2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
全2件 (2件中 1-2件目)
1

紅葉と云うのは不思議なもので、我が家の庭木の多くは、年によって紅葉したりしなかったりする。以前、柿の葉の紅葉を掲載したことがあるが、その時ほど此の柿の木の葉が赤くなったことはその後一度もない。 今年は、珍しいことにイロハモミジが黄~赤に紅葉(黄葉)した。何時もは、何とも冴えない灰色を帯びたくすんだ橙色の葉になって散るのだが、こう言うこともあるらしい。植えてから20年、多分、初めてだと思う。紅葉(黄葉)したイロハモミジ(写真クリックで拡大表示)(2009/12/19) このイロハモミジ、以前新葉を紹介したことがあるが、新葉も紅葉も普段は冴えないので、我が家では至って評判の悪い木なのである。 紅葉を接写しても面白味はないと思うので、葉裏にアブラムシでも居ないかと探してみた。この木にはこれまでアブラムシが沢山付いた記憶はないのだが、度の強い老眼鏡を掛けて葉裏をよ~く調べてみると、極く僅かだが、アブラムシが付いていた。黄葉したイロハモミジの葉裏にいたアブラムシモミジニタイケアブラムシの胎生雌(拡大してピクセル等倍、以下同じ)(写真クリックで拡大表示)(2009/12/19) 無翅形で体長約2mm、アブラムシとしては中程度の大きさである。残念ながら有翅虫は見つからなかった。 全農教の「日本原色アブラムシ図鑑」に拠ると、カエデ属(Acer)に寄生するアブラムシとして、トウキョウカマガタアブラムシ、ニワトコフクレアブアムシ、モミジニタイケアブラムシの3種が挙げられている。図版を見てみると、写真のアブラムシはモミジニタイケアブラムシ(Periphyllus californiensis)に酷似しており、他2者とは形も色も著しく異なる。モミジニタイケアブラムシの胎生雌(別個体)(写真クリックで拡大表示)(2009/12/19) 九州大学の日本産昆虫目録を見ると、Periphyllus属には6種が載っており、その中にイタヤニタイケアブラムシ(P. viridis)と云うこのイロハモミジに寄生していてもおかしくない近縁種がある。しかし、先の図鑑によると、この種は体色が緑色とのことなので、写真のアブラムシはモミジニタイケアブラムシとして良いであろう。アブラムシ科ケアブラムシ亜科(Chaitophorinae or Callaphidinae)に属す。モミジニタイケアブラムシの胎生雌(別個体)(写真クリックで拡大表示)(2009/12/19) 図鑑に拠れば、このアブラムシは寄主転換は行わず、常にカエデ類(Acer)に寄生する。夏期になると、扁平で周縁に団扇状の突起を持つ変わった形の越夏型幼虫が出現するのが特徴で、初齢幼虫は何もせずにジッと夏を越し、秋になって発育を始めて無翅形成虫に生長するとのこと。「虫ナビ」と云うサイトを見ると、名前の「ニタイ(二体)」はこのことに由来すると書かれている。 今の時期、アブラムシの無翅形であれば、卵生雌の可能性もある。しかし、図鑑に拠れば、本種の卵生雌は後脛節が顕著に太いとあるので、これは普通の胎生雌であろう。アブラムシの生活環は非常に複雑だが、それに応じて虫の形態にも変化を生じる。全く、ややこしい連中である。正面から見たモミジニタイケアブラムシ最初のアブラムシの写真と同一個体(写真クリックで拡大表示)(2009/12/19) 今年も余すところ10日になってしまった。今月の更新はこれでまだ2回目、今年中にもう1回更新したいと思うが、果たして出来るであろうか。
2009.12.21
コメント(12)

