ザビ神父の証言

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2009.10.14
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カテゴリ: 民衆の歴史
デパートの誕生(3)

最初にデパート誕生以前の商店とはどういう店だったのか、買い物をするということはどういうことだったのかを見ることにしましょう。題してデパートの誕生前史です。

王政復古期の前半、1825年頃までのフランスで、商店で買い物をすることは、日々付き合いのある食料品店(パン屋、肉屋、魚屋、八百屋など)での買い物をを除くと、現在で言うとアンティークショップで買い物をすることに似ていました。

つまり、商品に値札はなく、値段が良く分からないのです。店主は客の顔を見て値段を吹っかけ、少しでも高く売りつけよう、客をカモにしようと、あの手この手を繰り出すのです。そうはさせまいと客は値切りに入ります。現在でも東京のアメ横などでは、客と売り子とがこの手の駆け引きを楽しんでいますし、外国へ行くと、正価で買わず、しっかり値切ってくださいとアドヴァイスを受けることがあります。

そうなんです。フランスに限らず、当時のヨーロッパでは、商品には値段がついていなかったのです。食料品のように、日々購入する商品については、客も多いですし、日常のこととして値段についても知識がありますから、ベラボウな値段がつくことは先ずありません。しかし、当時の高級品であった衣料品については、そうは行きません。

貴重品である衣料の購入は、そうあることではありません。ですから商店の側でもやってきた客が、何も購入せずに帰るようなことがないように、あの手この手で客を攻め立て、何かを買わせようとするのが常でした。

つまり、客の側にもいったん店に入ったら、何も買わずに出てくるには、大変な労力が必要だったのです。ですから、この時代の買い物は、けっして楽しいことでも、心躍ることでもなかったのです。ですから、客にとってもこうした買い物は、決して楽しいことなどではなく、必要のために、いやいや決死の覚悟で取り組まなければまらないことだったのです。
                                     続く






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最終更新日  2009.10.15 01:35:34
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