ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.12.31
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カテゴリ: 国際経済
ユーロの憂鬱 (26)

第2の問題。財政統合を巡ってはどうでしょうか。ユーロ圏諸国は、財政面での統一的な施策を打てるのでしょうか。さらには、もう少し輪を広げて、EU全体として、財政を共有することは可能でしょうか。

1つの通貨、1つの金融市場を持つような経済圏のなかで、複数の財政政策がバラバラに展開されるというのは、どう考えてもおかしな話です。

それが分っているので、今までもEUは、どうすれば財政統合を実現できるかについて、様々な模索を続けてきました。しかし、ここでも金融行政の問題と同じく、堂々巡りに陥っているのが実情です。

要するに、一方で統合が進めば進むほど、そうした統合の進展自体が、個別対応の必要性を強める方向に働くのです。この場合も、加盟国の経済活動が順調であるうちは、さしたる軋みを生じません。ところが、ひとたび厳しい経済状況が出来すると、ただちに状況が変わります。

いずこの国も、自国を守ることに必死となり、全体のことを考えなくなるのです。どの国もEUとかユーロ圏といった合体ロボット全体のことは考えず、合体ロボが機能不全に陥っても、自国のことが守れればそれで良いという態度になるのです。

「必死で国民を説得して、財政緊縮策を打ち出している時に、その苦しい財政の中から、他国のためなどに金が出せるか」と言うわけです。

金融面での統合が進めば進むほど、いざという時の衝撃を少しでも緩和したいという、気持ちになるのです。そのために、財政面の自由度は何としても確保しておきたい。どの国もこのように考えるのです。

一例を挙げておきます。既に記しましたが、EU内の後発国には、インフラ整備のためのEUの補助金がありました。補助金の受け手は、ポーランドや東欧諸国、そしてギリシアやアイルランド、ポルトガルなどです。出し手は独・仏・英・伊にベネルックス諸国などです。



加盟国の間で、やりあっている様子が、時折報じられるのは、このことなのです。こうして財政の一元化問題も、全く前に進まないでいるのです。
                                 続く





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最終更新日  2010.12.31 19:03:16
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