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カテゴリ: 虚  第一章
己の身さえ焦がす様に、まるで憎しみさえ其の声に籠めている様に、お前は俺を呼ぶ。
まるで敬虔な殉教者の様に。
一片の偽りも疑心も持たないお前の言葉は俺の醜い心を抉り出し、同時に俺をひどく怯えさせる。
『元虎様。』
そうしてまだ俺を呼ぶのか。
俺はもう死んでいるのに。
今生きているこの魂は、既に俺のものではないのに。
これ以上俺に何を請うんだ。
俺は全てを捨てたのに。

これ以上俺に何を請うんだ。
<お前は・・・・・・・・。>
死してなお、眠ることすら許してくれないのか・・・・・。
『元虎様。』
裏切り者。
殺してやる。
この魂に触れることはお前は二度とない。
お前が唯一欲しがるものなど与えてやらない。
馬鹿が。
お前は愚かだ。
愚かすぎてもう、云うことがない・・・・・・・。

俺は何度も機会を与えた。
此れがお前が選んだものだ。
・・・・・・狂い、死ねばいい。
俺を呼ぶ代償に失うものを、お前は判っている。
判っていてやっている。

其れを知ることができるほどお前は利口で、そして其れを承知で其れに見向きもしないほどお前は愚かだ。
『元虎様。』
もう・・・・、いい。
もう・・・・、判った。
それほど請うならば。
来い。
殺してやる。
それほど狂わせたいのなら。
来ればいい。
(・・・・・・・・。)
呼べ。





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最終更新日  2005年09月10日 16時04分26秒
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