと歩く。
目的地に着くと小部屋に一人一人入れられ「ブロック・姓名・年齢を述べよ」と言われる。(ブロック・・・?)状況が飲み込めないながらも状況を観察し生き残ることを考え行動する小田桐。
そこは小田桐のいた世界では考えられないような、日本人である『プライド』を強く胸に抱いた日本人の世界だった。

【感想】
ストーリーをうまく書けなかったのですが、小田桐が迷い込んだ世界は太平洋戦争で降伏することをせずプライドある日本人が地下に集まり、戦勝国に分断された日本列島を取り戻そうと戦っている世界です。

村上龍は「力強く生きよ」的テーマをずっと書いていますね。ちょっと記憶が曖昧なのですが「愛と幻想のファシズム」とかもそんな感じだったような・・・

この作品に出てくる日本人は、日本人であることを強く意識しプライドを持っている。日本人の地下組織である『アンダーグラウンド』の兵士はすべてにおいて優秀で戦争に降伏した日本に育った小田桐とはぜんぜん違う。



村上龍の文体はどこか血なまぐさい所があり、また紛争の描写にもかなり力をいれているのでだまされそうになっちゃうのだけど、すべての人間がプライドを持って前を向いて歩く集団って実はありえない。集団というものには必ず秩序を乱そうとする因子が内包されている気がする。

また、アンダーグラウンドの兵士の優秀さがすごく前面に押し出されているのだけど、優秀=プライドなのだろうか?という疑問も湧いてくる。能力的には優れていると言えなくともプライドを持つことは可能ではないのかなと思うのです。

村上龍のこの手のテーマの作品を読むと、うつ病に翻弄され休み休みなんとか生きている私は、五分後の世界では真っ先に脱落するだろうな~などと鬱になります。
しかし逆に、運動会でも一等賞を決めなかったりする世の中に疑問を投げかける姿勢は好ましかったりして、せめてプライドを持って毎日生きようと思ったりして勇気も湧いてくる私なのでした。





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最終更新日  2008年03月31日 20時35分44秒
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