和邇乃児之庭

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2017/06/02
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カテゴリ: 本・読書
第115回芥川賞受賞の表題作に、「消える」、「借夜記」を加えた3編収録の文庫。

ある日蛇を踏んだら、蛇が女になって家に棲みつく。
棲みつくだけでなく蛇の世界に来いと誘う。

というのが「蛇を踏む」の粗筋。
特に結末というのはないw

突然の消失が宿命のように起こる家系を描く2作目あたりでは、まだなんとか寓意を読み取ろうと無駄な努力を続けてはみるわけですが、借夜記(あたらよき)ではもはやそんな意志は放棄して、完全に妄想の世界で共に泳ぐことを楽しめるようになります。(書かれた時期はこの逆らしいですが)

寓意というのはたいてい「因果」の教訓(こんなことしたらこうなるよ)なわけですが、そもそも彼女の作品にはまともな因果が存在しないのですから。

それでもこれが文学として評価されるのは、物語の個別の筋に直接の意味は無いとしても、通底する雰囲気や違和感の中に仄かに見え隠れする現実との繋がりをどこか感じずにはいられないからでしょう。
意識して組み込むわけではないからこその面白さです。







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Last updated  2017/06/03 11:05:40 AM
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