Nij

2007.03.20
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カテゴリ: 連載小説



「じゃあ、どうすればいいっていうのよ!」羊女(ひつじおんな)がそう喚くと、羊男(ひつじおとこ)はすこしも心の平静を崩さずに、目を細めて、すぅと息を吸ってから静かに呟いた。




「羊を探せばいいじゃないか」


「何を言っているの!?羊!?羊を見つけて私たちはここから抜け出すことが出来るというの!?バカいってんじゃないわよ!!」羊女は肩まで伸びた髪の毛を振り乱してまた怒鳴った。羊男は片方の眉と唇を軽く上げて薄く笑って、また表情を無に戻して話を始めた。





「じゃあほかに何をすればいいっていうんだい?第一夢に入るために一緒に羊を数えようといったのはほかならぬ君なんだ。そう、僕が今ここにいるのも君のせいってわけ。柵を越える羊を数えたよね、だから今度は僕らがこの世界で羊を見つけて、柵を越えて帰すんだ。そうすればきっと僕らは元の世界に戻れるはずだよ」



羊女は羊男になだめられて少しだけ冷静さを取り戻し、憤慨したところでなにも起こらないことを悟ると小さな声で言った。
「わかったわ、そうしましょ。この世界で、一匹ずつ羊を探す。そういうことなのね?で、どうするの?一緒に行動するのか、それとも別々にか」羊女がそう尋ねると、羊男は少し考えてから答えた。



「とりあえず二人でこの世界の大きさと、土地のついての知識を得ようじゃないか。きっとこの一本道を歩いていけば村かなにかに出るはずだから、そこでまず情報を集めよう。そこからは別々だ。いいかい?」


「わかったわ。それじゃあ、まずは人との出会いを目指しましょう」





霧はますます濃くなってきた。掻き分けて進む二人はだるそうには見えたけれど目は確実に光っていて、夢の世界から現実へのドアを探していた。





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最終更新日  2007.03.20 20:08:16
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