比較テイスティング第３９弾＝クロ･サンジュリアンとシャス･スプリーンの１９８２＝

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2011.12.20

カテゴリ：ワイン･テイスティング

今回は、『神の雫』に登場したらしいシャトー･シャス･スプリーンの、グレートヴィンテージ１９８２が比較的安く手に入ったので、それと以前飲んで高評価だったサンテミリオンの隠れた銘酒、クロ･サンジュリアンを比較テイスティングすることに。

１９８２のボルドーは過去に何度か飲んで、クリュ･ブルジョア･レベルでも感動することが多いので、期待が高まります。特に長熟と言われるシャス･スプリーンはどんな状態か興味があります。(過去に飲んで一番感動したのは、マルゴー村３級のマレスコ･サン･テグジュペリですね！)

Ｃhateau ＣHASSE
ＳPLEEN 1982

　　　　ＶＳ

Ｃlos Ｓt.Ｊulien　1982

購入元：　岡山のかわばた酒店

購入元：　リカーランドコモリ ⇒

メドックではありません。サンテミリオンです。

　　　　　　　　　　　　メルロ　　　　　 40％
平均樹齢：カベルネ･フラン 30年、メルロ 80年
ワインの熟成：樽（新樽：10％、1～8年：90％）

ClosSt.Julier82.jpg

【比較テイスティング結果】

色
色はかなりの違いが見られます。クロ･サンジュリアンはかなりオレンジが入っていて普通以上に熟成が進んでいる気がします。それに対して、シャス･スプリーンは少しレンガ色が入っているものの未だ未だ濃い色のルビーです。この差はセパージュの違いによるものか、保管状態か、リコルクによるものか(クロ･サンジュリアンは2006に"Rebouche"とコルクに刻印。シャス･スプリーンとのコルクの違いは下記写真を参照してください。)？

香り
香りは、クロ･サンジュリアンは最初から開いており、秀逸な1982年らしい妖艶さが感じられますが、複雑さはあまりないような。一方、シャス･スプリーンは篭った香りです。(この感じは２年前に飲んだ同じ８２年のムートンを思い出しますが、ムートン程の潜在パワーは感じません。)　時間が経つと段々開いてきますが、未だクロ･サンジュリアン程の妖艶さはありません。クロ･サンジュリアンはあまり変化はありませんが、ドライフルーツ、甘草、干し茸、ウニのような熟成香があります。シャス･スプリーンはトリュフでしょうか？　また、シャス･スプリーンは90分ぐらい経つとカベソと思われるスパイシーな香りが段々出てきました。

４年程前にクロ･サンジュリアンを飲んだ時はリコルクはされておらず(この時のメモを見ると大分コルクが長かったようです)、香りはイマイチ開いていませんでしたが、今回大分良くなっています。リコルクの時に若いワインを注ぎ足すところもあるようですが、これは香りから言っても色から言って注ぎ足していないと思われます。

味わい、料理との相性
どちらも未だ酸味は健在でタンニンは滑らかになっています。色と熟成感のとおり、シャス･スプリーンの方が酸味はやや強い感じがしますが、タンニンや厚味はどちらも同じような感じで十分美味しいです。但し、クロ･サンジュリアンの方が少し甘味もあり、滑らかさも上かなぁと言う感じで、美味しさもチョット上かなぁという印象を受けました。このせいか、鶏の竜田揚げと牡蠣フライはクロ･サンジュリアンの方が相性が良いかなぁという感じです。微妙ですが...　でも、ローストビーフはスパイシーさがあるシャス･スプリーンの方が合ってる感じです。

翌日の香りと味わい、その他
クロ?サンジュリアンは香りは若干落ちたような気もしますが(単に温度による違いか後半には戻ったような気も)、味は変化ないです(甘味が落ちたような気もしないではないですが…)。
一方、シャス･スプリーンの方は昨日より香りも味わいも明らかに良くなりました。ドライフルーツや茸（トリュフ）の香りが増し、チョット複雑性が出てきて、味にも旨味が出てきた気がします。
尚、澱はどちらもそこそこ出ていますが、シャス･スプリーンの方が倍以上出ています。アルコールはクロ･サンジュリアンが12.5%、シャス･スプリーンが12.8%とやや高めです。

総合評価
１日目は香り・味わいとも明らかにクロ･サンジュリアンの方が良かったです(ポテンシャルは別にして)。
２日目はシャス･スプリーンが良くなり、香りは同程度(orクロ･サンジュリアンが落ちたのでシャス･スプリーンが上か？)、味は余韻の長さでシャス･スプリーンの方が少し上と言った感じです。でも、価格はクロ?サンジュリアンの方が２割以上安く(私の購入価格で)、今飲むならこちらの方がお得です。(最近のヴィンテージはクロ?サンジュリアンの方が高いのですね。驚き！！　ますます１９８２はお買い得！！！)

【買えるショップの紹介】

　　(クロ･サンジュリアン)
　　　リカーランドコモリ　⇒　クロ･サンジュリアン[1982]：在庫１

　　　　　葡萄畑　ココス　 ⇒　クロサン･ジュリアン 2004 サンテミリオン　グラン･クリュ：在庫5

　 (シャス･スプリーン)

　　　尾張一宮・河野酒店　　⇒　シャトー・シャス・スプリーン[1985] ：在庫２
注) 1982ヴィンテージもあるのですが、高いのでこちらのがお得ではないかと。

【訳あり、大特価！】[1988] シャス・スプリーン：在庫１

　　　　ワインショップ　フィッチ　　⇒　 [1988] シャトー・シャス･スプリーン：在庫４

クロ･サンジュリアンは今がピークで後５年以内に飲んだ方が良いかと。シャス･スプリーンは未だ良くなりそうで後１０年は持ちそうで、ショップ等の評判どおり長熟そうです。でも何故か、古酒になるとかなり値が上がっているのが残念です。『神の雫』で取り上げられたからでしょうか...？

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