僕は電気山羊の夢を見るか?

僕は電気山羊の夢を見るか?

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2011年04月16日
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カテゴリ: うつ病
1年前のうつ状態全開の時の日記です。



カウンセラーさんに「悪いことと良いことをノートに書き出すといいですよ、ただし、必ず良かったことを悪かったこと以上に書いてください」と言われて、さっそくノートをつくってみました。

んで・・・

そこに書いていないことで、単純にばーっと書きたくなったことがあったのでここに書きます。

いいこととか、わるいこととか、そういうものじゃないです。思い出のおはなし。





mixiで古くから僕のことを知っている人はご存知かもしれませんが、僕は動物やら深海魚やらが大好きです。


ちょっとそのへんについて掘り下げて書いていきます。
暇な方、読んでくれるとうれしいです。




今は有名になってしまった旭山動物園。



僕の家にはアルバムがあります。僕自身の記憶は3歳くらいまでおぼろげですが、写真にはその姿が残されています。


小さい頃、よく旭山動物園につれていってもらった思い出があります。
母方の祖父母もいっしょに。近くに住んでいたから、だったんでしょうか。


それはそれは、幸せな時間でした。


動物園は今とはうってかわって閑散としていて、まばらな人がいるだけだった記憶があります。


見た動物の記憶もあいまいです。

でも、ゾウを見たりとか、ライオンを見たりとか、そういう感動はなんとなく覚えていて

「みてみて!おかあさん、おとうさん、ゾウだ!」

みたいなことを言った覚えがあります。



ひるがえって、少し内容は変わりますが、うちは裕福ではありません。それどころか、けっこう家計的には(今もですが)きつい家庭です。兄弟も4人だったし。


そして、父親は30歳近くでも転職をしていて、その頃は過労状態とも言えるほど働いていたそうです。まさに、帰ってきて寝るだけの。しかも、寝る前に酒を(依存症と思えるほどの、いや、完全に異常だった)飲んだ。




ここで何を言いたかったかというと、


僕は中学くらいまで
「うちは貧乏だし、兄弟でよくケンカするし、他の家のみんなはもっと楽で裕福な暮らしをしているんだ」

そう思ってた、ということ。


そして、成長するにつれて





ということです。


成長するにつれて、色んなことを知りました。


ある人は「うちはお金には困っていないが、両親の仲が悪い。」
ある人は「うちは片親だから。」


そう聞かされるたびに思いました。


「え?うちの両親はほとんどケンカしてるところなんてみたことがないぞ。」

「貧乏だけど、勉強するのにはお金を出してくれたぞ。」

そしてなにより

「これが当たり前だと思っていた家族だけど、実はとても恵まれていたんじゃないか」

そう思うようになりました。



小さい頃、動物園に行きました。
母さんがつくってくれた弁当を手に、ポーズをとって笑っている僕が写った写真があります。
今より若い母さんと父さんが、子供に動物を見せています。
そんな写真の一枚一枚には、母さんが書いたと思われる短い文章が書かれています。


『徹は動物がだいすきだネ!ゾウやキリンさんにご機嫌』

とか・・・。


まだいろんなこと覚えています。


父さんが僕に頬ずりをしてきて、ヒゲの剃り跡が痛かったこと。風呂に入って頭を洗ってもらうのに、母さんより力が強くていやだなぁと思ったこと。目の前の背中が大きくて、洗うのにいっしょうけんめいだったこと。

母さんが手作りのドーナツみたいなおやつをつくってくれたこと。いろんな本を読み聞かせてくれたこと。カードでゲームをしたこと。公園にいっしょにいったこと。


あの頃は僕も大きくなったら、父さんと母さんみたいになるんだと、疑いもしませんでした。

でも実際、そうなれてはいません。

僕の背中は父さんと同じくらいの広さになりました。
一人暮らしをして料理もそれなりにできるようになりました。

でもね、あの頃の父さんと母さんはもっともっと苦労して、大人だったと思います。



今でもはっきり覚えていることがあります。


郊外の公園にあそびにいって、僕がアイスを買ってくれとねだりにねだり、両親が根負けしてアイスを買ってくれました。僕が人生で初めて、覚えている中で初めて「嘘」をついた日です。嘘泣きみたいなものをしたんです。


今なら父さんと母さんの気持ちがわかる。

あれが幸せだったんだと。
子供が駄々をこねる、親としては言うことを聞くことができない、が、仕方がない。買ってやろう。

でもね、その過程を、父さんも母さんも承知で、たぶん昔、僕が生まれるよりもっともっと昔、自分達も両親に同じようなことをしたことがあったんでしょう。どこか満足げな顔をしていた気がします。僕が、父さんと母さんと同じ道を辿って、同じようなことをしたんだと思います。





今、僕は厳しい岐路に立たされています。

もしかしたら会社をまた休むことになるかもしれません。
そうなってしまったら、次回がある保障はありません。その可能性もあるんです。



ただ、そうなったからこそ、この余裕がない今だからこそ、頭に浮かんできた「幸せだった日常」をこうして文章にしました。


僕はもう今年26になります。
父親と母親が僕を動物園につれていったのも、まさに26歳頃だったでしょう。

僕も父さんと母さんみたいな、決して生活に余裕はないけど幸せな、幸せであることにすら気づけないくらいの平凡な日常が過ごしたいです。そういう日常をつくりたいです。





書くのにだいぶ時間がかかりました。
書いているうちに涙がでてきて、乾いて、いま頬が乾いています。涙が通った部分がわかります。

僕はまだ泣けるんだと気づきました。


泣けることは幸せなことです。
もしもこの先、涙すら出ないようになったら、僕はもう僕であることをあきらめているかもしれません。


涙が出るということはまだやれるということです。

小さい頃から積み重ねられた僕というものが、僕という人間が、今の僕を支えています。まだ立っています。

これからどうなるか、わかりません。
ただ、今日、こうやって書いた文章のことは覚えておこうと思います。

来年の今頃、この日記を見た僕が涙を失っていなければ、また泣いてくれるでしょう。


もしも願いが叶うなら、泣いていてほしいです。

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最終更新日  2011年04月16日 13時04分29秒
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