親仁の意見-50男の素朴な想い

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October 8, 2006
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カテゴリ: カテゴリ未分類
単身赴任の週末、ロードショウ公開中の映画 カポーティ を今日は観て来ました。 トルーマン・カポーティ (Truman Garcia Capote, 1924年9月30日 - 1984年8月25日)は、アメリカの小説家。有名な作品は「ティファニーで朝食を」ですが、本当の代表作は何と言っても「冷血(In Cold Blood)」だろうと思います。この作品は1965年に発表され、1967年には映画化されています。詳しくは こちら を。

実はこの映画、僕は高校2年生のときに、今は無き渋谷は東急パンティオンにあった「東急名画座」で観ており、鮮烈な印象があったことを覚えています。カポーティという作家を知ったのもこの時でしたが、今回の映画 「カポーティ」 はトルーマン・カポーティの一生ではなく、名作ノンフィクションの「冷血」(In Cold Blood)が生まれるまでを描いた伝記ドラマです。とはいえ、僕の知らなかった「カポーティ」なる人物を知ることが出来、また彼でなければ「冷血」が書けなかった事情も良く分かりました。

また、若干蛇足ですが、「アラバマ物語」(To Kill a Mockingbird)の作者 ネル・ハーパー・リー (米国の女流作家)とは彼が一時期住んでいたアラバマ州モンローヴィルで隣人だったそうで、後年、作家としての友情をベースに「冷血」の取材には彼女がアシスタントを務めていたのです。今回の映画にも実名で登場していました。

さて、「冷血」執筆の発端は、カンサス州の農家で一家4人が銃で惨殺されたという新聞記事であり、彼は作家特有の嗅覚で小説化を思い立ち、事件直後からネルを伴ってカンサスに乗り込むのでした。事件は思い掛けなく早期に解決され、犯人二人が逮捕されましたが、その内の一人ペリー・スミスは、ネイティブ・アメリカンでアル中だった母親を持ち、孤児院で迫害されて育ったという人物でした。そして、これはカポーティ自身の恵まれない生い立ちと相通ずるものだったのです。彼は映画の中で、次のように語っています。

例えて言えば、彼と僕は同じ家に育ち、彼は裏門から外に出て、僕は表玄関からだった。

It's as if Perry and I grew up in the same house. And one day, he stood up and went out the back door, while I went out front.



ペリーの方も心を開くかに見えて、殺人に及んだ犯行の動機については決して話そうとしませんでした。そして、利用されているという現実も分かってしまうのです。こうする間に、最終的な控訴が棄却され処刑の日も決まり、ペリーは漸く重い口を開くのでした。

カポーティは、ペリーの絞首刑にも立会います。そして、「冷血」は出版され、ノンフィクション・ノベルという新たなジャンルを切り拓いたと言われる作品になりました。ところが、「冷血」以降、1984年に没する約20年の間、カポーティは一冊の本も完成していないのです。ペリーの処刑を目の当たりにし、殺人犯ではあるものの、心を通じ合わせた人間の死を商品化したことに対する良心の呵責だったのでしょうか。

映画を見つめる僕も、我が人生との関わりが脳裏を過ぎりました。事件は1959年11月、つまり僕が小学2年生の時に発生し、犯人の処刑は1965年4月でした。この時僕は中学2年生であり、犯人達とカポーティの繋がりは、僕が小学校低学年から中学生になるまでの間、カンサス州の刑務所において続いていたのです。そして、僕は高2の時に映画「冷血」を観ましたが、その後40年近い歳月が流れ、その間にカポーティ自身は亡くなっていたのです。カポーティと「冷血」を通し、一人感慨に耽った一日でありました。





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Last updated  October 9, 2006 02:29:08 AMコメント(0) | コメントを書く


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