2014年06月27日
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カテゴリ: 洋画 [SF]

リメイク・ブームに制作された、当時のアメリカ社会を象徴するモンスター映画

GODZILLA ゴジラ
GODZILLA
1998年 アメリカ 138分

■監督 ローランド・エメリッヒ
■出演 マシュー・ブロデリック/ ジャン・レノ/ ハンク・アザリア
    マリア・ピティロ/ ケヴィン・ダン



ブームと言うものはいつか弾ける バブル の様なもので
1990年代から2000年にかけてのアメリカは、いわゆる ドットコム景気 で

IT企業への投資が活性化していた時期で
GDP が増加し インフレ は押さえられ 景気は上昇する中にありましたが

ITバブル崩壊で、株式市場は急激に落ち込みます

又、2001年から 空前の住宅ブームが起こり
サブプライムローンと呼ばれる、低所得者層への住宅購買用資金の高利貸しで

返済不可能になる者が出る事を承知で どんどんお金を貸しては
銀行は債権を発行してお金を補充し

高額の金利で儲けを得ておりました

というのも、返済不能者が出ても 担保となった住宅を差し押さえて売れば
買った時より高値が付く状態だったので

むしろそれを狙って貸し付ける様な

半沢直樹 に倍返しされ 土下座をしなければならない様な
呆れた銀行もあった程で

正に浮かれた景気の中に 国内は包まれておりました

やがてブームは去り バブルが弾けて 差し押さえた住宅は下落し
リーマン・ショックで 銀行は100倍返しされる目に遭うのですが

怪物の断末魔の様に 咆哮しながら最終回で土下座をした 香川照之 の様に
世界中が アメリカの金融 という 怪物 が倒れるのを

目撃した瞬間でもあるのでした


そのバブルが弾ける10年前、好景気にあった国内での ハリウッドではというと
リスクの高いオリジナルの企画を嫌い

作れば確実にヒットし、極めてリスクの低い リメイク企画が横行し
ここでも空前のハリウッド・リメイク・ブームが起こっておりました


このハリウッド版 『GODZILLA ゴジラ』も その流れの中で制作された作品ですが

日本のゴジラが ミサイルを受けながらも倒れる事無く
高度に発展した都市を破壊しながら練り歩く姿が

リスクを恐れない団塊の世代の 気骨 を見る様でもあり
発達し過ぎた文明に対する恐怖の 象徴 でもあり

文明と経済の高度成長への 警鐘 の意味があった事に対して

ハイリスクを嫌い、好景気に浮かれた中で制作された
ハリウッド版ゴジラの姿は 日本版とは似ても似つかない

元は爬虫類が巨大化した生物のフォルムをしており

危険を察知すると生物的勘で素早く逃去る事が出来る長い足を持ち
ミサイルには当たる事無く 見事に避けて、アメリカ軍を罠にかける 狡猾さを持ち

安全な場所に隠れ、無数の卵を産んで 種を残そうと画策しながらも
結局 普通にミサイルでやられる脆弱性を併せ持つ と言った

攻撃が最大の防御を実践する 訴訟国アメリカの姿を見る様な造りで

正に リスクを避け、相手を出し抜き、高利益を優先し、資産を拡大する
怪物の様に巨大化した、調子に乗った当時のアメリカ社会を

象徴し形にした様な

その後、弾ける バブル を予感させる造りになっている所が
今観ると とても興味深く感じます


近年のハリウッドアクション超大作が
中身を感じない漫画のような作品が乱立するのも

本作以降制作された作品が 大ヒット作を形ダケ模倣する
特徴的な流れの様に感じ

興行的に失敗する作品が多くなって来ると
ブームが限界点に達した事を察知したのか

その後ハリウッド超大作は 童話ファンタジー作へスライドさせる
安全策を取る動きが目立って来た様に感じます


思うに、映画で描かれる 怪物 とは

世を映す のような存在であり
元は小さかったものが膨らんで巨大化した やがて弾ける バブル そのもの と

言える存在なのかもしれません☆


という訳で、

来月7月25日の ハリウッド版としては2作目となる 『ゴジラ』 公開を控えて
ハリウッド版 前作にあたる 98年公開 ローランド・エメリッヒ監督作

『GODZILLA ゴジラ』 をご紹介します



- STORY -


調査にあたった生物学者ニックは、これが核実験の影響で誕生した新種の巨大生物ではないかと推測。

長雨に曝されていたニューヨークへ突如、その生物-ゴジラ-が現れた。
ニックはこの巨大生物がマンハッタンに巣を作ろうとしている事を突き止めるのだが……



- 解説 -

着ぐるみをメインとした日本版に対して、
CGをメインにして巨額の制作費をかけ制作された

ハリウッド版らしい エンタテイメント性を重視したモンスター映画です
監督は『インデペンデンス・デイ』の ローランド・エメリッヒ


爬虫類たちの姿をバックに不穏な雰囲気が高まり