今日は前々回(エゾギクキンウワバの幼虫(終齢))に引き続き、エゾギクキンウワバ(Ctenoplusia albostriata:ヤガ科キンウワバ亜科)のその後を紹介する。 先ずは繭の写真から。エゾギクキンウワバの繭.中の前蛹は黒化して死んでいる(写真クリックで拡大表示)(2009/11/05) 前編にも書いた様に、最初に蛹化した個体は蛹化せずに前蛹の状態で黒化して死んでしまった。飼育した残りの2頭の内、1頭は紙と葉の間に繭を作ったので繭の写真としては適切とは言い難く、また、残りの1頭は飼育箱の本体と蓋の間に繭を紡いだので繭を壊さないと蓋が空けられない。仕方なく、此処では蛹化せずに死んだ一番最初の繭の写真を出すことにした。中に見える黒いものは死んだ前蛹である。蛹は下に示す様に全体真っ黒ではない。エゾギクキンウワバの蛹.蛹化直後は黄緑色をしているが写真の蛹は羽化の前日で褐色になっている上は背側から見たもの、下は横から(蛹の左右が入れ替わっている)(写真クリックで拡大表示)(2009/11/26) 上の写真は、前編で紹介した蛹化直前の太った幼虫が蛹化したものである。羽化の前日で茶色を帯びているが、蛹化直後は綺麗な黄緑色をしていた。黒い部分の拡がりには、個体による変異がかなりある。上の蛹が羽化した.体長は15mm程度、かなり小さい蛾である(写真クリックで拡大表示)(2009/11/27) この蛹から羽化したのが上の個体、体長15mm程度(開張約30mm)のかなり小さい蛾である。前翅の中程に白条があり、側縁(写真では後縁)は波打っている。エゾギクキンウワバの典型的な形と言える。写真の白条の下には、瓢箪池を上空から眺めた様な紋があるのだが、この写真では些か不明瞭である。別個体.前翅中程の白条が黒条になっている.飼育箱の中で暴れて鱗粉がかなり剥がれてしまっている(写真クリックで拡大表示)(2009/11/20) 中には上の個体の様に、白条が黒条になっているものもある。これは最初に羽化した個体で、夜中に飼育箱の中で暴れたらしく、既にかなり鱗粉が剥がれてしまっている。「黒条」の右下に「瓢箪池を上空から眺めた様な紋」が見える。 この個体では眼の色がかなり黒いが、先の個体では薄い茶色をしていた。Web上にあるエゾギクキンウワバの写真を色々見てみたが、前翅に黒条の持つ個体は眼が黒く、白条を持つものでは眼が薄茶色、と云う関連は認められなかった。翅を拡げたエゾギクキンウワバ(写真クリックで拡大表示)(2009/11/27) 昼行性の蝶は朝に羽化するのが普通の様だが、夜行性の蛾は午後になってから羽化するものらしい。まだ明るい内はジッとしており、暗くなって来ると夜空に飛び出す。 上の写真はまだ明るい内に無理矢理三つ葉の葉の上に載せて写真を撮ったものである。少しいやがって翅を拡げている。こう云う翅の状態は蛾にとって気持ちが良くないらしくこの後直ぐに飛び出したが、近くに留まったのでまた元に戻して撮ったのが下の写真。エゾギクキンウワバの留まり方.右が一番自然な状態らしい(写真クリックで拡大表示)(2009/11/27) 左の状態から次第に翅を寄せて右の様に変化した。この右の形が一番自然な状態らしい。このままずっと暗くなるまでジッとしていたが、既に暗くなった6時頃見に行くともう居なかった。正面から見たエゾギクキンウワバ(写真クリックで拡大表示)(2009/11/27) 正面から見ると上の写真の如し。キンウワバ亜科の蛾は、胸背に長い毛の束を持つのが特徴である。斜めから見たエゾギクキンウワバ(写真クリックで拡大表示)(2009/11/27) 斜めから見た写真も載せておく。胸背と腹部に長い毛の固まりがある.色々な形をした鱗粉や毛が見える(写真クリックで拡大表示)(2009/11/27) キンウワバ亜科の蛾の胸背には長い毛の束がある、と書いたが、腹部にもかなり長い毛の集まりが2つある。それらの部分を拡大したのが上の写真。 写真左上に1本、胸背から抜けかかった毛が見える。先端は普通の鱗粉の様な形をしており、それに長い毛が柄として付いている。これを見ると鱗粉は毛の変形と云うことが良く分かる。ストロボの反射で光るエゾギクキンウワバの鱗粉(写真クリックで拡大表示)(2009/11/27) ついでにもう少し後の方も拡大してみた。ストロボの反射で鱗粉が光っているのだが、何か師走の町の飾りのようにも見える。蛾の生態写真としての意味は余りないが、一寸面白いと思ったので、オマケとして載せておくことにした。
2009.12.01
コメント(11)
全2件 (2件中 1-2件目)
1