ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.12.27
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カテゴリ: 国際経済
ユーロの憂鬱 (22)

前回に記したような事情で、後にPIIGSと揶揄されるようになる国々は、それまで夢想すらしなかってであろう好条件で、国債を発行することが出来る(=借金することが出来る)ようになったのです。

これが災いの元となったのです。低利で融資を受けることが出来るようになった喜びで、融資枠いっぱいの刈り入れを行なう、借金依存型の経済に傾斜してしまったのです。バブル期の日本企業が、低利で資本調達ができるのを良いことに、債券を発行して資金を手当てし、それを土地や株式など本業とは関係のない、土地や株式などの売買に注ぎ込み、結果的に自分の首を絞めたのと同じ構図です。

その結果、どの国でもインフレ体質が定着し、財政赤字が慢性化することになったのです。結果はバブル崩壊後の日本以上に悲惨なことになりました。日本とこれらの国々では、経済的な地力が大きく違うからです。

東欧のブームとその行き過ぎ、IT金融の盛況と暴走、補助金ブームから派生した資産インフレ、そしてユーロ導入による低金利融資に依存した借金体質。こうした四つの要因によって、統合欧州は、バブルに酔っていたのです。

結束は弱いけれど、統合は進んでいた欧州だから、バブルはEUに加盟していないアイスランドのような国まで含んで、全欧州を巻き込んでいったのです。

金融取引、物の売買、人の移動、どれをとっても、単一市場化がここまで進んでいなければ、バブルがここまで広く浸透することはなかったように思います。単一市場化の素早い浸透によって、いわば、崩れる時はみんな一緒の、一蓮托生の世界が出来上がっていたのです。

そうであれば、一朝有事には、団結して事に当たることが求められます。一致団結があってこそ、危機回避の知恵や可能性が生まれるのです。しかし、既に何度も指摘したように、EUには「いざ鎌倉」に際しての団結の核がありません。そうした求心力の形成を避けることで、みせかけの団結をやっと維持してきたのが、EUだったからです。
                                 続く





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最終更新日  2010.12.27 20:24:32
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