ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.05.20
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カテゴリ: 国際経済
世界経済の現状(133)

7500億ユーロ(約85兆円)の為替安定化基金の創設が謳われ、金額の大きさが市場予想を大きく上回ったため、一時的に市場の落ち着きが見られましたが、詳細に眺めますと、大きな問題点が浮かんできます。

先ず、7500億ユーロの内訳を見ますと、4500億ユーロは、ユーロ圏諸国全てが参加する政府間の相互信用保証、相互与信です。2400億ユーロはIMFの融資、そして600億ユーロが為替等の介入資金となっています。

これは、ユーロの加盟国間で、国同士が信用を与え合って、為替介入をしようというものです。正直に言うとこれは茶番です。ギリシアの危機が波及して、ユーロ自体が大変困難な事態におかれているときに、ユーロを貸し借りすることに、何の意味があるのでしょう。

通貨が国別であれば、強いマルクを借りて、ドラクマだペセタだリラだを、買い支えることは出来るかもしれません。しかし、ドイツも同じユーロなのです、ですから、10日月曜日の日本市場が開く前に、ドイツ銀行は日銀に駆け込んで、必要なだけの円資金を融通してもらう約束を取り付け、事なきを得たのです。

ギリシアもそうですが、ポルトガル、スペイン、イタリアらがドイツと資金を融通しあう協定を結んで(これをスワップラインの設定と言います)、それでどれだけユーロを買い支えられるというのでしょうか。

ユーロを支えるには、ユーロ以外の通貨が必要です。円、ドル、元などです。市場の信頼を失ったユーロ同士でスワップラインを結んでも、それは何の役にも立ちません。効果があるのは、日銀やFRB、そして中国人民銀行と無制限な(つまり必要とするだけの全額)スワップラインを結ぶことだけです。

これは可能でしょうか。FRBや日銀が円資金やドル資金をスワップするとして、スペインやイタリアの国債が裏づけでは、話になりません。相手がドイツだからこそ、10日の話はまとまりました。

結局、この為替安定化基金の出し手は、一部にフランスやベネルックス諸国が加わるとしても、主要部分はドイツが担わざるを得ないのです。結局全てはドイツの肩にかかってくる。ドイツはこれを警戒しています。共倒れを畏れるからです。



つまり、今回のユーロとユーロ圏の防衛策は、いわば絵に描いた餅と同じで、実効を伴うものになっていないのです。ユーロの危機はまだまだ続くでしょう。
                                  続く






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最終更新日  2010.05.20 21:10:44
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