ハリウッドのゴジラは 恐竜の生き残りではなく

巨大化した爬虫類だと言う事が 分かるオープニンで幕を開きます

穴だと思ったら巨大な足跡の名場面など
オリジナルでも描かれたものを更に大仕掛にアレンジしたシーンや

座礁した船に残った巨大な爪あとの場面に
釣りをしていたら海が盛り上がる登場シーン、

ニューヨークの街に現れる直前 巨大な振動で車や歩行者が飛び上がる場面など

大仕掛な演出を得意とするエメリッヒらしい ミステリアスな画面が
ゴジラ登場までの 期待感を高めます

物語は ニューヨークに出現したゴジラを退治するまでが描かれ
フランスの機関から派遣された謎の人物を演じた ジャン・レノと共に

主人公達とゴジラとの、壮大な追っかけっことなるクライマックスへと
流れて行きます


どちらかと言えば 明るめのタッチの作品なのですが

『ランボー2』 でも見せた フル装備で最強を誇るアメリカ軍の軍用ヘリが
まるで刃が立たず、ハエの様に叩き落とされ、潜水艦もまっぷたつにされるなど

ニューヨークのデザスターシーンでも
ゴジラが貫いた穴が開いてもそのまま建っているビル、といった様に

全てが漫画の様に描かれながら、リアルに人が死ぬ描写が無いのは

レイティング・システムの厳しいハリウッド映画で
12歳以下の世代の客層を得る為の 大ヒットを見込んだ演出と思われます


■ 烏合の衆のニューヨーク市民に 特ダネしか頭にないマスコミや
保身と選挙の事しか考えない市長に

まともな作戦も立てられない アメリカ軍など
アメリカ社会を 漫画の様に描いた稚拙さや

マディソン・スクエア・ガーデンで 無数の卵を産み
ミニラならず ミニ・ゴジラの大群に追われ

リアル志向で描かれた一作目の日本のゴジラに無い
実にアメリカらしい 物量的展開に 違和感を感じるファンの方も多く

それらが批判の的にされ

映画としての評価も分かれ、ゴールデンラズベリー賞(最低映画)
最低リメイク賞を受ける作品となりました


一方で、日本のゴジラ映画が平成に目指した様な

エンタテインメント要素がふんだんに盛り込まれ
ユーモラスがバランス良く配置された

誰もが愉しめる娯楽作として作られており

アメリカがCGを用いて 初めて本格的に制作したモンスター映画として
評価するべき作品と言う見方もあります


■ 本作をモンスター映画と評価するならば、
そもそもゴジラは必要あったのかという意見もありますが

それ故に、ハリウッドでオリジナルの企画が立ちにくい風潮で
怪獣映画 を制作する必然性をリメイク作に求めるという

業界の体質が問題なのであり

故に見方を変えて、既にあるものをアレンジして発展して来た
日本の特徴を ハリウッドが習ったと考えれば

黒澤明以来 ハリウッドが日本へ返した返事と捉える事も出来

本作は 続いて (02)『ザ・リング』の様な展開に繋がった
邦画にとって転機となった作品と考える事が出来る事からも

ゴジラは日本が世界に誇るコンテンツの一つであり
本作は日本が世界に進出する新たな一歩を迎えるきっかけとなった

記念すべき作品と 言える様に思いました☆


【敷居の高さを見せ付けるゴジラ】

リスクの高い オリジナル企画は鳴りを潜め
他国で作られた作品のリメイク作ラッシュの動きの中で

制作された映画の一つですが

他の作品が、本国でのヒットの実績から
アメリカでのある一定の興行収益を見込んだ

ヘッジファンド的企画 だったのに対し

本作はオリジナルへの強固な思い入れと 根強いファンの批判を考慮して
多くの者が二の足を踏んだ、映画人にとっては鬼門の作品となり

実に10年もの間 様々なプロデューサー、監督の中で
たらい回しになった 企画でもありました

最終的には ID4のヒットメイカー、ローランド・エメリッヒが
メガホンを取りますが、それも決して平坦な道ではありませんでした


エメリッヒが 4度断ったオファーを受けたのは

ゴジラファンには不評のイグアナの様なフォルムの
ゴジラのデザインを見てからで

むしろこのデザインがあったからこそ、可能性が見えたと言います

ゴジラ映画に対する各界の期待は それ程巨大過ぎるものがあり
結局どう作ろうと批判は回避出来ないという実状が

この話から見えて来る様でした




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『ゴジラの大ファンで知られる
スティーブン・スピルバーグは
この映画を見て「二度と作るなっつ!!!」
と激怒したらしいけれど
結局スピールバーグが作っても、
こうなったんじゃないのっつ?』


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最終更新日  2014年06月27日 06時44分59秒
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