ザビ神父の証言

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2010.07.26
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19世紀のアメリカ(82)

第3章 南北戦争と再建…8

では、南北戦争は、どのように始まったのでしょうか。そしてどんな戦争だったのでしょうか。

アメリカ合衆国は、州の集合体として成立した連邦国家です。ですから、中央政府の権限は弱く、その中央政府権限を、強力なものにしないための仕掛けが、幾重にも張り巡らされていました。

そんなアメリカ合衆国では、連邦憲法が定めることは限られており、中央政府が決めない事は各州は独自の憲法によって、定めることが出来たのです。

リンカン大統領の登場は、そんなアメリカにとっては、ショッキングな事態でした。何しろ南部からの集票は全く期待できない候補が、大統領に当選したのです。リンカンは、奴隷制度を廃止するとは一言も発言せず、今以上(1860年当時)の奴隷州の拡大は認めない。今後州に昇格する地域は、全て自由州にするとしか発言しておりません。

しかし、奴隷制度に立脚する南部諸州は、将来の上院議員の議席数を問題視しました。上院議員は人口に関係なく各州2名(日本の参議院議員もこの制度にすると、94名で済みます値。』或いは全員比例制で100名も良いかもしれません。国土で25倍、人口で3倍弱の米国上院が100名の議員なのですから…)です。すると、今後自由州ばかりが増えていくとすると、南部の主張は、常に上院で否決されかねません。南部はこの点を憂慮しました。

その結果、それならいっそ、アメリカ合衆国に留まることをやめて、南部だけで別の連邦を組織しよう。南部の急進派はこう考えました。彼らは、アメリカ合衆国は、「主権国家である諸州の契約に基づく連邦である」と考えていたのです。

合衆国離脱論は、セクショナリズムと呼ばれるのですが、その急先鋒サウスカロライナの誘いに、ジョージア、アラバマ、ミシシッピー、ルイジアナ、テキサス、フロリダの6州が加わり、7州が1861年2月1日までに、連邦離脱を宣言したのです。



南部諸州は、「リンカン政権が、新規開拓地への奴隷制の拡大を認めないことは、大統領による不当な権力の行使であり、我々南部は、それに抵抗する権利がある」と主張したのです。

リンカン政府は、こうした南部の主張を認めず、「南部の行為は、新国家の建設ではなく、合衆国に対する反逆である。」と断じたのです。

共和党の政治家が目指したのは、「西部への拡大を通じて、より強大な合衆国を建設すること」でした。それ故、南部が引き金を引いた連邦の分裂は、なんとしても阻止しなければならない、反逆だったのです。

南北戦争は、南部諸州の合衆国離脱、新国家建設を容認するか、阻止するかを巡って始まりました。合衆国憲法は、このような形での実力行使を、連邦政府に認めていたでしょうか。憲法解釈としては、疑問が残ります。皆さんは、どちらの立場に、正当性をお認めになりますが。

                             続く






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最終更新日  2010.07.26 19:06:35
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